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非常識・規格外・理不尽まみれな鉄板成り代わり~色々と鉄板じゃ無いですが気にしなくてイイですかね?~  作者: 篠宮秀佳
1章 10歳異世界美少女のまま(→中身も親父のまま……)
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10話、ちょいとだけ過剰防衛でもイイですかねぇ?


「明日の登校日から『アンリエッタ』に擦り寄る輩が増えそうだね。警護が大変になりそう……」


「ウチの家がキッチリと守ってるって明確にしたから逆に堂々とそーゆーのは排除するよ、自分で」


学園には季節ごとの二月の長期休暇の他にも、意味があまり無い一週間程度の短期休暇が度々有る。

今回のお茶会はその休暇を利用して行われた。

その最終日が今日なのだが、学園で俺と行動を共にしている兄貴ズとしてはやはり明日からの予想できる騒動に今から気が重くなっている模様。


なのでキッチリと伝えておく。

お母様からも泣き落とし作戦で一応は遣り過ぎるなと釘は刺されたけどお墨付きも頂いてある。

それにどうせなら相手の自滅の形で済ませた方が没落させるにも良心が痛まずに済むだろうしさー。


勝手に彼方から絡んで来るのは自由よ。

ただ、状況判断能力が低いを通り越して地面にめり込んで埋まってる事実を自ら暴露した令嬢集団。


ちょっと突つけば自分で掘った穴に更に嵌まる筈。

俺としてはその穴をほんの少ぉしだけ広げて落ちやすくして彼女らの自滅をより助けるだけだ。

まぁ俺が動かずとも勝手に自滅してくれそうだが。


*****


「おはようございます」


「ご機嫌よう」


兄貴ズに嘆かれた翌日。

馬車から降り立った辺りでは特に変化は無く、声を掛けられれば返事を返す程度に歩みを進める俺達。

だからと見境なしに挨拶している訳でも無いが。


挨拶って人間としての最低限の礼儀だと思ってるだけです。だから言われたら返してるだけで。

顔見知りでも無い人には自分からは行かない。

じゃないと変な誤解受けそうだし、ねぇ?


身分に於ける明確なルールが有るこの世界。

ただし此処は学園。

『身分に囚われない自由な気質』とやらを謳いあげている場所。なので一定数、自分に都合よくねじ曲げた思考に辿り着くアホも居たりする。


情報は素早さが命、それは分かるよ。

けれどもろくに調べもせずに一方からのご都合主義満載なそれを信じきってどーすんのさ?

とまぁ俺としては苦言を呈したい、言わんけど。


言う気も起きん程の馬鹿勇者はどっかの男爵令嬢。

校舎へと歩く俺の目の前をいきなり塞ぎ、馴れ馴れしそうに身体をくねらせながら近寄って来た。

もしかしたら兄貴ズ目当ての目論見もお持ちかね?


「アンリ様ぁ、ココではただの学生なんですからお互いに楽しく仲良くなりましょうよぉ、ね?」


「………………」


そもそも誰だ?テメェは。

これで擦り寄る気で要るならただの馬鹿だし、万が一にもマウント取る気なら脳みそが干からびたか蒸発したかで残って無いんだろうね、きっと。


自分は名乗りもせずに俺を愛称呼び。

伯爵家の令嬢に男爵家の令嬢が先に声を掛ける。

しかも勝手に一方的に仲良くなろうと迫っている。


この学園は確かに学びの場だが、貴族にとっては同時に未来に向けた大事な社交の場でも有るのだ。

そして建前は存在するが機能などほぼしてないに等しい。社交界での暗黙の了解の方が強いからね。


無礼馬鹿と俺の間に庇う位置に立ったアド兄に目で合図を送って黙ったまま歩きを再開する。俺の編入したクラスでは見た覚えが無いので行き先もどうせ別だろう。校舎は複数あり、学年では無く成績で区切られたクラス別けで俺らは最上位組なので。


「な、何よぉ!お高く止まってるんじゃ……!!うんギャアー!!痛い!痛いってばあーー!!」


小走りで歩き出した俺の前まで来て腕を振り上げた無礼馬鹿。更に反応したアド兄を片手で制し、空いたもう片手で叩こうとしたソイツの腕を軽く握ってそのまま背後に回って捻り上げてやる。

暴力受けそうになったので自衛したまでですね。


学園では帯剣は認められてないが、護衛名目な兄貴ズはちゃんと上着の下に短剣位は仕込んでいる。

反射的にそれで制圧しようとしてたよね、絶対。

んなコムスメには勿体ないから止めなさいって。


「貴女の方から手を出そうとしたのですから正当防衛ですわよね?攻撃するなら反撃を受ける事も有る事位少ない脳ミソでも今後は理解出来る様にお成りなさいな。今後が有れば、ですけど」


「んなッ!!離せ!離しなさいよー!!」


「はい、どうぞ」


言われた通りにパッと手を離してやる。

その際に軽く足を払ってやったので無礼馬鹿はものの見事に前へと倒れ込んだが、周囲で見物していた多数の野次馬の誰も手を貸そうとすらしない。


「わたくしと仲良くしたいと仰られるならば、せめて人間としての一般常識程度は学んでから居らして下さいませ。貴族ならば更に最低限の礼儀作法を学ぶ必要も有るかと存じますけれど。学園とは学びの場所であって動物飼育小屋ではございませんの。是非とも出直して頂きたいわ」


倒れ込んだまま呆然と此方を見上げた無礼馬鹿に笑う義理も無いので無表情にそうはっきり宣告する。

背後と横で無言で肩を震わせる二人は見て見ぬふりをしておこう。じゃないとこの大事な場面が総台無しで崩壊しちゃうからね。


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