第9話
感想いただきました、鋼箸様、LAN武様、レフェル様、並びにこのお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。
「龍兄は?」
ログインして、先にログインしていたらしいLinaちゃんとRabiちゃんに問いかける。
「まだよ。まだ来てないわ。」
ボクの問いにLinaちゃんが答えた時、魔方陣がが輝いて誰かがログインしてきた。
狼の姿をした人、人の姿をした狼。獣人のようだ。後の2人は人間だ。ユーザー名は………WOLF。龍兄のユーザー名だ。April01とAugust01は間違いなく四月一日と八月一日のだな。ユーザー名がわかりやすい。
「お待たせ。モミジお兄ちゃん。」
「悪い。待たせた。」
「イヤ。そんなに待ってないよ。ギルドに行く前に寄り道していい?」
「ここだよ。」
一軒のお店を指さして言う。
「いらっしゃい。って、アンタらか?新顔の人もいるみたいだけど。」
いきなりな挨拶に龍兄は店主を見つめた。栗毛色の髪をポニーテールにしていて、とてもキレイな人なんだけど、気の強そうなつり目と、眠たそうな目が−ポイントだ。
「………あぁ。こっちが呼び出しといてその態度は失礼だったね。アタシはLuna。この店の店主をしているわ。以後よろしくね。」
Lunaちゃんが挨拶した所で、
「お姉ちゃん。この3人は龍星と、四月一日と八月一日だよ。」
「え?マジで?」
Linaちゃんの言葉にLunaちゃんは、ジロジロとWOLFとApril01とAugust01を見た。
「って、アンタまさか、」
「瑠菜お姉ちゃん?」
「………どうやら、マジみたいね。
まぁいいわ。それより、さっき良いもの仕入れたから買う気無いかしら?」
と差し出したのは1つの小瓶。そこらで安売している回復薬にも見えるけど、中身が虹色に光っている。
「これは、生命の霊薬よ。」
それは回復アイテムの中で最高のランクを誇るアイテムだ。
「良く手に入ったよね?というか、高いでしょ?」
「まーね。懇意にしている錬金術師から安くしてもらったんだけどそれでも、8000万はしたわよ?」
一瞬だけ、高いと思ったけど、効果や入手難易度を考えるとそうでもないかと思い直した。
何せ、使用すればパーティー全員のHP、MPだけじゃなく異常テータスまでも全部回復してくれるアイテムでダンジョン内で時々拾うのを覗けば錬金術師から作ってもらうしか無いのだが、LV99の錬金術師しか作れない上、100回挑戦して1個出来るか出来ないかといった確率なのだ。
「Lunaちゃん。ボク達は8000万Gもの大金支払えないよ?」
「わかってるわよ?少しずつ支払ってくれるなり、後で同じものをくれるなりしてくれればいいわよ。」
Lunaちゃんはそう言って、小瓶をボクに渡した。受け取ると小瓶はカードになったので、カードホルダーを取り出してその中に収納した。
その後、今のボク達の持ち金ではロクに装備を充実させられないから、回復薬等の補充だけにした。
それが終わり、ホントの目的地、冒険者ギルド・風車亭に向かう。
風車亭は話通り巨大な風車が回っていたためすぐにわかった。
1Fは酒場も兼ねているのか、大きなフロアの一角に掲示板があって、ソコに依頼書がペタペタと張られていた。
多分、2F以上は宿屋にもなっているのだろう。
「いらっしゃい。君達はここがはじめてかな?」
店主らしき人物、頭にユーザー名や、職業、LVがかかれていることからPCだろう、が出迎えてくれた。
「ハイ。初めて来ました。ギルド登録はここでいいですか?」
「そうだよ。リーダーの人は、コレにパーティー全員のユーザー名を書き込んでね。」
店員さんの指示に龍兄が書き込んで提出する。
「………。はい。登録完了したよ。直ぐに依頼を受ける?」
………掲示板に張られていた依頼書を眺めて、1枚を剥がした。
「コレを受けたい。」
それは、以前修行場に使った森を抜けた先にある川辺にある草を20本手に入れるものである。
「わかった。」
店員さんは依頼書を受け取り、奥で何かの機械を弄ると直ぐに戻ってきた。
「OK!受理したよ。今から行ってくるかい?」
その言葉に、皆が縦に首を振った。
こんな依頼があったら、面白いかなというものがありましたら、メッセージにて詳しく送って下さい。必ず、やるというわけではありませんが、かけそうなのは書いてみたいと思います。