5話 エルフの床屋。エッチな制服でシェービング・癒しの耳掃除・海老反りマッサージ【1】
【ギルド受付嬢:セレナ】
「そんな……」
羊皮紙を持つ手が震える。
故郷の里から届いた手紙。
そこには驚くべき内容が。
「里のエルフたちが、この街に出稼ぎに来ている」
そう、ここから遠く離れた辺境の森。
人を寄せ付けない深い森には、小さなエルフの集落がある。
そこのエルフたちが数十人単位で、この街で商売を始めたらしい。
エルフが里を出て出稼ぎに行くのは珍しいことじゃない。
現に私もギルドで受付嬢やってるわけだしね。
でも一度に数十人も雇われるってのは、かなりレアケース。
これは、まさか……娼館!?
つまり、エッッな店。
かつて別のエルフの里が蛮族に襲われ、囚われた女エルフたちの多くが娼館に入れられたという話を聞いたことがある。
流石に私の故郷が襲われたとは手紙に書いてないけど、きっとアレだわ。
ある日、サングラスをかけた怪しい男が里に来て言うの。
(都で簡単に稼げる仕事があるんだ。なぁに、ちょっと体を使うだけさ)
なんて、有る事無い事テキトーぶっこいて、里のエルフたちをスカウトしたに違いないわ。
皆の純粋な心を弄ぶなんて許せない!
そして、スカウトされたであろうエルフたちの名前が手紙に書かれていて、そこには私のお母様とお姉様の名も。
エルフは年齢に反して、見た目は若くて容姿端麗。
まさにエッチな店には適材だわ、認めたくないけど。
ううううう、あの美しく清楚の塊のようなお母様とお姉様が、風呂キャン界隈のムサ苦しい男に無理矢理ぐへへなことをされて……あああああああああ!!
そんなの、耐えられない!!
はぁはぁ、落ち着くのよセレナ!
手紙には出稼ぎとしか書かれてなくて、まだ本当にお母様たちが働いている場所が娼館だと決まったわけじゃ……パラッ。
あらら、手紙の間から何か名刺が。
ぎゃあああああああ!!
【疲れたアナタに極上のリラックスを“エルフの秘宝館”】
って書いてある!!
しかもピンク色だし!! こんなのもう確定じゃん!!
これは、もう行くしかないわね!
行って、無理やりエッチなことをさせられてるエルフたちの実態を調査するの!
そして、ギルド受付嬢のコネを使って徹底的に潰してやるわ!!
待ってて、みんな!!




