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〜何故僕たちは戦わなければならないのだろうか〜
六時に起きて、六時になったらまた戻る。
それが新たな僕たちの日常へと刷り込まれていった。
──登り始めた朝日が僕と彼女を照らす。
傷だらけの僕が、血まみれの君を背負い、みんなが待つ拠点へ帰る姿はなかなかに凄惨で、感動的に映るだろう。
出迎えてくれるものは誰もいない。
僕と彼女は絶対安全圏である拠点へ戻り、今日をまた生き延びるだけだ。それ以上でも以下でもない。
さて、こんな意味不明な書き出しで始まる物語だが、何で僕が傷だらけなのか。何故、彼女は背負われなければならなくなったのか。それが分かるのはもう少しだけ先のお話だ。
これは、僕が一人の冒険者として戦う物語。
傷だらけで、最高に格好悪い英雄譚である。