第2話 どこだここは?まきこm、え?
この話の主人公亀井義人は、いつものようにボッチ飯を食べるために屋上に行ったとき、学園のマドンナ聖伽耶とイケメンリア充勇海斗と出会った。
そこでなんやかんやあり、光の現象に巻き込まれたのであった。
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義人が目覚めたとき、二人の姿はどこにもなかった。それどころかいつもの知っている風景はそこにはなかった。
義人のボキャブラリーでは表現できないような空間であった。
広大でとても先が見渡せない場所であり、神聖で天使や神父のような人がいてもおかしくないような場所であった。
それなのにどこか邪悪でもあり、怪しい像でも置いていても何ら不思議ではなく、相反する空間だからなのか調和がとれているような感じがしなくもない。
そのためなのか快適でもある様だった。
とりあえず分かったことはここがやはり学校ではないということだ。
すごい。
修学旅行で行った奈良の大仏が置いていそうなところだな。
でも、近所の墓地みたいに幽霊とかいたりしそう。
なのに自分家みたいなかんじもするなぁ。
逆に怖くなってきた。
帰りたい、切実に。
絶対やばい。
僕の中のボッチ空間認識アンテナが告げている。
{ボッチ空間認識アンテナ:リア充がいる空間またはそれに近い雰囲気を感じとる。要約するとリア充怖い、めんどくさいので逃げようというビビリ精神である。ボッチは急に話しかけられたりしたらどもってしまうのである!}
俺もオタクだから大体のことは分かる。
これは異世界転移の前触れだ。
ただ異世界転移はピンキリだし、俺つええできるかどうかは運しだい最悪の場合奴隷で死亡というパターンも存在する。
やはり頼み込んで元の世界に帰してもらおう。
割に合わない異世界転移なんて、絶対嫌だ。
モブにはモブのボッチにはボッチの流儀がある!
神様のような存在はいないのかな、もうそろそろ出てくる感じだと思ったんだけどな。
「いるわよ」
もしかしてこのままここに一生放置か。それってじみにやばいな。いや、かなりやばいことになってしまっているのでは?
「い・る・わ・よ。聞こえないのかしら。仕方がないわね。いるぞ、おぬし耳が腐っているのかそれとも馬鹿なのか、馬鹿なんだな、おいバカ、聞けこのハゲ」
うーん、これはガチでやばいかも。
「聞けこの馬鹿者、人間のごみ、何の生産性もないカス野郎、―、―――――」
「ちょ、えっ、急にすんごい罵声飛んできたのですが」
「やっとか、この馬鹿、のろま野郎」
「いや、なんか本当にごめんなさい許してください」
神らしきその存在は当たり前のようにそこにいて頭を下げずにはいられない存在であった。
容姿は端麗、スレンダーであり、とてもはかなげで、先ほどのような言葉遣いをするような見た目には決して見えず、どれほど自分は目の前の存在を怒らせてしまったのだろうかと義人は考えた。
とにかく義人にとっては綺麗という言葉の権化ともいえる美少女がそこにはいた。
その存在は義人の前で体に似合わない大きな椅子に足を組んで尊大に座っていた。
やばい、ヤバイ、もう評価ガタ落ち。
もはや転生される前に消されてしまうのでは?
