第1話 学校生活はボッチが基本
ヤンジール王国のはずれに一人の男がいた。その名は亀井義人。転移者である。これは一人の弱虫が世界を大きく変える物語である。始まりは男の学生生活の終わりまでさかのぼる。
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<卸山高校屋上・義人>
くそ何でこんなことになっているのよ。僕が何をしたっていうのよ。思わず義人は弱気でそう思った。
義人はボッチとして人目を避けるために校舎の屋上で昼食を食べようと校舎の屋上に上っていた。
義人の通っている高校は街の風景が見渡せる丘の上にあり、あまりの友達のなさに先生が特別に屋上を利用する許可をくれたのだった。
義人はこの屋上でボッチ飯を食う時が学校生活で一番楽しい時間だった。
そういう思いを抱えて天国の扉を開ければそこには地獄があった。
そこで見たものはそう、この学校のマドンナ、聖伽耶である。
ともう一人リア充の権化の勇海斗である。
伽耶さんだけなら最高なのに、なんだよこの状況最悪じゃん、修羅場としか言いようがない。なんで二人が言い争っているのだよ。
「なあ、頼むよ。俺と付き合ってくれよ。伽耶」
「嫌です」
「即答かよ」
「勇君この前ほかの子と付き合っていたでしょ。あれからまだそんなに立ってないし、そういうのすぐ噂になるから困るの」
「そこを何とか、お・ね・が・い」
「気持ち悪いし、嫌です」
「じゃあさ、今度どっか遊びに行こうよ」
海斗が伽耶の肩に触れながら言う。
止めるべきなのかな。
こんなところでご飯食べられないよね。
どうしよう。
ていうか二人とも俺が入ってきたことに全く気付いてないし、どうするのだよこの状況、ドラマか何かですか。
誰か助けてください。
「あ、あのー」
「嫌なの、放して」
「拒否されてからが本当の恋ってね」
「もしもーし」
うわー全く気づかないよ、この人たち、どうする、どうする。
なんかドキドキしてきたな。
喉乾いてきたし、やっぱり帰ろうかな。
ボッチの僕には耐えられない。
嫌、諦めたらだめだ!
「あの!」
やべ、声が大きすぎた。しかもこっちに気づいたみたいだし。
「亀井君!」
「なんだてめぇ」
「あのーですね。そういう無理やりなやり方はやめたほうがいいのではないかと」
「なんだとてめぇ、殺されてーのか。恋愛のれの字も知らなそうなやつにとやかく言われたくないんだよ。そういうのが一番腹が立つんだよ。」
「えっ、ちが、ちょっ」
海斗の剣幕に焦る義人。海斗は怒号を飛ばしながら義人に近づく。
「まして自分のほうがかっこいいとでも思っているんじゃねぇだろうな。ていうか誰だお前?」
海斗が義人の胸倉をつかむ。
「ちょ、違うよ、俺なんて顔も普通だし、頭も平均より下だし、友達も少ないし、というかいない。はは、自分で言っていて悲しくなってきた。後亀井です」
義人は海斗の発言に思わず自分を省みて思わずそう話す。
「そ、そうか、なんか悪いな亀井」
海斗は普段そのような発言を聞いても同情して思わず謝るような性格はしていなかったが、義人を前にした時にはなぜかそのような感覚になり思わず謝っていた。
「いや、人様のいざこざに口を出したこっちが悪いが悪いんだよ」
「なんか悪い思いさせたみたいだし、今度飯でもおごるわ」
「二人とも、私を置いて何仲良くなっているのよ。というか海斗くん私に告白していたところでしょ」
思わず伽耶は二人の会話に口をはさむ。
「なんかもういいや、悪かったな伽耶」
「なにそれ、ほんとはどうでもよかったってこと?サイテーね。それよりも亀井君ありがとう。怖かっただろに勇気あるね」
「ち、違うよ伽耶。なんか今はやめといたほうがいいのかなって思ったんだよ」
「いやー、それほどでも。それに僕は伽耶さんのことかわいいと思っているよ」
「嘘ばっかり言って、ほんと考えらんないわ。亀井君はありがとう」
「本当に違うんだって、亀井てめぇ、調子に乗ってんじゃねぇぞ」
話し合っていた三人の足元に光が発生する。それはゲームの中で出てくるような魔法陣のような模様をしていた。その光景に思わず伽耶と義人の二人はがたいのいい海斗に抱きつく。
「うわ、なんなのこれたすけて、勇君!」
「まぶしよ、目がー、助けて勇君」
「亀井まで抱きつくな。男はいらねぇーんだよ」
「そんなひどいよ、お願いだよ」
「わかったからくっつきすぎなんだよ。うわ、くそまぶしい」
「海斗君!亀井君!」
「目がー」
光が終息した後、三人の姿はそこにはもうなかった。
誤字脱字、読みにくいなどご迷惑をおかけすると思いますが、最後まで読んでくれると幸いです。
よろしくお願いいたします。