初デートを邪魔する奴は
今日は許嫁との顔合わせの日。
なんでもベアトリーチェ・クロージットって言う名前の2つ上のお姉さんみたい。
実際に見てみると長い銀髪でウェーブがかかっているとってもキレイなお姉さんだった。
「城下町ってどんな感じなのかしら?」
って言っていたので、
「ボクが案内するね。」
と言って城下町の散策をする事にした。
そして粗方散策が終わり、帰ろうかとしていた所に事件が起きる。
城下町は平和とは言え犯罪が完全にゼロな訳ではない。ここ最近誘拐事件が頻発していてその犯人の目にベアトリーチェが止まってしまっていたのである。
「あの2人かなり上玉だな」
「流石親分、目の付け所が違うっす。」
「女の方を拐って更にそこに男を向かわせれば一石二鳥ってもんよ。」
「じゃあ実行に移しますか。」
「おう。」
ガッ!!と音がすると同時に、
「キャアァァァァァ!!」
「嬢ちゃん返して欲しけりゃ外れの倉庫まで来な!!」
と言いながら馬車が走り去って行きました。
クオンはこの悪意に気付けなかった事に歯がみしつつ言われた通り倉庫まで行くのだった。
倉庫まで行くとベアトリーチェは縛られて横たわっています。また猿轡で声も封じられていて「んー!んー!!」としか言えません。
「よく1人でここまで来たな坊主。憲兵隊とか呼ばなくても良かったのか?まぁ呼んでる時間でこの嬢ちゃんで遊んでたんだかな。」
「黙れ。憲兵隊もボクに護衛がついていないのも理由があるのを知らしめてやる。」
そう言いながら、探知魔法を使い敵の人数と他に人質がいないかを調べます。
倒れているベアトリーチェの他に人質が地下に4人、敵は7人でボクの確保の為に全員武装して地上にいます。そしてリーダーと思わしき人物は変わった剣を持っていました。
「こいつは東国から仕入れた白雪って言う剣なんだ。こいつの錆にしてくれるわ!!」
そう言って切り掛かってきます。ボクは身体強化で瞬時に近づいて刀を持っている手を殴り蹴り上げて刀を落とさせてリーダーを蹴り飛ばしてから奪っていました。
すると頭の中から「第一封印解放」との声と同時に瞬時に刀の使い方を瞬時に理解します。
「お前ら殺っちまえ!」
リーダーの声が響くと部下たちが一斉にかかってきます。
「確かこうだっけ?」
と言って刀を横に薙ぐと衝撃波で前方3人が吹き飛ばされて行きます。
「「「何ぃ!?」」」
流石にこのあしらわれ方は想定していなかったのか恐怖を感じて動きが止まります。そのチャンスをボクが見逃すはずがありません。
「峰だよ。」と言い瞬時に3人を無力化します。
「こんなに良い刀なのに使い手があれじゃ刀が泣いちゃうよ。それから我が辺境伯家に手を出した事を後悔するといい。」
逃げようとしていたリーダーを瞬時に峰打ちで気絶させ鞘を頂戴してから、誘拐グループを全員縛った後ベアトリーチェの元へ行き、拘束を解いてから地下への入り口を閉ざしている荷物に向けて爆発魔法を打ちます。
そうして数分後慌てて来た父親組に事情説明して誘拐グループは連行され、監禁されていた子供達は解放されたのでした。