5、バイト先で 華月ルート
もう何度目だ、同じ事を繰り返すのは、今度こそハッピーエンドをつかむんだ。
転校した俺は、生徒会の手伝いをすることになった。同じ生徒会の葉月に誘われて、放課後アイス屋に寄ったら、後輩の華月がバイトしていた。ここまでは今までと一緒だ。今度は華月を狙う!
葉月とは帰る方向が違うので、いつも一人で帰っている。今日はアイス屋に寄ってみよう。「アルバイト募集」アイス屋の入り口に張り紙があった。高校生可、時間も丁度良い。俺もアイス屋でバイトしよう。
仕事は主に華月に教わった。段々と華月と仲良くなった。華月は凛とした容貌だけど、中身は結構面白い。仕事の教え方もわかりやすい。
「好きです。付き合ってください。権兵衛先輩」
バレンタインデーに、学校の屋上に華月に呼び出された。
手作りチョコで告白された。権兵衛だなんて、もっとまともな名前にすればよかったな。
「もちろん」
俺は華月の手を取った、これでハッピーエンドか?
何か俺の目の前に白い文字が地面から空へ向かって流れていく。文字が反転しているので、よく読めない。
「制作 ×××」といった文字が次々と流れていく。
人の名前のようだ。スタッフロールかな。
歌が聞こえる。女性歌手の歌。初めて聞く歌だ。LOVEagainと言っているのが聴こえる。
これで、ゲームは終わりだ。俺はこのゲームの世界に転生して、華月と幸せになるんだ。
そう期待を持っていたが、
スタッフロールが終わった。
HAPPYEND
反転した文字が見えた。
ああ、そうかこれが正解だったか。
俺は華月の手を取ったまま、時が止まった。動こうにも、動けなかった。俺も華月も、下を通る通る他の人も。
永遠に―――
「悪いね。ここまでしか世界を作ってないんだよ。この先は考えてないんだよね」
神の声が聞こえた気がした。
<END プレイしてくださってありがとうございました。>
読んでくださってありがとうございました。




