第6話
感想いただきました、レフェル様、並びにこのお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。
「………では、俺は帰る。」
「アレ?帰るの?」
Shadow君の言葉にボクは?を浮かべた。
「俺の役目はここに案内するだけだ。」
Shadow君はボクから残りのお金を受け取りこの場を去った。
「さて、冒険の始まりだ!」
ボクは勢い込んで穴に飛び込んだ。それに続きRabiちゃんとLinaちゃんが飛び込んだのはいいんだけど、1つ2人の服がスカートなのを見落として上を見上げちゃったんだ。
『ッ!!』
着地した2人が恥ずかしそうにスカートを押さえてこちらを見た。
「見た?」
顔を赤くして睨む里奈ちゃんに正直に答えた。
「ウン。ごめん。」
その回答にこちらを睨んだまま囁いた。
「後で覚えてなさい。」
囁いて奥へと進むLinaちゃん。つぐみちゃんもその先へと進む。
その先で出会ったのはゾンビの群だ。ゾンビって、アンデットモンスター達の中で最弱のモンスターだ。
「うみゅぅ!こ、怖いよ!」
ゾンビ達を見てつぐみちゃんが怯えだした。気持ちは良くわかる。ボクも怖いし。
「ヨッと!」
駆け寄り一刀両断した。それだけで、ゾンビ達は、砂になり、消え去った。
2体目も斬り伏せ、た時、ゾンビの反撃を受けて腕に負傷する。
「Linaちゃん!」
「ウン!火炎矢!!」
ボクの合図にLinaちゃんはゾンビの弱点の炎攻撃をした。炎の矢の直撃を受けてゾンビ達は灰になる。
「だ、大丈夫!紅葉君!今、手当をするから!」
「それなら、解毒魔法だけにして。ボクと違ってRabiちゃんとLinaちゃんは魔力が無くなるとちょっと不味いんだ。今回みたいにゾンビ達は毒の攻撃を持っているから、回復出来る人がいなくなるのは不味いんだ。」
ボクの言葉に少しだけ不満ながらもRabiちゃんは解毒だけしてくれた。
「ありがと♪」
頭を撫でると、Rabiちゃんは嬉しそうに目を細めた。
ボクは持ち物から松明を取り出して火をつける。明るい光が辺りを照らす。先へと進むと道が別れている。
どちらに進むか悩んだが、右に進んだ僕たちを待ち受けていたのはゾンビと黒いフードをかぶったモンスター達だ。
「Linaちゃん!Rabiちゃん!奥にいる黒いフードのモンスターはボクが引き受けるから二人はゾンビ達と持ちこたえて!」
「ウン!」
「わかった!火炎矢!」
Linaちゃんは答えたと同時に不意打ちのために詠唱破棄をした火炎矢をゾンビ達に放つ。
詠唱破棄をしたせいで威力も落ちて、ゾンビ1体を砂にした程度だった。
だけど、それで十分だ。その一撃でゾンビ達はLinaちゃんに視線を向けていた。そのスキを逃さず、メイジに肉薄する。
Side Rabi
「うきゅう!怖いよ!」
襲いかかるゾンビ達に恐怖を覚えながらも、必死に杖を振り回す。そのせいでゾンビ達は私達に近づく事が出来ないでいる。そこに、
「火炎矢!!」
里奈ちゃんの放った炎の矢が、ゾンビ達数体を灰にした。
「つぐみちゃん!この調子で頑張ろう!」
「ウン!」
里奈ちゃんの言葉に、元気良く返して杖を持つ手に力を込めた。
Side Red Leaf
「ハァァァッ!!」
叫んで振り下ろす剣をメイジは杖で受け止める。
力比べはボクの有利で終わりそうだったが、メイジの繰り出した蹴を受けて飛ばされる。そこに、火炎矢の直撃を受ける。それでも諦めずに近よりメイジの胴体を切り裂いて砂に変えた。
「楽しかったね♪」
あの後も、冒険は続き、槍を一本、剣を一振り、ナイフを2本、後、1400Gと回復薬を3本手に入れ、帰り道を皆で歩いていた時、
「危ない!」
Rabiちゃんの言葉に、ボクはLinaちゃんを抱えて右に、Rabiちゃんは高く跳ねた。その瞬間、ボク達がいた空間を矢が貫いた。そして、森の木々の影から8人の男女が現れた。
ユーザー名や、職業、レベル等が表示されていることから、NPC(モンスター等のなり手のいないキャラクターのことです。)じゃなさそうだ。でも、さっきの射撃は明らかにボク達を攻撃する気だった。
「ひょっとして、PK?」
ボクの言葉にリーダーらしき男の人が笑みを浮かべた。
「そういう事さ。だから大人しく倒されてくれや。」
その言葉に、メンバーの女性がボク達を攻撃しようとする。
そして、
「キャァァァッ!!」
辺りに女性の叫び声が響き渡った。