【ほっこり童話集】企画と蔵出し絵本『黒歴史?シリーズ』(後編)
【ほっこり童話集】企画
『Kobito』様
https://mypage.syosetu.com/1054237/
前回からの続き。絵本解説。
キャラクターのセリフは書き下ろしです。
絵本部分は当時の同人誌の文章を採用。
『仔悪魔とハロウィーンパーティー』
https://ncode.syosetu.com/n3670go/
【読む前に解説】
これは過去に出したハロウィンの絵本の文をそのまま載せて、それに対して、キャラクターがグダグダと言っているという、なんともオチのない流れです。
【話とキャラクター解説】
昔描いた漫画を基にしています。
元ネタは現在連載中の『Thousand Sense〈サウザンドセンス〉』で、その話から悲壮感まったく無しのパラレルとなっています。
ムゥちゃん:食べるの大好き仔悪魔(♂)
ピーちゃん:羽が天使な仔悪魔(♀)
ベビー悪魔×6:ご近所の子供たち。
その他悪魔:招待客?
リィケ:ムゥの飼い主? 素直な子供。
ルーシャ:リィケの父、神父。意外に天然。
ライズ:家事全般得意。リィケの叔父。
レイニール:街の貴族の子供。
レイラ:リィケのママ。
ルーシャの妻。
ライズの姉。
以上、愉快なメンバーでお贈りします。
一番下には当時巻末に載せていたオマケページ付き。
どうぞ、生暖かい目でご覧ください。
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【ハロウィンパーティー】
今日はハロウィン
街はお菓子と悪魔でいっぱいです。
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リィケ
「このフードの服じゃ、仮装って言わないよね? 悪魔ってどれがいいかなぁ。『吸血鬼』『ゾンビ』『ミイラ』『ゴースト』……は定番だからー。もう少し凝って『スキュラ』『エキドナ』『サキュバス』『アンフィスバエナ』『ミノタウロス』『モスマン』『アバドン』……」
ルーシャ
「待て待て待て! 何でそんなに悪魔の種類出してくるんだ!?」
リィケ
「お父さんの悪魔辞典に載ってたよ」
悪魔退治専門の神父の子供の家庭環境です。
ルーシャ
「ぐ…………子供がそんなマニアックな悪魔の仮装はしなくていい! なんか……こう、子供は『虫歯の悪魔っぽいの』でいいから!!」
ライズ
「虫歯って発想が……」
虫歯もきっと悪魔のせい。
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今は午後三時
台所はお菓子と
仔悪魔でいっぱいです。
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ルーシャ
「こいつら……いくら捕まえても、懲りずにつまみ食いしようとするんだよ……七匹で逃げるもんだから大変で……」
リィケ
「でも、一回もつまみ食いされてないよね?」
テーブルの料理は全て無事。
ライズ
「最初の襲撃以降、台所には『とりもち』『ネズミ捕り』『投網』などの多数のトラップを仕掛けたからな……俺の作った料理を、簡単に盗み食いできると思ったら大間違いだ」
ルーシャ
「家事に関しては悪魔よりも怖い……」
※掛かっても痛くないものを使用しております。
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パーティーのために
お客様が家に
やって来ます。
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リィケ
「いらっしゃい! レイニール! ピーちゃん!」
レイニール
「本当は忙しいのだが、ピーが来たがっていたから…………」
リィケ
「ピーちゃ~~ん! 可愛い~~!!」
ピーちゃん
「ピ~~~~ッ♪」
ピーにまっしぐらなリィケ。
ちょっと置いてきぼりのレイニール。
レイニール
「…………………………」
リィケ
「レイニールも来てくれて嬉しいよ。ありがとう!」
レイニール
「え? あ……ああ、まぁ…………」
ルーシャ
「あいつ、必死に無表情で通しているけど、ちょっと顔が緩んでるな。嬉しいなら嬉しいって言えばいいのに…………」
ライズ
「ほっといてやれよ。そんなこと指摘されたら怒るだろ……」
素直になれないお年頃。
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お客様がたくさん
やって来ます。
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ムゥちゃん
「ミキュキュ~~!」
訳『みんな連れてきたよ~~!』
悪魔の団体客
「「「「「ムキュ~~~~っ!!」」」」」
訳『おじゃましま~~~~すっ!!』
リィケ
「うわ~~~~っ!! いっぱいだ~~~~!!」
ルーシャ、ライズ、レイニール
「「「っっっ!!!!!?」」」
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たくさんのお客様に
