王の間にて
新たに登場する人物がいますが、自己紹介などは後にしていくので気長に待ってください!!
ある日、俺の部屋に一通の手紙が届いた。送り主の名前を見た時、俺は驚愕した。
「シン・アスタルテ殿
貴君を我が国の遊撃特務部隊の一員に任命したい。そのため、明日の正午、王の間にて貴君を待つ。貴君なら、きっと引き受けてくれると信じている。良い報告を待っている。
セラータ皇国第24代国王
エリック・クレーツァ」
半信半疑だった。しかし、これが本当だったのならば、王との約束を破ったことになる。それだけはなんとしても防がねば…ならばここは行くしかないか。
-翌日-
王の間に行くと、俺の他に6人がそこにいた。王に猛抗議している人が1人、呆れた顔の人が1人、無表情の人が1人、双子だと思われる人が2人、苦笑いしてる人が1人。王の間に入るとその人たちが一斉にこっちをむいた。この時の顔はみんな一緒だった。親の仇でも見ているかのような目だった。
-俺なんかしたかな?
そう思って、王の前にすたすたと歩いていく。そして王は俺を歓迎してくれた。
「ついに来たな。待っていたぞ!シンよ!そなたなら必ず来ると信じていた。」
すると、俺のもとに一人の男がやって来た。
「やっぱ、どこにでもいそうなやつだな。」
正直イラッとした。だが、それもそうだ、と自分に言い聞かせる。
「国王様。やはり、こんな奴に特務部隊は向いていないと思います。即刻に帰ってもらいましょう。」
-俺もそのつもりだよ。
そんなことを思いながら、口を開こうとした瞬間。
「軍のそれも一般兵を特務部隊に入れるなんて考えられません。正気に戻った方がいいです。先遣隊や暗殺部隊、王宮騎士団から選ばれるのは分かりますが、一般兵から選ばれるのはどうしても納得しかねます。あんな、戦場のゴミなど-」
「おい、てめぇ。今何つった?」
反射的に出てしまった言葉だった。黙って帰ろうとしていたのだが、今の言葉はどうしても許せなかった。
「おい、言い方があるだろ。もっと優しく-」
「うるさい。少し黙っていろ。王の前だから穏便に済ませたかったのだが、売られちまったからには買うしかねぇーな。この喧嘩。」
俺はもう自分の理性を保てずにいた。
「貴様は一般兵を戦場のゴミと言ったな。お前はそれ以下だよ。」
すると、相手が俺に向かって手袋を投げてきた。決闘の合図だ。
「今から移動するぞ。フィード草原に行く。」
こうして、シンの遊撃特務部隊加入テストか始められた。