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Ghetto Angel 用語早見表

ネガティブ・ワン

 十八年前、日本列島全体を覆い尽くした巨大災害群。二カ月の間に起きた台風、地震、噴火の総称。

 居住地の八割、人口の九割を喪失したこの災害群が、後年の経済学者により

「どんな先進国も直面しうる、後期開発途上国へと変化する唯一の可能性」

 として命名されたことがきっかけ。

 災害それぞれについては専門家によって警鐘が鳴らされていたものの、同時期に起きることは予測されていなかった。

 立ち直るための投資と、それに見合う経済効果を加味した諸外国からの支援は対症療法的なものに留まり、日本は棄民の国へと変貌を遂げた、とされている。


ゲットー

 ネガティブ・ワンに伴い生まれた、国土と人口の大部分を占める極端な貧困層、及びその地域の通称。

 散逸された影響でほとんどが戸籍を持っておらず、正確な人口は不明。

 東京ゲットーにおいては、治安維持機能の喪失により、ギャングが引き起こす強盗や殺人、無法の臓器売買が頻発している。

 人口のほとんどは、後述される「アップマーケット」より提供される日雇い労働に従事している。


アップマーケット

 ネガティブ・ワン以前に災害対策をしたことで、無傷で生き延びることのできた極小数の富裕層、及びその地域の通称。日本の経済価値のほとんどを担っている。

 国土に点在する高層ビル群に居住しており、東京においては旧浜松町一帯を除く環状線内側が該当する。

 ネガティブ・ワン以後、わずかに残された治安維持機能はアップマーケットのために行使されている。

 高い選民意識と安定したインフラから、最貧国の住民としては異常値とも言える幸福度を誇っている。

 一方、選民思想と安全な環境が産み出す生殖本能の低下や人口減少が問題視されており、若年層の海外移住にも歯止めが効かない状況が続いている。


Pod026

 加速する日本の人口減少への対案として生まれた、ゲットーとアップマーケット間における移民政策、及び動画アップローダーの通称。

 何かしらの才能がある人間を選び、アップマーケットに認められた人間をゲットーからすくい上げることで、中長期的な人口増加を計画するもの。

 政府主導で開発された素案である「国家内移民政策」が拒否されたことで幾度の改訂がなされ、それに伴い諸外国のビックテックが参入。

 その結果、再開発事業とエンターテインメント、双方を基軸にしたオーディション形式が取られる形になった。

 本計画は、かつて存在した動物実験"ユニバース25"及び、それに近い日本の現状を揶揄する"Re:ユニバース25"に対抗し、なぞらえる形で命名されている。

 諸外国においても日本同様"Pod026"と呼称されているが、東アジアの一部では"楽園計画"とも称されている。


シロアリ

 ゲットーにおいてメジャーな事業、及び職業の通称。ネガティブ・ワン以降爆発的に増えた廃墟や廃屋の資材を抜き取り、アップマーケットの建築用資材へとリサイクルする事業。

 通常の解体業務とは違い、外装のほとんどを残しながら内部だけ吸収する様子を、木材の内部を食い荒らすシロアリに例えたのが由来。


スマートフォン

 "Pod026"においてゲットーに配布された、ネガティブ・ワン以前の通信端末の通称。各端末にはPod026への投稿機能の他、撮影、映像編集機能が備わっている。

 ネガティブ・ワン以前とは違い、音声電話やSNSといったサービスは存在しない。

 ゲットーの一部では、Pod026で初めてそれを知った人間も存在する。

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