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18話
鈴木君の存在が私の中で大きなものになっていることに、離れてみて初めて気が付いた。
私はこれまで、悲しみから逃げることで幸せを掴もうとしてきた。
嫌なことから逃げることで快感を覚え、そんなつまらないことを何度も繰り返してきた。
よくよく考えてみれば、逃げれば逃げる程、自分への悲しみは追いかけてくるばかりだった。
無理に自分を肯定しても、その感情が消えることはなく、現実は何一つ変わらない。
そんな人生を送ってきたからこそ、惨めな自分と正面から向き合ったことは一度もなかったのだ。
ありのままの自分と向き合うことでピンチをチャンスに変えて幸せを掴むことができるのだと思う。
負の連鎖の続く毎日でも、唯一忘れてはいけないことがあると思う。
それは、『努力はいつか実る』ということ。
惨めな人生だから人は変わることができるということ。
こんなことを考えていると、私はここにいてはいけないような気がした。
気が付けば、私は走り出していた。
目指している先は、もちろんあの場所だった。




