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答えは夜の海に

作者: 月影 ゆかり

夜の海にそっと、手を伸ばす


ヒンヤリとして冷たい


もっと、もっと手を伸ばせば…


きっと何かがわかる気がする


なぜ、私は生きているのか


なぜ、私は生まれてきたのか


この先どうすればいいのか


この世界はどうなるのか


全部が、わかるような気がする


手を伸ばせば伸ばすほど、チクチクと冷たい


手を伸ばせば伸ばすほど、答えがわかりそうなのに……


私の心は空っぽになっていく


喪失感、不安感、不信感…


私は手を夜の海から出した


きっと、毎日夜の海に手を伸ばせば わかるはずだ


深呼吸すると、磯の香りが胸一杯に広がった


まだ、手がチクチクと冷たい


私は海辺を噛みしめるようにして、歩いた




私は人とは違うから


どこかズレているから


私にはみんなの常識がわからないから


みんなに、必死になって合わせる


「だよね」「それな」「わかる」


誰かと喋る度に、自分で自分を殺す


誰かと関わる度に、自分で自分を殺す


痛みはもうすでになくなった


殺しても痛くない


でも、空っぽになってく喪失感、そして虚しくなる心


私は気づいているのに気づかないフリをする


これまでもこれからも


自分で自分の首を絞めていることに……

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