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1話 憧れとスカウトと因縁の出会い

久しぶりの新作です

『痴漢から助けた美少女が推しのアイドルだった』の続編です


よろしくお願いします

アイドル。それは、可愛い女の子だけがなれる憧れの職業。

 男のボクには無縁の世界だと思っていた。


 このときは、自分がアイドルになるなんて思いもしなかった。


 ボク、椎名真城は、小さい頃から可愛いものが好きな子供だった。


まだ、幼いボクに母さんが女の子の服を着せて着せ替え人形にして遊ばれていた。


 ボクも子どもながらに胸がときめいたのを覚えている。


 今、思えば、この時から女装に目覚めていたのかもしれない。


 母さんから将来の夢を訊かれたとき、『桜坂49』になりたいと応えた。


母さんは困ったように 「それは、女の子がなる職業よ。シャイニーズの方がカッコイイよ」 と優しく諭してくれた。


それでも、ボクは、可愛い衣装身に纏い歌い踊りたかった。


ボクの夢は叶わない。


なんで男に生まれてしまったのだろう男としての人生を歩むことに向き合えたのは、中学生に上った頃のことだった。


体は男なのに心は乙女。男のボクでは夢を叶えられない諦めようとしても、心の奥では願ってしまう。


その頃、コスプレに出会い、男の子でも女の子の格好をしてもいいのだと知った。

親に内緒で女装コスを楽しみコスプレイベントにも参加した。


周りのカメラマンやカメコさん達がボクのことを可愛いと言って撮ってくれる。


その頃からアイドルになりたいという欲望は消えていった。


同時に、もっと脚光を浴びたいと思うようになりITUBEで美少女アバターで白雪マシロとしてVTuberとしての活動も開始した。

密かに自分の趣味を楽しめたらそれでいい。 そう思っていた。


中学3年の夏休み、運命の出会いを果たす。

それは、女友達に誘われて観に行った『放課後シスターズ』のライブイベントだった。『放シス』に未来ちゃんにドハマりして、未来ちゃんコスをして歌って踊り楽しんだ。


 高校一年の頃、衝撃的な事件が起こる。「未来ちゃんのアイドル電撃引退だ。


 未来ちゃんのアイドル引退宣言のライートはネタだと思って真に受けなかったけど


彼女の引退会見を見てまさかの真実だと受け入れた。世界の終わりだと思った。


同時に未来ちゃんが想いを寄せる相手を死ぬほど恨んだ。アイツさえ居なければ!


未来ちゃんの恋人だと?!アイドルを自分一人で独占するんじゃない!皆の未来ちゃんだろ!?


それほどまで、彼女が大切で、ボクの全てだった。

転機が訪れたのは高二の夏休みが終わり、2学期の新学期になった頃、いつものように、街中で女装して友達と遊んでいたら女の子と間違われ男の人に声をかけられた。

それも『放課後シスターズ』のプロデューサーを名乗る男に。


「君、可愛いね、アイドルに興味ない?」と声を掛けられ、胡散臭いと思った。

『放課後シスターズ』を名乗る詐欺かと思った。


本物だとしたら『放課後シスターズ』のプロデューサーがボクに何の用だろう??


「新メンバーを募集中なんですけど、アイドルに興味ないですか?」

本物かどうかも怪しく名刺だけ貰いその場を去った。


自宅に帰り、スマホで名刺の会社を検索すると本当に実在するアイドル事務所で本物だった。


『アークスターズプロダクション』聞いたことのある事務所で『放課後シスターズ』をプロデュースしている事務所で間違いなかった。


アイドルになれば、合法的に可愛い格好ができる。でも、その欲望は既に女装コスで満たされていた。


その前に、男のボクがアイドルなんて気持ち悪いだろう。


スカウトマンから貰った名刺には『佐藤歩結』と記されてあった。


ん?どこかで聞いたことがあるような既視感を覚える。


そうだ!死ぬほど憎んだ、未来ちゃんの恋人の名前だった。なんで、お前がプロデューサーをやっているんだよ!サラリーマンじゃなかったのかよ!

