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華の降る丘で  作者: 行見 八雲
第1章
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18.宮廷魔術師VS氷の女王様


 と、そんな感じで、殿下の政務の合間に光魔術の授業を行い、それ以外は帝国図書館で魔術書や歴史書―――私より前に、異世界から来たっぽい人がいないかどうか―――を見たりして、数日を過ごした。





 あと、魔術書でろくに収穫がなかった私は、ハティ様に、宮廷魔術師の方々と魔術についてお話しさせてほしいと頼んでみた。


 私が何か難しい魔術の研究をしていると思っているらしいハティ様は、後日、宮廷魔術師の、しかもかなり上位の方々とお話をする機会を設けて下さった………のだが。



 そのときの私の設定が、帝立イル・シェール学院のエル殿下の後輩で、かなり夢見がちで、おとぎ話のような魔術を卒論として研究している学生、ということになっていた。


 いや、これだったら多少おかしなことを聞いても変じゃないと思うけど、何か、アイタタな人のように思えるのは私だけでしょうか。


 宮廷魔術師の方々から、ちょっと生温い視線を感じているような気がするんですけど、き…気のせいでしょうか??



 あ、ちなみに、私が研究していることになっているのは、空間同士をつなげて、人や物を行き来させるという魔術です。


 これに関する質問に混じえて、「この世界とは異なる空間―――例えば異世界といったような―――」という質問を、ぼかしながらしてみたりもしています。


 まあ、全員に首を傾げられたけど。




 あと、ハティ様と一部の魔術師の方の間で、ぴりぴりぎすぎすした雰囲気を感じるんですけど。


「確かに夢のような内容ですが、このような研究が成就すれば、帝国にとって非常に有益となるでしょう。

 今後、光の皇子であらせられるエリュレアール殿下が治めてゆかれる国のために、少しは役に立たれたら如何です?」


 なんて、ハティ様は、面倒臭がったり渋ったりして非協力的な魔術師の方を、目が全く笑っていない微笑みで説得(?)したりしていた。


 なるほど。あの辺りにいるのが、頭の固い古狸爺どもなのですね!



 しかし、私があの微笑みを向けられたら、即座にその足元にひれ伏しますよ!「ごめんなさい、何でもしますから許してください!!」と泣き叫んじゃいますよ!


 あ、案の定、ハティ様の微笑みを向けられた魔術師の方々は、一様に顔を青くして腰が引けてます。


 中には、「わ…わしもそろそろ、気候の穏やかな田舎で余生を過ごそうかのう……」と体を震わせながら、言っている方もいます。


 分かります!今、その辺は絶対零度の気温なんですね!寒いんですね!


 今日も一段と麗しいです!冷気も冴えてます!氷の女王様ああぁぁ!!




 と、ハティ様の協力(+ストレス発散)もあり、一通りの方々の話は聞けた。



 そう言えば、宮廷魔術師の長の方は、非常に穏やかな笑顔を浮かべた、目尻の下がった白いお髭のおじい様でした。


 どこかで見たことがあるなぁと思っていたら、あれです!ハリー○ッターの映画で見た、魔法学校の校長先生ですよ!


 まさにあんな感じです!口調も穏やかで優しそうな好々爺で、でも、すべてを見通すような淡いエメラルドグリーンの瞳が、実に印象的でした。



 私の話も、面白そうに興味深そうに聞いて下さいましたしね。

 


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