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華の降る丘で  作者: 行見 八雲
第2章
33/75

1.プロローグ的な。


 神がこの世界に舞い降りられたとき、この世界は無であった。


 そこで神は、世界の土台にと闇を溶かし、次いで光を灯した。


 そして、風を流し、大地を植え付け、水を注ぎ、植物を宿して、有の世界とした。


 やがて神はその身を分け、世界へと散りばめられた。



 神の欠片は世界中に落ち、命となって、世界に息づいた。




 ―――創世記より―――







 硬い寝床の感触に、目が覚めてしまって、ゆっくりと体を起こした。



 板の上に布を敷いただけのベッドの上で体育座りをして、手の届かないほどはるか高い位置にある、鉄格子の嵌められた窓から、星の散らばる暗い夜空を見上げる。


 硬い寝床は野宿で慣れていたが、眠りが浅くなってしまうのは、この環境のせいだろう。

 6畳ほどの広さで、石が敷かれただけの冷たい床と壁、硬い木のベッドに、部屋の隅に作られたトイレ――せめて囲いがあるのが幸いだろうか――。

 部屋全体は薄暗く、壁の一面には、頑丈な鉄格子が張られている。


 突然放り込まれた牢獄で、私は膝を抱えて、そこに顔を埋めた。


 どうしてこうなったのだろう。



 私は、この国に来てからの経緯を思い出していた――。



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