赤い猫 (4)
もう一度、何一つの抵抗もできないまま、全てが数瞬間だけで終わった。
と、思っていた。じめんがとんでもなく早く近づいてきてながら、リリがそう思っていた。
じめんを、ちゃんとあったてた。リリが地面まで落ちた、それまでは予想通り。でも。なぜはすぐ理解できなかて、けどなぜか痛みはなくなってた。体中の痛みも、硬い地面も、予想してた感触が一つも感じていない。
数秒後、リリが気づいた。
地面は、ちゃんと当たっていた。でも止まらなかった。
リリがも一度、空中にあった。
赤い猫が、外から見上げてた。猫の目は、広く開いていた、なにもわかってないぞ、みたいな顔をしてた。(リリが頻繁にする顔のひつなので、かんたんわかってた)
どうにか、リリが弾めてた。痛みもなくダメージもなく、ただ何もなかったのように、そんなに大したものじゃなかったみたいに、弾めてた。本猫も、どうしてた全くわかってないのだ。
大きな弧を書いて、空に飛ぶ途中なのだ。
せめて、きっと落ちてないまま、まだ飛んだ。
飛行なんてないんだけど。
弾みと飛行のちがいは、飛行には限界があるとは限っていない。弾みは、ちがう。いつか、数秒がたったあと、絶対に落ちる。
そして、リリが落ちてた。
赤い猫のすぐ上から。