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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

美少女「美人だけの国があれば良くない?」

作者: 電波ネイル

気分で書いたので気分で削除するかもしれません。

もしくは短編まとめの方に移すかもです。


よろしくお願いします。


△△△△年

あるSNSで女性ユーザーが発言したことが物議を醸した。


「美人だけの国があれば良くない?」


発言した女性ユーザーが実はとてつもなく美少女であったからか、

美人としての喜びも苦難も美人とともに分かち合いたいという考えの女性が多かったからか、

それともこの国が、何気ない一般人の言葉で揺れ動くほど脆い状態にあったからか、

その発言は国内で多くの賛同を得る形となった。

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馬鹿らしい、誰かが書いたブログの一節。

表示されるPVは1。自分だけが見ているのだろう。

今更な記事を、今更何処かの過疎ブロガーが書いたものに、僕は目を通していた。





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人間の容姿評価の数量化に成功。

世界中で用いられる評価尺度と国独自のものを複合したものが、その容姿判定に用いられる。


美人だけの国に身を置いて生活するには、簡易コンバートされた点数評価法で、80点以上が必要になる。

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△△△○年

国民が予想したよりもかなり早く、美人だけの国が設立した。


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そもそもだが、国という表現が変な話だ。


この国の都心の一部を譲渡し、美人はそこで暮らす。美人に限り国の往き来は自由。美人以外は基本的に美人の国への入国が禁止されている。


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美人は働かない。

俺らがいる、この国の金と労働力を美人に貢ぐ形になっている。


美人は特権階級のようなもの。

何不自由なく、好き勝手に暮らすことができる。

ただし、美人の国に居続けるには、美人であることを点数評価で維持しなければならない。


その点、美人は努力家が多いらしく、連続滞在年数は平均13年と長期滞在の傾向にある。

ちなみに入国判定審査ができる年齢は16歳から。



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この国は、美人の国を設けてからすっかり変わってしまった。


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美人の国を利用することで、この国は海外からの評価や国交関係を盛り返すことができた。



この国の男どもは美人と結婚できるよう努力するようになり、幸福度意識調査においても、体力においても、生産効率においても上昇傾向にある。


女性も、美人の国で暮らすための綺麗になる努力や研鑽を怠らない。美容、健康といった項目外でも勉学の向上心が著しく高くなり、女性研究者が大幅に増えるようになった。街には容姿端麗、品行方正、才色兼備な女性で溢れる。


俺の世代でも聞き慣れない言葉だが、大和撫子というらしい。



綺麗な人が国中に増えていく。

その中でもほんの一握りしか暮らせない所なのだから、美人の国はさぞすごいのだろう。



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この国の人間は、美人を羨むことこそあれ、嫉妬など負の感情を持つ者は少ない。高景気のおかげもあるだろうが。



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本当に国全体が明るくなったようだ。

この国の未来は明るいと、何の気なしに考えてしまうほど。


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そうブログの記事は締め括られる。

書き進めるほどに文章が雑になるタイプ、それでもヒロは読みきった。

PVは変わらず1と表示されている。

恐らくこの先、何年経っても、このPVは伸びないだろうと確信する。

古くさい記事に雑な文章。


 ヒロは時間を随分と浪費したことに気づいたが、やる気もモチベーションも下がりっぱなし。

やる気なんて初めから持ち合わせていなかったが。ヒロは目の前のスクリーンよりもずっと遠く、空虚を見ていた。

明日のテストに向けた勉強も、提出しなければならないレポートにもまったく手をつけていない。

 深夜放送を巡回する。

たまたま流れていた好みの音楽、古く寂れたパンクロックに意識を集中する。

メロドラマティックな歌詞の中で、悲恋に苦しむ繊細な男の叫びはまるで自分そのもののように感じてしまう。認めたくないが本当にそっくりだった。



目を瞑れば、大体同じシーン。



幼馴染は笑って自慢する。

誰々に告白されたと、それを毎日のように聞かされる僕は気が気でなかった。

君が笑う度に、微笑む度に、そのすぐ横で僕は吐きたくなるほど苦しくなる。

嫌なことでも全部、笑い返してた頃へと戻りたい。

世の中を何も知らなくて、ただ何もかも笑い飛ばせると思っていた頃に。

何が良くて、何が悪くて、何をしたくて、何をしなくちゃいけないか、

自分の中で全てがあやふやになる時期。


幼馴染の少女が日を重ねて綺麗になっていくというのをヒロは悲しむことしかできなかった。



 宝くじを当てて、その金で海外に移住して、小学校からやり直す。

勉強しない理由をヒロはそう話し、両親に殴られ、学校の先生に殴られ、幼馴染の少女に殴られた。

馬鹿だからしかたないと言って、さらに殴られた。


 たいして動いていない回想にふける頭の中、

担任の先生から、反省文を書くように言われていたことも思い出したが、

やらなければならないこと全てを無視して、ヒロは眠ることにした。

頭ごと布団に潜り、暗く、息苦しい中で僕は寝た。

未来はきっと明るくて、皆が幸せに暮らしている。それでも、壊れてしまえ、と願い続ける僕は存在が悪なのだろう。

……誰でもいいからさぁ、こんな国壊しちゃえよ






昨日と変わらない朝に、昨日の少女はもういない。




ネタバレ嫌で、あらすじ雑になり、すみませんでした。

もっと明るい話とか書きたいですね。


連載作品も不定期更新ですみません。

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