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深夜の図書館で怪異に遭遇したけど、結果的に最強の相棒を得て、高飛車同級生にざまぁした件  作者: 拓田(たくた)しろう


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6話 女子中学生と小人さん

 □□□


 晶子がひとしきり叫んで逃げだしたところを見て、髪の毛をかきあげる。

 顔に血みどろのメイクを施していたが、あの調子では見ることもなかっただろう。

 用意していた濡れティッシュで顔を拭いた。


「おわったですか?」

「ありがとう、小人さん。はい、これお礼」

「わはっ!」


 小人さんはスティックシュガーを持つと、目を輝かせて食べ始める。

 

 話はこうだ。

 昨日図書館から帰る直前に、この計画を閃いた。


 小人さんにお願いしたことは2つ。

 1つは、合図したら倒れた私を操り人形のように釣り上げること。


 できるかどうか聞いてみたら、案の定簡単にやってもらえた。

 試しにやってもらうと、手足が引っ張られて宙に浮く。ちょっとした空中浮遊を体験した。

 スティックシュガー3本を提示すると、満面の笑みで応じてくれた。

 

 自分の要望があっさりと実現した後、家に帰る前、夜の中学校に忍び込む。

 先ほどの鼻血を拭いたティッシュと手紙を、晶子の机の中に入れておいた。

 晶子はきっと、手紙を読んで戦慄し、夜確かめに来るだろうと踏んだ。


「きゃああああああああああああああ!」

 

 出入り口付近で晶子の声が響いて、2つ目の仕掛けもうまくいったな、と思った。

 部屋を出て見てみると、3mの巨大トカゲが仁王立ちしていた。


「ちょ、ちょっと小人さん。なるべく早くあのトカゲを消してくれない?」

「はい、いまけすですぅ」


 そう言って、ちんまい手をかざすと、煙が上がるように消えていった。


「あー! すっきりした!」


 晶子が驚いた顔を思い出し、大きく笑う。

 嫌いな誰かが苦しんだところを思い出して笑うなんて、我ながら性格が悪いと思う。

 

 ただ、こっちだって晶子のせいで昨日は死ぬほど怖い思いをして、怪我あり涙ありの大変な思いをしたのだ。

 これくらいの復讐をしても罰が当たらないだろう。

 

 そして、小人さんと会話をしながら館内の後片付けをした。

 出入り口付近を掃除していると、廊下が濡れており、アンモニアの厭な臭いがしていることに気が付く。

 正体を知って掃除したくなくなったが、これも自分が招いたことだと考え、しっかり廊下を磨いた。


「にんげんさんはだいまんぞく?」

「うん! 小人さんのおかげで大満足! 変なお願いしてごめんね」

「……きょうはもうかえっちゃうですか?」


 その言葉に、ハッとさせられた。

 そうか、小人さんはずっと一人でこの図書館にいた、と言っていた。

 理由は本人にもよくわからないから、聞きだせていないが、ずっとここで一人だったらしい。


「うん、今日も学校休んじゃったし、帰って休もうかなって思うの」


 そう答えると小人さんのつぶらな瞳はウルウルと涙がたまった。


「わー、おいてかないでぇ。にんげんさんといっしょにいたいですぅ」

「う~ん、困ったなぁ……。ねぇ、小人さんはここから出られないの?」

「でられますが?」


 出られるんかい。


「じゃあさ、うちに来なよ! スティックシュガー一気飲みするくらいだから甘い物好きなんでしょ? 今日のお礼も含めてケーキ用意してあげる」

「けーきですか!? にんげんさんはけーきをつくれるんです?」

「私は作れないけど、買ってきてあげるわね!」

「わぁ! にんげんさんはかみさまのようにやさしいですぅ!」

「もう、現金な子なんだから!」


 翌日、登校して晶子と顔を合わすと、ヒッ! と怯えた声をあげた。

 何か言いたげに口をパクパクとしていたが、髪の毛で顔を隠すような動作をすると、引き攣った顔をして逃げ出した。

 

 その光景を見ていた美紀が声をかけてきた。


「ねぇ、晶子ちゃんとなにかあったの?」

「さぁね~?」


 その日を境に、図書館の奇妙なうわさ話はなくなった。

 晶子が、気がふれたようにおばけと巨大トカゲが出ると主張したが、結局目撃情報がなかったため、自然と周りから相手にされなくなった。


 後に、この町では小人を肩に乗せた女子中学生のうわさが広まるが、それはまた別のお話。

 1人と1小人の話は、ここから始まるのである。


 ~Fin~

 最後まで読んでくれて、ありがとうね☆

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 これからも応援よろしくね!


 新作書きました!

 ご興味のある方は読んでみてね☆

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