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6ユーリどうも気になる


 ユーリとリリーシェは歩いてエイダールシュトールに向かった。

 迷うことなくエイダールシュトールに向かうリリーシェにユーリが聞いた。

 「リリーシェさん。君はヴァイアナは初めてじゃないのか?」

 「ええ、そうです。4年前学園に留学していたので、その頃王都のあちこちを散策していて‥あっ、ヴァイアナはすごく賑やかな街ですね。活気があってどんな人にもチャンスがある街なんてそうそうないです。だから婚約が解消になってすぐにこの街にこようって思ったんです」

 「婚約解消?大丈夫なのか?」

 ユーリは驚き眉を上げるがすぐに心配になった。


 「ええ、嫌な奴だったので解消できてほんとにうれしいんです。だから私、この街で自分の力を試してみたいんです。やっとチャンスが来たんですから」

 「そうか。いや、そんなに我が国の事を褒めてもらえれるなんて光栄だな。きっと君にもチャンスがある。ここはそんな街だからな」


 ユーリは緋色の瞳をキラキラ輝かせるリリーシェをまぶしそうに見つめる。

 赤い髪は何とも情熱的で大きく見開かれた目も、それを縁取る長いまつ毛もとても美しいと思うと胸の奥がぞわりとした。

 (リリーシェ。まるで陽の光のように眩しいな。何だかこっちまで気分が良くなる。何なんだ?この感じは…ちょっと待て俺が女に見惚れてるのか。この俺が?)

 ユーリは27歳になるがこれまでずっと女性には縁がなかった。

 竜人たちはみな番を渇望して日夜番を求めているというのに自分は番を求める気持ちがほとんどない。

 4年ほど前までは他の竜人のように番への渇望が確かに会ったと記憶している。

 だが、今ではおかしいほど番への執着が湧かないのだ。

 周りからは竜人のくせに信じられん。などと蔑むような視線で睨まれるがないものは仕方がない。

 いっそ誰かと恋に落ちてそのまま結婚出来ればとさえ思っているが全く女性には関心が持てない。

 そんな矢先リリーシェに出会った。

 (これって運命の出会いとか…いや、番じゃあるまいし。そんなドラマチックな展開になるはずもない。

 ただ、今までにないタイプって言うか、珍しいだけだろう)

 ユーリはおかしな気分をばっさりと切り捨てる。

 

 「あの…ユーリ様?どこか具合でも悪いのでは?」

 ひとりでにやついたかと思えば、ぶすっと難しい顔でもしていたのだろうかとユーリは「いや、何でもない。あの、大丈夫だから…」しどろもどろの答えを返した。


 「コホン!ほら、もう見えて来たぞ。あそこがエイダールシュトールの通りだ」

 「うわぁ…凄い人ですね。往来の人って色々な国の方みたいですね。すごい」

 リリーシェは子供みたいにはしゃいで走り始めた。

 「こら!リリーシェさん。急がなくても大丈夫だ。待て、クソ、なんて足の速い…」

 リリーシェは興奮していた。

 ユーリがいたのも忘れてエイダールシュトールの通りを目指して走った。


 ユーリはそんなリリーシェを見て久しぶりに心から愉快だと思った。

 実は彼は3年ほど前から身体の調子が思わしくない。それに4年前から1年間の記憶がまるっきりなくなっていることも不思議だった。

 周りに来てもいつもの年とほとんど変わりはなかったと言うばかりだ。

 これといって病ではないが、いつも頭に霞が掛かっているようにスッキリしないのだ。

 寝込むほどでもないがなんだか気だるく仕事にも身が入らない、そんな状態が続いていた。

 そんな訳で、ユールはいつも宮殿から歩いて街に降りてあちこちを散策するのが日課だ。

 今日もぶらぶら街を散策していたところであの言い合いを聞いたのだった。


 まあ、こんな日もあっていいかと思いながらユーリはリリーシェの後を追った脚は軽かった。




 

 

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