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話の骨と肉??  1

参考になるのかどうか、ほんと分かりませんがm(__)m

「フルサトRadio」の制作過程。

 構成について考えてみよう、と。

 あまりプロットを立てない・書かないというパターンでやってきてます。だからといって何も考えていないわけではないです。

 長いお話の時には、ポイントとなるエピソードが「序・A・B・C・D・結」とあると、たとえば「AからBまでになるためのエピソード(流れ)を付け足す」といった感じで書いています。

 なので、長編は「足し算」的な作り方です。膨らませるところは遠慮なくふくらませる。一応ばらまいた伏線は回収する、というか回収しないとみっともないことになるので神経を使います。


 反対に短編は「引き算」といった感覚です。


 拙作「フルサトRadio」をテキストにします。

 これは2014年夏に行われた「あなたのSFコンテスト」の掌編部門に参加した作品です。

 文字数、5634字。

 当初のアイデアのメモを書き移します。


 ロボット アオイ(見た目三十代半ば)

 少女 サチ(一五歳、背が高い・試験管ベビー)

 母 不在 父・精子バンク 母のかつての想い人


 本編を読まれた方なら「ちょっと待て!!」と突っ込みたくなる内容です、が、引き続き、メモ。


 祖母 先日死去

 祖父 生まれる前に死去 大震災のときの中継(アナウンサー?)

 母 仕事のオニ(精子代と試験管ベビー代のため)


 ……できあがった作品とはほぼ別物です。メモには書かれてませんが、主人公(?)のロボット・コタローは最初から出る予定でいました。


 当初のあらすじは以下のとおり。

「全寮制の学校に通うサチ(成績サイアク・反抗的)は、夏の休暇中に亡くなった祖母のマンションの片づけを母(サチとは不仲)に命じられ、家事ロボットのアオイとともに出向く」という内容でした。


 できあがったものの中のプロットの片鱗は「祖父が大震災のときの中継をした」、ここだけです。


 構成を凝りたかったんです。

 それで、「亡くなった祖父の遺品から、かつて祖父が中継した大震災のデータを見つけて、それを聞くサチ」という物語にしたかったんです。


 でも、そうならなかったのはなぜか。


 ≪問題点≫

1 物理的に時間がなかった。

 これを書くと決めたのは8月24日(日)、コンテストの締め切りは9月1日(さらに私は8月末日と勘違いしていた!!)

2 それゆえ、悠長に練ったり書いたりする時間はなかった。

3 結局、サチをどう使えばいいのか分からなかった←これがいちばんネック!!


「これはダメだ」と判断がついたのは月曜日でした。さて残り少ない日数でどう書くか。なんせ普通に仕事してますし。

 もう、「震災の中継内容」を書くしかなくなりました。

 サチというキャラを消して、祖父(作中のアナウンサー・木口氏)と、ロボットの話に決めました。


 農業支援ロボット・コタローはその前に書いた長編にちらりと出てきたキャラで、その日常を書くということは決まっていました。

 よし、書くぞと作業に入りましたが、筆が止まります(火曜日)。


 ≪問題点≫

1 単調にならないか。コタローの仕事の描写だけでたりるか。

 いっそ、木口と残されたロボットたちで意志の疎通ができたらどうだろう、とちょっと書いてみる。

 書いてわかる、まるでダメだと。


「これは、ロボットと意志疎通できないから、いいんだ。おのおのなんだよ、一人一人なんだよ」


 結論→とにかくコタローがたった一人でいることにこだわる(水曜日)。


2 ロボットに過去を語らせるにはどうしたらいいか


 結論→見たものや収集した情報から、キーワードになるメモリにアクセスして「思い出す」という描写につなげてみました。

 これで、オトウサン・オカアサンのエピソードも挿入可能になり、単調さから抜け出せる。


 ただ、あまり過剰な書き方にならないようにしようと気をつけました。

 明るい内容ではない、もの悲しい話ではあるが、それを強調しない。あくまで淡々と。


メモ

 もっと自然の描写を 季節感を(木・金曜日)


 近所を回るときに、廃屋の周囲を良く見るようにしました。

 ラジオに関しては、地元放送局の震災当時のラジオ放送について書かれたノンフィクションを参考にしました。と、いうかそのとき、私も聞いていたわけですから(震災については別項で)。


 書いては消し、書いては消しを繰り返して、完成したのは8/31の午後九時過ぎでした。


 歯を食いしばり、家事と仕事とを並行しながら書いた一週間。


 以降、短編は一週間くらいのサイクルで「考える→書く→直す→書く」というのが身についたような気がします(私は「地獄の一週間」と名付けています)。


「フルサトRadio」もそうですが、短編でも結局使わないエピソードやセリフが倍くらいあります。結局、削るし、消します。


 短編はやはり「引き算」。




補足として。コタローに関してはこちらを。

http://syosetu.com/userblogmanage/view/blogkey/1000116/

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