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この空と、きっと。  作者: 佐野はる
17/22

17話

本来なら委員会があるこの日に、私は部屋でゴロゴロしていた。


まるで、気持ちがどこか遠くへ、身体だけをおいていったようだった。


考えることは大したこともないこと。

意味なんてなければ、考えていることがバカバカしいほど。

適当に本を読んではクリーム色の天井を眺めて時間を潰していた。


お気に入りの本を読み終え、新しく読む本を探していた時。

押し入れの奥の(ほこり)をかぶった本を手に取った。

(ほこり)をかぶっている姿がクラスにいるときの私と同じ状態で、少しだけ気分を害した。

しかし、手に取った本が私の買った覚えのない本だったので、興味本位に手に取り、読んでみた。


その本は蜂についての本だった。

蜂の生態について長々と書いてあり、最終的に筆者が言いたいことは難しそうな本だった。

長文の中で、知識を増やすことが目的のように感じた。


蜂についての情報なら、本を読む前から少しだけ情報を聞いたことがあった。

その情報は、私が中学生の頃の唯一の友達から教えてもらったことだった。







ミツバチ属のごく限られた花蜂は人を刺したら死んでしまうという。

それも、昆虫を刺したときにはこうしたことは起こらず、哺乳類の強靭な皮膚を刺したときにだけ起こるらしい。

働き蜂たちは短い命の中でみんなのために働いている。

その中でも、セイヨウミツバチは4か月から5か月しか生きることができないらしい。

だからこそ、限られた短い時間で働く蜂達は素晴らしいと思う。


その話を聞いてから、蜂のようなはかない人生は嫌だ、と思ったこともあった。

しかしその一方で、人間が学ぶべきこともあるのではないか、とも思った。


他人の生き方を、関係のない他人が口出しをすべきではないのだけれど。

自己中心的に生きるのもいいが、人の役に立つことの素晴らしさをたくさんの人が知っておくべきだ。







こんなに蜂について詳しく考えているのは、私が蜂に特別な感情を抱いているからであって、押し付けではない。ただ、これまでの生き方を教えてくれていたのが蜂だったというだけの単純なこと。

働き蜂は、今の自分を形成してくれた上に、辛い時期を乗り越えさせてくれた生き物だ。



そんな考えが、今、覆されていきそうだ。

その時、やっと、私はこれまで気づかなければならなかった大きな存在に気が付いたのだ。









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