みんな
大喜びです。
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仔悪魔たち
「ミューミューッ!!」
「ムキュキュ~~!!」
「ピィピピピィッ!!」
リィケ
「かわいい、かわいい、か~わ~い~い~っ!!」
テンションMAXなリィケ。
ルーシャ
「え……これ、招待客……全部、悪魔……?」
ライズ
「え……聞いてない……こんなに仔悪魔ばっかなんて……」
レイニール
「リィケ? ちょ……それ……え? 自分は……」
がんばれ、特にレイニール。
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楽しいパーティーの
はじまりです。
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一同
「「「「「パッピーハロウィーン!!」」」」」
ライズ
「“パッピー”って?」
ルーシャ
「作者の書き間違えから生まれた言葉です。でも響きが面白いから、童話本文ではそのまま使いました。気付いたあなた、ラッキーですよ」
レイニール
「本来“パッピー”は英語のつづりで“pappy”になりますが、これは『パン粥状の……、どろどろの……』という意味になり、あんまり訳は合わないので、日本語の響きだけをお楽しみください」
ライズ
「二人とも、誰に言ってるんだ……? 作者? えいご? にほんご? って……?」
ルーシャ&レイニール
「「……………………」」
明後日の方向を見る、ルーシャとレイニール。
奥ではリィケが仔悪魔たちと楽しそう。
ライズ
「……二人は休んでて」
ルーシャ&レイニール
「「…………うん」」
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こんなにたくさん
仔悪魔は何匹きたのかな?
・~・~・~・~・
ライズ
「え~と、今、見えている範囲でホールにいる仔悪魔は、ムゥもいれると【41匹】。つまり、招待客の悪魔は【40匹】だな……料理、ギリギリだったな……多めに作って正解だったよ」
ルーシャ
「なんか……温かいし柔らかいし……どうでもよくなってきた……明日は仕事に行きたくない…………」
ライズ
「はっ!! おい、ルーシャ! 気をしっかり持て! 神父が悪魔に囲まれて堕落してるんじゃない!!」
ビシビシとルーシャの頬を叩くライズ。
リィケ
「レイニール、楽しいね!」
レイニール
「…………あぁ」
リィケ
「明日、会いに行ってもいい?」
レイニール
「え? ああ! もちろん――――」
リィケ
「ムゥちゃん、ピーちゃん、良かったね♪」
ムゥ&ピー
「「ミキュ~~!!」」
レイニール
「……………………あぁ、良かったな」
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また来年……♪
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ルーシャ
「さすがに……来年にはレイラは旅行から帰ってくる……よな?」
ライズ
「それまでに、ここが仔悪魔の巣窟になってなければいいな」
リィケ
「巣窟って?」
ルーシャ
「たくさんの仔悪魔が、勝手にうちに住み着いてしまうんだよ……」
リィケ
「え!? たくさん!? すご~~い、うれしい!!」
ルーシャ
「嬉しくない……」
ライズ
「姉さんもリィケと同じノリな気がする……」
来年はどうなる!?
それはわからない。
【おわり】
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パッピーハロウィーン!
暖かく見守ってくださった皆様、ありがとうございます。
キャラクターのセリフは書き下ろしですが、他は当時出ていた絵本の文と絵です。
そして、巻末のオマケ。
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ママ最強!
完全にパロディですねwww
何のパロディとは言いません。分かる人だけ笑ってください。
いや、当時は本や映画が流行ってまして。
コミケ会場には『この海外キャラたち』が溢れておりました。
時代を感じます。
…………と、ここまではパラレル版『サウセン』です。
『サウセン』の世界観ではハロウィンはありません。
宗教が違うので実際はこうなります。
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これは去年のハロウィンに割烹用に描いたもの。
警察……【聖職者連盟】に捕まります。ちゃんと仕事してるね、ルーシャ。
悪魔コスプレは御法度です。
世間では色々あって大きなパーティーは今年はできないようですが、家庭内では無事にハロウィンが過ぎていきます。
皆様も良いハロウィンを……。
このノリで、クリスマスの本も出てます。
当時、ハロウィン本を作った自分の集中力よ……戻ってきてくれ。何でこんなに情熱あったの?
キャラへのツッコミがありましたら、感想欄へぜひ!( ≧∀≦)ノ