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26話 エロエロ通りで散髪無双、エロと散髪サンドイッチ【6】


【冒険家:モニカ・ランド】



『クエスト終わりにカラブキ通りに繰り出そうぜ!』

『今日も三発行っちゃうか~!!』


ギルドでのオッサンたちの会話!

あれは三発じゃなくて、散髪だったってコト!?

つまりアレの回数ではなく、髪を切る方!?


くううううう!!

アタイとしたことが、とんだ聞き間違いを!


だってオッサンたちが、あんなにゲス顔しながら嬉しそうにしてたから!

あれはエッチなことができるゲス笑いじゃなくて、散髪ができるからわらってたってことっスか!?


はっ!

よく見たら、マダムの店にもJKたちの店にも、扉の前に赤と青と白のバーバーネオンがくるくる回っている。

それだけじゃない、ここにも、そこにも、あそこにも!

てことは、なに!?

この通りにある全ての店が、散髪屋!?


いやいや、紛らわしすぎっス!

エロエロなネオンの建物や際どい格好の姉ちゃんたちが客引き。

こんなの予備知識なかったら絶対、散髪通りだと気づかない!


なまじアタイの場合、事前にギルドでオッサンたちのグヘヘ会話を聞いていたから余計に勘違いに拍車が!

まったく、はた迷惑なオッサンたち!

今度会ったらタダじゃおかないっス!


あっ、そうしているうちに先輩が、黒テープの店から出てきたっス。

憑き物が落ちたようにリラックスした表情。

短くなった髪とツルツルに剃られた髭が、リフレッシュさに拍車をかけている。

この通りで、幾度となく先輩が店を出るたびに見てきた表情。


そうか、あれはエロエロなことをした後の賢者タイムじゃなくて、散髪をしてもらってスッキリしたって意味の顔だったってことっスね!

アタイとしたことが先輩の髪と髭は店に入るたびに綺麗に整えられていたのに、それを見逃すなんて!

思い込みというものは、恐ろしいっス!


って、呑気なこと考えてる場合じゃない。

つまり、あれっス。

ここがエロエロ通りじゃなくて散髪通りなら、先輩がエッチなことをする心配はないわけで。

ま、別にアタイは先輩のこ、こ、こ、こ、恋人じゃないっスから!?

先輩がエロエロなことしようが、関係ないっスけどね!


とにかく先輩がこの通りに来たのは女の子たちとイチャつくためじゃなくて、髪を切るためだった。

まぁ先輩の髪の毛や髭が伸びるスピードが、早いという謎は残るっスがとにかく、一件落着。


さぁて、それじゃあ帰るとするっスか……。



って、あれれ?

これは、どういうことっスか?

アタイの足は通りの入り口とは、反対に進み先輩の後をつけ始めたっス。

先輩はというと黒テープの店で散髪を終えたのにも関わらず、次々と店をハシゴ。

うさ耳散髪屋、時間停止散髪屋、異世界転生散髪屋。

それぞれでジャンルに合わせた散髪、シャンプー、髭剃り。


その様子をアタイは、窓辺で眺め続けていて……おかしい。

どうせ先輩は髪を切るだけだから、いちいち追いかける必要はない。

結末のわかっている舞台を何度も見に行くようなものっス。


なのに、散髪を見るのをやめられない。

まさか、心のどこかで先輩がエッチなことをしてるんじゃないかって疑いが!?

その割には、さっきから先輩の散髪だけでなく、他のオッサン達の散髪も盗み見してるし。


あっ、うさ耳散髪店にいるのは、ギルドにいたオッサン!

何を隠そう、アタイがここを三発通りと勘違いをするきっかけとなった発言をしたヤツ!


さっきは、今度会ったら刀のサビにしてやるくらい思ってたっスが、あれれ。

不思議と怒りは水のない草木のように枯れ、目の前の光景に見惚れてしまうっス。



なんなんスか、これ!

これじゃまるで、オッサンのことを……。

いやいや、断じて違うっス!

先輩ならともかく、アタイはあんな小汚いオッサン、小指の爪の先ほどの興味もないっスよ。


ああ、でも!

(くだん)のオッサンは、散髪、シャンプー、髭剃りを経るうちにみるみると清潔感が出てきて、さっきまでのゴブリンとルームシェアしてるみたいな小汚いオッサンから、王政に精通している貴族のようなイケオジに。


ほう、なかなかイケてるじゃない……じゃなくて!

違う違う!


アタイはオッサンじゃなくて、純粋に散髪を見ているだけ!


はっ!

そうか!!


アタイがこの通りから、抜け出せない理由がわかったっス。


それは、散髪。

髪を切って満足そうに店から出てくる先輩ならびに他の連中を見るたびに、アタイの中に生まれた感情はただ一つ。



アタイも髪を切りたい!


そりゃそうっス!

ここは、ありとあらゆるジャンルの散髪屋が軒を連ねる散髪通り。

伸びた髪の毛や髭をスッキリするため、多くの客がゾロゾロ集まる床屋メインストリート。


それなのに、アタイったら!

ただ先輩が店を訪れるたびに、悶々として女店主たちとのプレイを想像!

挙句、その衣装や属性を自分のものにして、先輩の気を引こうとしていた勘違い女!


うううう、恥かしい!

まるで、みんながサッカーをしている中、一人だけドヤ顔で剣玉していたようなもので、この通りのことを何一つわかっちゃいなかったっス!

このまま先輩たちがスッキリしている中、おめおめと変な妄想を垂れ流しただけで帰れる!?


NO!!


そんなのは人気ラーメン店に行って水だけ飲んで帰るようなもので、んな勿体無いことはできないっス。

ここはなんとしても、この通りで散髪をしなきゃ。

ちょうどクエスト終わりで髪もボサボサだしネ!!



すると!!



【続く】

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