決戦へ
「任務は順調に遂行しています」
「そうか。この調子で頑張ってくれ。君には期待しているからね。頼んだよ。」
「はっ!我らが祖国のために」
「シンはいるか。」
カイトが俺を訪ねてきた。珍しい。
「どうした?」
カイトの険しい顔を見て何を言いたいのかはだいぶ予想できた。
「王から命令が下った。作戦だとよ。場所はドーンの西側。」
「ドーンについに攻めるのか。でも、なんでそんな顔してんだ?たしかに、戦争するには早いがー」
「そんな次元の話じゃねぇ。今回の作戦は大規模な進行。西側は俺らクロニクル8人で落とすんだ。」
それを聞いた瞬間、思考回路が完全に停止した。ありえない。たった8人でどうにかなるほど、ドーンは弱くない。俺らの力はせいぜい、敵国の軍と対等なくらいだ。
「作戦の目的、時刻、移動手段すべて聞きたい。」
俺がカイトに尋ねると、
「それは、私から説明します。」
シルヴィアが出てきた。
「作戦の目的は西側のドーンのへいしを無力化することです。できるならば、基地の破壊もします。時刻は明後日の日が昇るのと同時に攻撃を開始します。移動する際に、スパイとして8人で侵入します。私達8人の偽造パスポートは用意してあひますので。今回の作戦にかける時間は3時間だそうです。以上が作戦の概要です。」
「無理な作戦だな。普通の国の王様だったら思いつかないだろうな。」
俺が苦笑いして言う。
「戦神のエリックか。恐ろしい人だな。」
そして、この夜、俺達クロニクルはセラータ皇国を出発し、ドーン帝国へと進んでいった。
「良いのですか?本当に彼らだけで。」
「大丈夫だ。こんな作戦で死んでしまうならば、所詮その程度だったということだ。それよりも、3つに分かれて、攻撃する手筈も整えておくんだぞ。」
王様が兵士に伝えた。
ドーン帝国との決戦はここから始まっていた。