どうしいようおわr「もうええだろが、いつまでつまらないことをがたがたと」
「はいぃ、す、すみません。愚かなわたくしめをお許し下さいぃぃぃぃぃ。てか、心の中読めるのですね」
「わかった、わかった、そんなことどうでもいいから。もうだいたいわかっているみたいだけど一応説明しとくと」
「はい、異世界転移ですよね。悪いのですがかえr「無理、お主に選択肢はない!」
食い気味に断られたあぁぁ。どうしy「でだ、お主は正確には巻き込まれたわじゃよ。わかるか?」
また食い気味でなんか言われたあぁぁ。落ち着け僕ちゃんと話を聞かないと。
「ま、まきこまれた?う、嘘ですよね!実はあなたは必要ないんでそこいらの道端のどぶにでも足を滑らせてそのはずみで頭を打って死んで下さいなんてことになりませんよね?」
「無駄に細かいんじゃあ!しかもなんかネタが古い!お前さっきから反省しとらんじゃろ。話聞く気ある?一遍死んでみるか?今なら痛みなく、さらにわしの手によって殺されるのだぞ。光栄に思え」
「本当に申し訳ありませえぇぇん。なんか焦ってしまって自分でも何を言っているのかよくわからなくて、そういうときってよくありますよね?てへ」
「わしシャノワール名のもとに亀井義人を「なんか魔法みたいなの打たないでくださいぃぃぃ。もう考えまくって会話を止めたり、焦って変なこと言いませんから」
シャノワールが右腕を上げたとき、魔法のようなパワーが発生した。
魔法がわからない義人から見てもとてつもない力の塊であることがわかった。
それを見た義人は即座に頭を地面に打ち付け土下座の体制になりながらそう言った。
「お主としゃべっているといちいち疲れるわ。早よ、向こうに送ることにするか。んん、改めて言うとあなたは巻き込まれたわけ」
「え、急にしゃべりがk「シャノワールの名のm「申し訳ありません」
「本命の二人はもうゴート王国で勇者と聖女として転移しているわ。で、偶々近くにいたあなたはその転移に巻き込まれて時空の波とかにのまれて普通は死ぬのだけれど。どういうわけかあなたはここに流れ着いたと」
「勇君と聖さんが本当の転移者で僕は巻き込まれた?本当に?」
「そういうこと、まあ、そんなことどうでもいいのだけれど」
「よくないですよ!大事なことでしょ!」
「それより、あなたもう人間ではいられないわよ」
「」
巻き込まれたという事実ですら自分の中で呑み込めないのに、それが小さく見える衝撃の事実に義人は気を失った。
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要約すると向こうの異世界には気体に酸素的なものとかそういうもの以外に魔力の気体的なもの《マナ》があってそれは地球の人間には害にしかならないということだった。
「いやいや、やべぇとこじゃないですか!魔法使いながら死んじゃったりしたら、夢も希望もないですね!なんでそんな世界に!もっといいとこあるでしょ」
「ごめんだけど、ほかの世界はもう満杯なのよ」
「なんですかそれは、世界はホテルみたいな宿泊施設だったんですね!予約とかいりますかね?繁忙期だから難しいですか?」
「お前少しうざいの友達おらんじゃろ。」
「………」
義人は美少女の神の発言に三角座りになって地面をいじり始める。
「いちいちいじけるな馬鹿者!」
「だって、本当のことをおっしゃるから思いのほか精神的なダメージが大きくて。やっぱりそんなに陰キャに見えたりするのかなって。ちょっと楽しくなってきたから調子に乗りすぎたかなって。心が痛くて、うぅ」と義人は涙ぐみながら言った。
「めんどくさい男じゃの(わかった、わしがわるかった)」
「いや、本音でちゃってますから。かくせてませんからね!建前のほうが隠れちゃってますから!」
義人はそこから数分いじけつつもなんとかたちなおった。
「はぁ、それでねあなたは亀人間になってもらうから、某バトル漫画の仙人にあやかって」
「ちょっ、それって大丈夫なんですか?色々やばくないですか?獣人なら他にも選択肢ありますよね?もっと強い獅子の獣人とか」
