表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラ・カーム戦記 Ⅱ  作者: 神名 信
12/26

第12話

自由になったヒロはすぐに女王と護衛に向けて矢を放つ。

 当たらないが、計算のうちだ。

 二匹はまた、ヒロの矢を警戒しなければならなくなった。

 この瞬間、とレイガの刀が護衛の首を跳ね飛ばす。

 女王オオカミのみとなったところで三人はまた集まりフォーメーションを組んだ。

 カガが左、レイガが右に回り女王を追い詰める。

 本命はヒロの弓だ。

 まず、カガが間合いを詰めた。

 短剣が女王に刺さるが傷は浅い。

 女王が左足でカガを攻撃する。当たれば一たまりもない。

 カガはバックステップで避ける。その間合いを見計らってレイガが刀を女王の胸へ突き刺す。手ごたえがある。

 大量の血が流れ出て、女王が暴れまわる。

 ヒロ矢が女王の額へと飛ぶ眉間へと吸い込まれていく。

 立て続けに飛んだ矢が二本、三本と女王の体に吸い込まれていく。

 動きが止まった女王の首をレイガの刀が切り落とした。


「マリ、ヒロの治療から頼む」

「ヒロ、痛かったよね?大丈夫」言いながらラ・ケアをかける。

「めちゃくちゃ痛かったよ、ほんと。」ヒロは半泣きだった。

「ふわーしんど」カガが大の字に倒れた。

「女王オオカミの牙、採取しておくぞ、これはものすごい価値があるんだ」

「レイガ、元気だなー、そういえばあちこちに巾着が落ちているな、集めておいて」

 巾着を集めると五金貨ほどあった。

「牙とお金、マリ持っていて」

「うん、それとエンチャントね」

「あ、それも頼みます、三十分休憩、よろしいですか?」

「はい、本当にありがとう」


 休憩が終わったころには午前十一時になっていた。

 部屋を抜けると、北への一本道であった。

 カガを先頭に進む。

 四十分ほど進むと部屋が現れた。

「この部屋には巨人系のモンスターがいるはず、迂回も考えられるけど、打ち合わせ通り突破しよう。フォーメーションは女王とやった時と同じで」

『了解』

 カガが部屋に入ると部屋の奥に巨人の姿が見える。サイクロプスだ。一つ目の巨人は右手に大きなこん棒を持っている。

 左にカガ、右にレイガが展開してサイクロプスに迫る。

 オオカミとの戦いに慣れたからか動きが鈍い。

 カガとレイガはほぼ同時に切り付けていた。

 相手の動きを止めたかと思った一撃であったが、サイクロプスの動きは止まらない。

 サイクロプスの素手の左手でレイガは刀を握られた。

 抗いようのない力の差、瞬間レイガは刀を放した。

 レイガがサイクロプスから距離を取ると、後ろからマリが予備の刀を投げてくれた。

 腕だけでありがとうの合図を送る。

「ヒロ、あいつの目をやってくれ」

 ヒロの矢が飛ぶと、サイクロプスは両腕で目を守った。

「弱点か、カガも狙ってくれ」

「あいよ」

 サイクロプスの前にレイガ、カガ、ヒロと一列に並ぶ。

 レイガが間合いを詰めながらサイクロプスの足を切りつける。

 防御態勢にあったサイクロプスは目の前のレイガをこん棒で殴りかかる。

 カガはレイガの肩に足をかけると、飛んだ。サイクロプスの顔面の方へ。

 二本の短剣が目に突き刺さる。

 サイクロプスが目をかばうより先にヒロの矢がサイクロプスの瞳を貫く。

 ウォォォォォォォ

 断末魔とともにサイクロプスは息絶えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