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私だって知っている
「君は普通じゃないよね」
ねえ あなたは知っている?
あなたのその一言に 私が傷つくこと
他人が悲しむことを悲しみと感じられないこと
他人が喜ぶことを喜びと感じられないこと
私がおかしいということなんか
とっくに知っていた
あなたに言われなくとも
他人の感情に共感できないこと
他人の言葉の裏を読めないこと
私がおかしいということなんか
私でさえわかる
あなたに言われなくとも
いっそ誰かが言ったように
悪魔であればよかったのに
いっそ誰かが言ったように
冷血であればよかったのに
そうだったら
きっと 自分が おかしいなんて 気づかなかったのに
『私だって知っている』平成二十三年弥生
春の手前の夜半に