「体に魔素を通すには媒体的なものがいるのよ。空気清浄機的な感じでね。それが甲羅なわけよ。あなた名前に亀って入っているしちょうどいいでしょ。亀だけに」
「よくないですよ。なにうまいこと言ったような顔しているんですか。さっきから勝手なこと言っていますけど。僕にだっていろいろあるんですよ!。母さんにはなんていったらいいんですか?」
義人は母と妹との三人暮らしであった。
「出稼ぎってことになっているわ。あなたが稼いだお金の何割かが日本円に換算されて振り込まれることになっているわ。お母さんは食費が浮くって喜んでいたわ。妹さんに関しては部屋が広くなるって騒いでたわ」
「母さーん。もしかしてそれ信じちゃったのかな。つーかひどすぎる!おかしいよね、高校生が出稼ぎに日本から出ていくとか大問題だよね!綾乃に関してはふざけんなコノヤロー」
「神の御業よ。地球人にそれくらい信じさせることくらいできるのよ。もう時間だわ早くしないと死ぬわよ」
「早すぎでしょ。まだ何も説明しもらっていないのに、ちょっとくらいお願い聞いてくれてもいいのに」と義人は心の中でそうつぶやいた。
「声に出して思いっきりしゃべっているわよ。あんたほんとに変だし疲れる人。それと亀人間になるなり方ね。変身て言って、適当にポーズとってみて」
「変とか疲れるとか言わないでください。普通に傷つくんですが。まぁ、それじゃあ行きまーす。へ~んしん。とぉ!」
義人はポージングしながら言うと、義人の体が光りだす。
学ランを着ていた義人だったが、そこには村人のような格好でリュックサックを背負ったように背中を覆う甲羅を背負う義人がいた。
「なにこれ、ひもで甲羅背負っているだけじゃん。取り外し可能だし。リュックサックみたいに下せるんですけど!ていうかぬめっていますけど!」
「似合っているわよ。これでもう安心ね。後解除するとペンダントとして首にかけれるから。それだけだとかわいそうだし。一応私の加護も上げるわ」
「俺つええですか。ですよね!やはりそう来なくては。これならすべて納得です。亀人間であることも、巻き込まれたことも」
「違うわ」
「ちゃうんかい!思わず関西弁が出てもうたわ」
義人にはもうツッコミまでに敬語を使う余裕はなかった。
「私にはその訛りの違いは分からないのだけど。まあいいわ。私の加護はあなたが成長したらそこそこ使える加護にはなるかもしれないしならないかもしれない」
「いや、どっちなんですか!」
「よし、ここでやることはすべて終わりよ」
「いやいや、向こうがどんな世界とか聞いてないし、ほかにもいろいろあるじゃないですか。ていうか、なんか光っているし!」
義人の体が学校の屋上の時のように光りだす。
「いろいろ頑張ってね。たまに応援しているから」
「たまにかよ!せめてこれからどこの世界に行くのか名前くらい教えてください」
「シャノワールよ」
その名を聞いて一瞬義人の中で時が止まった。
そして義人はすべてを理解した。
せいぜい漫画やアニメで出てくるような最下級の神かなんかかと考えて、だんだん適当な対応になっていた自分の考えが甘すぎたことを。
下手をしたら本当に消されるかもしれないと。
「ましゃか、創造神様なのでしゅか!先ほど御注意をいただいたのにもかかわらず再びこうして無礼をしてしまう愚か者の私をお許しください」
再び義人は崩れ落ちるように土下座の体制を即座にとる。
「まぁ、あなたがどのくらい無礼なのかは初めの時点で分かっているから。せいぜい頑張りなさい」
「はっ、色々とありがとうございました。失礼いたします」
義人は光に包まれながら、シャノワールに頭を下げ、頭を上げたときにはそこから消えていた。
せいぜいあがくことだの。ちっぽけな存在よ。変な奴だったがそこそこ面白いやつだったの。なんか色々忘れているような気もするがまぁいいか。
創造神はどこかちょっと抜けていた。
創造神はとりあえず美少女をイメージしていただいて、胸に関してはスレンダーなのでそれを崩さない程度でお願いします。
甲羅に関してはバトル漫画の仙人の修行で出てくる感じの奴をイメージして下さい。