第四話 立ち向かう鳩
朝早く。
私は起床した。
反乱軍伍長の私は、寝ている愛すべき人と妬みの友人に「いってきますであります」を告げて、私は外へ出た。
彼女達にはもう、会えないかもしれない。
私は弱いのだ。
私の人生は最悪だ。
私はこの町の漁師の父と海女の母のもとに生まれた。 そして、父から毎日暴力を受けていた。
殺したくなることもあった。
しかし、我慢した。 母が、守ってくれたから。
母はとてもやさしい。私にとっての母は、神だった。
しかし、私が小学校低学年のとき、母は自殺した。
理由は父の暴力に耐えられなくなったからだった。
私は父を恨んでいる。 今はマードック=ブロードマインとして暮らしているスクラフ=ウィンストンを。
そして、そのあともずっと最悪だ。
中学のときも暴力をうけていた。
そのときには父のせいで、好きだった女性に振られたのだ。 “母がいない人は嫌”と。
全く、自殺した母を取り返したい。
マードックを殺してでも。
スクラフを殺してでも。
父を殺してでも。
中学三年生の時、父が、スクラフがいなくなった。そして、一年ほど前、俺が大人になって、一年たって、父は失踪したことになった。
しかし私は知っている。 王が、マードックがスクラフということを。
はじめて知ったときは、帝国城に行って暗殺でもしようと思った。
それが今、実現しようとしている。
伍長になった私は、たくさんの兵と共に城を今日、攻めるのだ。
昨日はあまり眠れていない。 嬉しいのだ。
しかし、大好きな人に会えなくなるのは悲しいことだ。
私の人生は、今日が最後だ。
弱いから死ぬ。
あたりまえだ。
しかも、反乱軍の兵は圧倒的に少ない。
帝国軍は反乱軍の二倍もいるのだ。
勝てるわけがない。
しかし、いかなきゃいけないのは仕方がない。
私は攻めにいく。
着いた。 ここが帝国城だ。
持ってこられた砲台で、城を撃つ。
バァン!!!
命中した。
これを五回ほど続ける。
しかし、帝国軍は誰も出てこない。
城の周りには小さい堀があるが、簡単にわたれる。
だから、簡単に城の中に入ることができた。
全員が城の中に入る。
その瞬間、城のすべての出入り口が閉まった。
「え?!」
私たちは驚きを隠せない。
そして、窓も。
さらに、地面からガスのようなものが出てきている。
ここで殺されるのか。
私たちはまんまと相手の作戦に引っ掛かってしまった。
やっぱり、もう会えなかった。 そう思ったら、意識がだんだんなくなっていった。
そしてついに、私は床に倒れた。
私のしたで炎が燃えている。
マードックことスクラフが、自分の姿を見て笑っている。
私は昔のように暴力を受けている。
炎の上で。
そして、斗茂矢とエミリーが、言った。
「敵の作戦に怯んでちゃ、何もできないね! このまま死ぬんだな。」
そこで目が覚めた。
私達は城の牢屋に縄で貼り付けられていた。
「じゃあ、偉い人から殺していくよー?」
若い声が聞こえてきた。
隣で縛られている人の悲鳴が聞こえていたが、それはすぐになくなった。
首に象牙を杭うちのようにして刺した。
次は私だ。
こんなときに誰かが助けてくれないかなぁ。なんて考えていた。
しかし、誰も現れなかった。
今斗茂矢達が走ってきている。 もうすぐ来る。 そう考えていたら、私の首からは大量の赤い液体が出ていて、私は眠くないのに、もう二度と起きない睡眠に入った。
「エミリー、大好きだよ。」が言えないまま。
エミリーと斗茂矢が城に駆けつけた時には、もうステップニーの首には象牙が打ち付けられていた。
胸に【殺害班】とかかれた名札がついている人が、象牙とハンマーを持っていた。
俺は怒りに任せて拳で顔を殴った。
彼の顔からは血が出て、そのまま倒れこんだ。
そのあと俺は彼の体を跡形もないように殴ったり蹴ったりして、ステップニーの剣で分解した。
エミリーはステップニーの前で泣いている。
「もう......戻ってこなかったですね........グスン....」
「エミリー、大丈夫、俺がついてるから。 ステップニーが言ってたんだ。 『私がいなくなったら、エミリーをよろしくお願いするのであります。』って。」
俺は、他の兵士の縄をほどきながら言った。
「ステップニーは....そんな..ことまで...」
「うん。 しかもステップニーは死ななかったら『エミリーに告白するー。』なんて言ってたし。 よっぽどエミリーのことが好きだったんだね。」
「え...本当..ですか.....」
「だから俺は、ステップニーの分まで、君を大切にするよ。
だからエミリー、俺と付き合おう。」
「そんな..急に、でも何で、そんな冷静なんですか、」
「俺、もうあいつ=殺害班に最高に怒ったから、悲しむ気力もないんだ。
帰ろうか。」
「そう...ですね..」
基地に帰ると、パニック状態だった。
上から伍長の一人まで、殺されたのだ。
指示する人がいない。
臨時で、伍長の四人が指示をしているが、話が噛み合っていない。
「エミリー、疲れたから寝よう。」
「そうですね。」
俺らは一緒のベッドで横になった。
「ねえ、次攻めるときは俺がステップニーの仇を討ってやる。絶対に、絶対死人を出さない。 俺が計画をたてる。」
「その計画、私も手伝います! 絶対に、敵討ちしましょう!」
そして、俺らの革命計画が始まる。
しかしエミリーそんな簡単にうまくいかないと思っていた。
斗茂矢は絶対的な自信がある。
なんせ、【元の世界】の技術を持っているのだから。