13話
「はる、今日委員会行くだろ?」
『勿論行くよ!』
鈴木君と仲良くなってからというもの、図書整理などの後、一緒に下校するようになった。
それからは、鈴木君に抱いていた本当の思いを自覚するようになってきた。
鈴木君に会うと激しく心臓が鼓動し始め、その胸の高鳴りは誰にも制御できなくなる。
これが『恋心』だということに気付くと、鈴木君といることが嬉しくて嬉しくて。
「橘さんってさ、勇斗君を独り占めしたいらしいよ。勇斗君の連絡先教えてくれなかったんだもん。」
「えーっ。最近本当に調子に乗ってるよね。勇斗君と釣り合うわけないのに。」
クラスに帰るとこんな声が聞こえてきた。
勿論、私みたいな地味な存在が勇斗君と釣り合うなんて思ってはいないけれど、好きな気持ちはもはや誰にも止められない程、大きなものになっていた。
恋をすると周りのことなんか忘れちゃうって言うけど、本当にそうだと思った。
私はこれまで、クラスの陰で目立たないことでからかいやいじめから逃れてきた。
なのに、今ではクラスで目立つ存在になってしまっている。もちろん悪い意味だけれど。
私は変えたかった。性格を。だから、鈴木君といれる時間が変われているようで嬉しくて。
最初から好意なんてなかったのに。好意なんて抱く前に委員会を辞めていれば良かった。
考えるていることも嫌になる。私はこう見えて弱いから。
そんなことを、自分の席について下を向いて考えていた。
今にも逃げ出したい気持ちだったけど、逃げたら負けのような気がして動けなかった。
負けるということだけは絶対に嫌だった。自分の非を認めるようだったから。




