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10話
鈴木君と仲良くなったことで、自然と少しずつ前を向けるようになってきた。
とはいえ、本音をぶつけることはできるはずもなく。
図書委員としての仕事は最近、簡単なものではなくなってきた。
今までの仕事に加えて、新しく入ってきた本のラベル貼りが始まった。
この仕事は強制的に図書委員全員でする仕事のはずだが、家庭の都合だの、部活の大会が近いからだの理由をつけては欠席をする生徒が多い。
そのため、仕事が増えていくのだ。
最近は放課後はないもの同然で、毎日図書室にこもっては作業をしていた。
クラスの2人でペアを作って作業を進めていくため、私は鈴木君とペアだ。
鈴木君とペアになって毎日のように一緒にいると、胸が締め付けられて苦しい想いとなった。
しかし、その痛みは苦ではなく、いくらでも耐えられるような苦しさだった。
この時、私が鈴木君に対して普通ではない、特別な感情を抱いているように感じた。
この思いが恋だなんて気づくことはまだ先の話だけれど。




