反逆の狼煙
ティアが王位を継いで、1ヶ月が経った頃、セラータ皇国とドーン帝国は未だに戦争をしていた。しかし、前みたいな大規模な戦争ではなく、各地で電撃戦が、勃発しているという話だ。
「今が頃合だと思うの。シン。ドーン帝国に攻めましょう。」
ティアは会議の場でそう発言した。
「俺達は国の遊撃部隊だ。俺達が命令を聞くのは、王だけだよ。だから、俺に聞くのは間違ってるよ。」
シンはそう言うと、何も喋らなくなった。
「ティア様、私が言うのも何なのですが、まだ早いのではないかと。まだ、兵の練度も高いとは言い難いです。せめて、もう1ヶ月待ちませんと。」
戦術局長ハルバが、そう進言した。
すると、会議の場に兵士が入ってきた。
「会議中だぞ!何を考えている!」
ハルバが怒号を散らすと、
「し、失礼は承知しています。し、しかし、王都のパトロールをしていた兵士が一斉にクーデターを起こしまして。」
会議の場にいたものが、全員言葉を失った。
「女王、どういたしましょう。」
ハルバが聞くと、ティアはシンに向いて頷いた。
「城の兵を門の周辺、この部屋に集めなさい。門の外の兵士はクロニクルに任せます。」
シンは胸に手を当て敬礼をした。
「了解です。」
早速シンは、クロニクルのメンバーを集めた。
「聞いた話によると、この城をクーデターをした兵士が取り囲んでいるらしい。早急に、片付けるぞ。反逆者と言えど、この国の兵士だ。殺すことは許さない。」
シンはそう言うと、クロニクル一同で出撃した。
東西南北それぞれに2人ずつ分かれていた。




