プロローグ 驚きの出来事
この小説はハーメルンにも書いてあります。
授業中 暇な時、世の中の男子は考える。いや、想像する。
ある人は、自分がかっこいいと思い
ある人は、好きな人と想像の中で恋愛をする。
そして俺は、異次元で剣を使いながらドラゴンの上でモンスターを狩っている。
現実ではないが、俺くらいの歳になると、ある病気が流行する。それは、「厨ニ病」だ。あいにく俺はその病にかかってしまったようだ。
今日も俺は、ドラゴンの上で、聖剣ラストアイスを振り回している。
「凍死するか、斬られるかだ。どっちかにしろ。」
「シャーーーーー!!!」
「くっっっ!!!
斬られるかか!!よし!!
氷切断!!!」
「キエエエエエエ!!!!」
頭がおかしいかって?おかしくない頭なんてあるのか?
普通に恋愛もするし、普通に勉強もする。
ただ、俺はこの時間が一番好きだ。
「おい! おい斗茂矢 おきろ! 」
「ん? ああ。」
いつの間にか寝ていたようだ。
「次 移動教室だぞ?」
「ああ。」
でも、もう少し妄想を楽しむとするか。
時代は中世のヨーロッパ的な場所。
現在の政治に不満を持った奴らが攻めてきている。
そこに、俺が、魔術学校の優等生として魔術を披露する。
っと、そろそろ移動教室行くか。
「?!?!?!?!?!」
まて、一回落ち着こう。
俺は、移動教室に行こうとして、教室を出た。そこまでは普通だった。でも、教室を出たら、そこは中世のヨーロッパのような場所。俺が妄想していた場所だったのだ。
これは妄想なのか。
本当に頭がおかしくなってしまったのか。
いつ帰れるのか。
心配なことがありすぎる。
一回、辺りを見渡した。
線路には蒸気機関車が走っている。
住宅街?は赤い屋根の同じ形の家が大量に並んでいる。
空を見ていると、大きなドラゴンが飛んでいる。
どうやら現実のようだ。
まあ一回、町の人にでも話しかけて場所をわかろう。
それぐらい冷静なのが、紳士のかっこよさなのだ。
家の中から一人の村人が出てきた。女の人だ。話しかけてみよう。
「失礼。ちょっといいかな? ここはどこだい?」
「え? どこって、ブリムアーですけど、見ない顔ですね。 名前と職業を教えてください。」
ブリムアーというのか。良さそうなところだが、早く日本に帰りたいところだ。
職業なんて俺は持ってない。
「名前は、斗茂矢だ。 残念ながら職業は持っていない。」
「あら、ジョブントの人でしたか。 珍しい名前ですね。 よかったらうちの店に来てください。ここです。」
「つれてって」
「はい!」
彼女は満面の笑みを浮かべて、俺をつれていった。
つれていかれた場所は、小さな喫茶店だった。
いかにも、昔の喫茶店という感じだ。
「あ、申し遅れました。私、名前をエミリー・スワットブルーといいます。 職業は魔術師です。 親がここの店長で。 あ、何かほしいですか?」
こんな若いのに魔術とか、使えるんだ。そう思った。
店のメニューに、大きな字で『おすすめ!セレブリティエスプレッソ』と書いてあった。
「じゃあ、これで」
俺はそれを指差して、エミリーに言った。
「ご注文ありがとうございます。」
「はい、どうぞ。」
コーヒーが出てきた。
とてもいい香りだ。
「なんて呼べばいいですか?」
エミリーが、話してきた。
「斗茂矢で。逆に、そっちは?」
「なんでもいいですよ。」
笑顔がとても美しい。
「じゃあ、エミリーで行きます。」
て、言ってもエミリーとは呼べないと思うけど。
「斗茂矢さんは、旅の方ですか?」
旅っちゃ旅だけど、スケールが違う。
「一応、そうだよ。」
「泊まるところとか少ないんですよここ。うちに止まってください!!」
「え」
ここは紳士に少ないというホテルにでも泊まるか? いや、この世界の通貨やらなんやら全てがわからない。少しの日本の通貨なら持っているが、この世界のものは持っていない。無論、泊まるしかないのだ。
「どうします?」
エミリーの笑顔と、自分の感情が、俺を止まらせようとしている。
「泊まっていいかな。」
「はい!!」
嬉しさが顔に出ている。 ここで少し、この町を散歩してみるか。
「ねえ、ちょっとこの町を散策したいんだが、いいかな?」
綺麗な笑顔が、また発生した。
「ついてきてください!」
「ここが、駅です。」
一通り散策して、質問したいことがあったから、聞いてみた。
「この場所の通貨は、どうなってるの?」
「通貨の単位は、ウィールです。 なんでかはわかりませんが。」
いいことを思いついた。 今持っている十円玉を、銅として質屋に売りつけたらいくら手にはいるだろうか。そんなことを考えていると、エミリーが話しかけてきた。
「そろそろ、帰りましょう。」
「なんでよ。まだ夕方だよ?」
「いいから!」
そう言われて、エミリーの部屋に行った。
「ここで待っててくださいね。」
「どこいくの。」
「ちょっと、トイレです。」
嘘だ。
どこへいくのかわからないが、俺には関係がなさそうなので、追求するのはやめておいた。
やがて、傷を負って、エミリーが帰ってきた。
「どうしたのその傷! 大丈夫?」
「大丈夫です。 気にしないでください。」
彼女は自分で傷を治療している。
雪のように白い肌が、多く見えている。
「じゃあ、もう寝ますよ。」
「俺はどこで...」
「このベッドですよ? 何か問題でも?」
まさかとは思っていたが、一緒に寝ることになってしまった。
「電気消しますね。」
暗い。あたりが見えなくなる。
「なんか、ドキドキしますね。 男の人と一緒に寝るなんて、初めてです。」
彼女ははしゃいでいる。俺も今すぐにでも同じ調子にしたかったが、紳士なのでそんなことはしない。すぐに寝るのだ。
「ねえ、斗茂矢さんって、歳はどれくらいなんですか?」
エミリーは楽しそうに言う。
「17だ。」
そう、俺は高校生で厨二病にかかってしまったのだ。
「私はー、いくつに見えますー??」
「16くらい?」
「ブッブー。17で同い年でしたー!」
同い年か。 まあそんぐらいか。
少し静かになる。
「斗茂矢さん、明日はどうするんですか?」
「あしたは、君に魔法を教えてもらってもいいかな?」
「わかりました!」
「じゃあ、おやすみー!!」
「おやすみなさい。」
そのあと俺は頬にキスをされた。
そして考えた。寝たら、もとの世界にかえれるのか。
こうして一日目を終えた。