第10話
感想いただきましたLAN武様、鋼箸様、レフェル様、並びにこのお話を読んで下さる皆様ありがとうございます。
依頼を引き受け、さぁ頑張るぞ!そう意気込んだだけでも、外の景色が今までと違ったものに感じる。
修行に使っていた森でさえ、どこか重苦しいものに感じる。
そんな中、
「ッ!!」
April01が矢を放つ。その矢が前方の繁みを貫いてモンスターの断末魔の悲鳴を上げさせた。
「遠距離の敵は、私と理奈姉さんに任せてください。」
その言葉に、少しだけ軽くなった気がする。
「良し。目的地に向かって頑張るぞ!」
『オー!』
ボクの言葉に皆が片手を上げて叫んだ。
ボク達がたどり着いた川は、とても広く綺麗な光景だから、ピクニックにしゃれこみたかったけど、依頼で来たからしょうがない。
「龍兄。敵も出るし、草摘みと警戒の二チームに分けない?」
「そうだな。俺とモミジと四月一日は警戒側に、八月一日と里菜とつぐみは草摘みに加わってくれ。」
龍兄の言葉に皆が賛成した。LINAちゃん達が草取りしている時にモンスターが現れてもLINAちゃん達を護れるように警戒している中、
April01が高速で複数の矢を射る。矢が飛んでいった方向から矢で射られたオーガー達が現れた。更にその向こうから、
「ガァァッ!!」
無傷のオーガー達が現れた。
「ハッ!」
ボクの斬撃と龍兄の拳がオーガーを傷つけるが未だ倒れない。
「火炎刃!!」
「餓狼爪!」
炎を纏ったボクの剣と龍兄の爪がオーガー達を襲った。今度こそオーガーは砂になる。
「決して倒せない敵じゃない!皆が取り終わるまでは持たせるぞ!」
「「「うん!」」」
龍兄の叫びに皆が応じた。
「グォォォッ!!!!」
オーガー達が襲いかかりそれを迎撃するのだが、数が多すぎる!未だなの!ボクが焦りが届いたのか、
「火炎球!!」
輝く火の玉がオーガー達を襲いかかった。
「ゴメン!待たせた!」
「イヤ、大丈夫だ。急いでここを抜けるぞ!」
龍兄の言葉にRabiちゃんとLINAちゃんとApril01以外の皆がオーガー達に突っ込んだ。
「魔狼拳!」
龍兄の狼の型の気弾がオーガー達を引き裂いた。その気弾を受けなかったオーガー達がAugust01に襲いかかるが、
「甘いよ♪」
逆手に構えたナイフがオーガー達の首や胸元を切り裂いていた。その他にもボクやLINAちゃんRabiちゃんの援助もありあっという間にオーガー達を全滅させた。
「やぁ。お帰り。頑張ったみたいだね。」
風車亭についた時、店長が笑顔で出迎えてくれた。
「はい。店長依頼の品です。」
龍兄から受け取った袋を確認して店長が満足そうに頷いた。
「そういえば、ギルドの名前はどうするんだ?」
全然決めてなかった。
「じゃあワンちゃんファミリーって」
『却下。』
龍兄がリーダーなんだし良い名前だと思うんだけどな。その後もあーでもないこーでもないと話し合い、ついた名が
『クリムゾン・ドラゴン』
だった。