放シスのプロデューサーはボクの恋敵だと知った。


頭が混乱する、ボクから青春を奪った男との因縁の出会だった。


***

スカウトマンからスカウトを受けた翌日、名刺に書いてあったアイドル事務所。

『アークスターズプロダクション』にスカウトを辞退する為に電話を掛けた。


受付のスタッフが電話に出て、ボクは、プロデューサーの佐藤歩結さんに代わって貰った。


ボクは単刀直入に、本題へと入る。


「実は、『放課後シスターズ』のスカウトを辞退したいんです」


「そうなんですか、アイドルは興味はなかったですか?」


「興味が無いというか、ボクは普通じゃないんです。実は、ボクは男の子なんです」


「じゃあ、昨日お会いしたあなたは?」


「それがですね、昨日は女装して遊んでいたんです!」


ボクは思い切って告白した。本当のことを明かしたら気持ち悪いと拒絶されるだろう。


「えっ!?男の娘ってことですか!?いいですね!男の娘アイドルでもいけるんじゃないですか?」


思いの外プロデューサーの反応は好感触だった。


「いえ、結構です。男のボクがアイドルとか気持ち悪いじゃないですか!?」


プロデューサーが良くても、世間はそれを受け入れないだろう。


それこそ、正体がバレたら炎上してしまう。


「そんなことないですよ昨日、街でお会いしたあなたはどこからどう見ても 美少女でしたよ」


不意を突かれた。まさかボクの好きをこんなに肯定してくれる人に出会えるなんてー


その言葉が聞けて嬉しかった。ボクの好きを認められたようで心が満たされた。


心に花が咲いたようで、もう心残りはなかった。


「ありがとうございます」そう言い残し、電話を切った。

               ***


「え??通話が切れた!?土曜日にある劇場公演に遊びに来てみないと誘おうと思ったんだけどな」


佐藤が一人、困ったように呟いていると後ろから、鈴の音が鳴ったようなキレイな声が聞こえる。

「佐藤さん、誰からの電話だったのですか?」


「ああ、未来たん。それがさ昨日街でスカウトした子に辞退の電話が来たんだ」

「ああ、昨日、可愛い女の子見をつけた!てはしゃいでいた子ですか?この浮気もの!」

わたしが居るでしょ!というジト目を送ってくる未来たん。

「いや、そんなのじゃないから!『放シス』も現在は4人態勢になってもう一人新メンバーに加入させて5人態勢にしようと思っていたところなんだ」


「ふーん、そんなこと言って若くて可愛いアイドルが欲しくなったんじゃないんですか?」


「それは違うな!俺は未来たん一筋だからいくら若くて可愛いアイドルが加入しても浮気なんてしないぞ」

未来たんこと叶羽未来『放課後シスターズ』のカリスマアイドルだ。


去年の冬に、電車で痴漢に遭い、それを俺が助けた。それから、男性ファンの前に怖くて立てなくなり『放課後シスターズ』を脱退した。


アイドルを辞めた彼女は助けて貰った佐藤と繋がりができ、友達となって、少しずつ仲を深めて佐藤宅で同棲を始めた。後にトラウマを克服し、『放課後シスターズ』に復帰した。


佐藤は自分の気持ちに正直になり、彼女に告白して恋仲となった。

交際報告会見もして、世間からのバッシングはあったが公認の恋人同士となった。

そんな俺が、浮気などするはずがない。


今では、元働いていた会社も退職して『アークスターズプロダクション』で「放課後シスターズ』のプロデューサーとして彼女たちをプロデュースしている。

「佐藤さんたら、もう!」

「コラ!そこ、仕事中にノロケない!!」

「はーい、真凜さん」

『放課後シスターズ』のリーダーのしっかり者のお姉さんキャラの真凜さんからの突っ込みが飛んできた。


「真凜ねえそうカリカリしない!この二人のイチャラブムーブはこの事務所では日常だよ?」

真凜の実妹で『放課後シスターズ』のおバカでお調子者キャラでムードメーカー的存在の唯花さんがが茶化す。


「常日頃、見せつけられる側の身にもなってよ、胸やけするわ!さくらちゃーん、ブラックコーヒー淹れてー!」

「ハハ、自分で淹れるばい」


「そんなー辛辣ぅ!」

「まあ、いいや。気を取り直してレッスン始めるよー!」

「「「はい!!」」」

去年加入した妹キャラの宮内さくらちゃんの辛辣な突っ込みが入って事務所内は賑わう。

『放課後シスターズ』は、今日もアイドル活動を頑張ります!


はじめましての方はよろしくお願いします


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