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非常識・規格外・理不尽まみれな鉄板成り代わり~色々と鉄板じゃ無いですが気にしなくてイイですかね?~  作者: 篠宮秀佳
1章 10歳異世界美少女のまま(→中身も親父のまま……)
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9話、もう少し踏み込んでもイイですかねぇ?


あの時、一人、中で気になる子が居た。

一番隅の席で無表情を装って、出されていた菓子にキラキラとした視線を注いではいたが、隣の少女をそっと見遣った後に今度は絶望に似た表情を一瞬浮かべて無表情に戻った様に見えたっけ。


「……なぁんか気になるんだよねぇ」


「アルの勘は馬鹿に出来ないからなぁ」


「気遣い令嬢の一人だったよな、確か」


「ちょっと僕調べてくるね~」


俺の言葉を聞いた途端に飛び出して行ったのは領主サマ。兄貴ズは気にもせずにそのまま見送った。

……止めなくて良いのだろうか?


「あー大丈夫。領主サマも何か変な才能に芽生えたからむしろこーゆー時には便利だと思うよ」


「変な才能?!」


「犬姿だとどんな動物とも話せるんだと。最近じゃ情報収集に滅茶活用してるからね、領主サマ」


兄貴ズからの初耳な情報にさすがに目を丸くしてしまったが、任せられるならば問題ないのでそのままにしておいた。何処ぞかの女装趣味な変態側仕えが聞いたら涎を垂らして羨みそうな能力だな。


領主サマの奇怪な行動も理由が分かればどうという事も無いので本題に戻る俺ら。ちなみにシュナは席を外させているし他も全員人払い中な俺の部屋。

いつもの事なのでもう誰も咎める者も居ない。


「それよりさ、何でアルは気になったんだ?」


「だってさ、サイズも合わない、似合いもしてないドレスに化粧ですら誤魔化せてない顔色の悪さ。隣の女の顔色を常に意識してろくに話さず、そのくせ出された素朴な菓子にすら度々に目を輝かせてる。どうしたって異常だろうにと思うでしょ?」


「……そこまで見てたのか?お前!?」


「元々得意ですからね、そーゆーのは」


その範囲内を『自分の領域』として認識させて場所の全てを掌握する。彼方での俺の能力の応用だ。

設定する領域を“盾”の範囲と見立て、その中に在る存在の動きや会話を自身の内に捉える。限定的範囲としては中々に便利なんですよ、色々とさぁ。

うん、凄ぇ疲れますが魔力量で押し切りました。


前情報が有ったって、その人間の大まかな情報でしか無いなら自分で探るのが一番早いんだもの。

特に離れたテーブルの参加者を探る為にと今回のお茶会ではフル活用してたんだよね、実は。


「どちらにせよ現段階では推論でしか無いんだから後は領主サマを待ちますかぁ」


「そーだな。安易に出せる結論じゃ無いし」


「あの人の事だから調子に乗って周到に調べるだろうから直ぐには戻って来ないだろうし」


三人で顔を合わせてそう結論づけると、各々に寝そべって本を読んだりソファーで横たわってそのまま寝たり、または別の机で学園からの課題をこなしたりと勝手に好き好きに過ごす。これすらも俺らにとっては当たり前の日常なのだ。


*****


「ただいまぁ~」


「お帰り~……ってナニやってんのさッ?!」


「ドコに潜り込んでたら頭にまで葉っぱまでそんな付くのか不思議なんだけどっ?!」


「全身に色んな毛ぇくっついてるしッ?!」


領主サマが戻ったのは翌日の朝。

アド兄の予言通りに細部まで周到に調べてたよ。

ってぇか一体ドコに潜り込んでたのやら……。


犬やら猫やらまでは見分けつくんだけど、鳥の羽毛やら他には何だか分からん毛までもう多種多様。

言葉が通じるからって調子に乗って呼んで聞いた結果なんだろうね、気持ちは分かるが遣り過ぎ。


自分によく似たフワフワな癖毛に絡んだ葉っぱを取ってやりながら報告を聞いている最中な俺。

予想通り、ある伯爵家では後妻とその娘による、先妻亡き後の残された娘に対する虐待にも似た行為が行われていた。何せ前妻の娘と後妻の娘は同い年だからねぇ。どんだけ屑なのさー?その伯爵。


「……でね。伯爵家としては後妻の娘を引き立て役にする為に前妻の娘を利用してるんだって~。前妻の娘は必要最低限の衣装と装飾品と教育のみ与えて、他は全部後妻の娘に注ぎ込まれてるみたい。下働きとかさせてないだけ話的にはマシだけど十分毒親と虐待ってカンジだよね、これってさぁ~」


時間が懸かった割には独特節回しな簡単説明。

俺らには毎度の事なので戸惑いも何も無いが。


「何か細部にまでテンプレ詰まっとらんか?」


「切り貼り繰り返してたらギッチリ詰め込まれたしろモンになったらしい。で、詰め込まれた過ぎたせいで消化不良を起こした典型的な作品だと叩かれた位にはアホな世界だからね、ココは」


「そっか。焦点当てられないだけで一応は創り込まれてはいるんだよね、この世界って……」


「ん、主人公以外にもちゃんと生きてるんだよね。俺が住みやすくするのはもちろんなんだけどどうせならこの辺も正したいよねぇ……」


軽く首を傾げながら呟いてみる。

最近『アンリエッタ』として学園に通い始めはしたけど、まだ来てから馴染んでは居ない部分も多いんだよね。人間関係とかまぁ色々?

だからもう少しだけ動いてみようかと思います。


この世界、10年近く生きてくだけなら生活面での苦労が無い身分なんだけどそれだけじゃ退屈だから……とかが理由じゃナイですからねー。


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