50話、作戦会議ドコ行ったか聞いてもイイですかね?
本日、家族の交流という名目の作戦会議が決行された。短期間での俺の色々とやらかしが多かったらしく、後に領主サマから「孫嫁ちゃんの真似?」との純粋な呟きに反射的に頭を叩いたのは余談。
相変わらず兄貴ズと領主サマは同伴する。
うん、彼らは俺の護衛だからね。例え我が家であっても着いて来るのよ。兄貴ズは許容するとしても、必要ナイのに犬な領主サマはちょいウザイ。
一人がけソファーにそれぞれ座る両親。
俺はというと、三人がけの大きめなソファーに合計四人?横並びで座っている。領主サマはともかく、俺と兄貴ズはまだ子供だから為せる技だろう。
ってぇか犬なら足元いたら?領主サマ。
「で?孫の顔はいつ頃見れるのかしら?」
「……ナンノハナシデゴザイマショウカ?!?」
声までも裏返ってしまったけど俺悪くない。
お茶を飲んでいる時でなくて良かった……。
飲んでたら間違い無く噴き出してたわ!!
奇跡的に取り落とさずに済んだ茶器を机に戻す。
痛む頭に手を添えてまずは自分を落ち着かせる。
ちょーっと待とうか?!
確かに言ってる内容に間違いは無いだろうね。
俺の両脇に侍らす様に見えてるアド兄とアルフ兄。
でも兄貴ズは婚約者と言う名の護衛だから!?
勝手に確定した未来として語るなぁーーッ!!
嫌な未来図に思わず腕を擦りあげた俺。
全身どころか心臓にまで寒イボが出ちゃったわぁ。
気付いた兄貴ズが固めた両脇から背中を擦ってくれて少し落ち着く。擦る兄貴、擦兄!!
いや、犬な領主サマは参加せんでもイイからね。
距離が近過ぎないかぃ?!と誰かが叫んでいたが今はソレどころじゃ無いので黙ってて欲しい。
言いたい事は分かるが全く関係なかろうて。なので腕擦りながら叫ぶお父様を睨んで黙らせる。
その発言者たる加害者はそんな俺を余所に優雅な仕草でお茶を飲んでいる。お母様であった。
嫌いじゃナイですが今はムカッとします。
睨んでも黙らないお父様の頭を抑え付けて物理で黙らせて貰えたのは有難いですけど、はい。
「お母様……、彼らとわたくしの関係は説明して納得頂けたモノだと思うのですけど……」
「あら?だって年頃の男女が一つ屋根の下どころかずーっと同じ部屋に居ればやっぱり勝手に盛り上がるモノでは無くて?違うかしら??」
「「「ナイ無いないナイそれは無い!!」」」
溜め息つきつつ呆れ声をあげれば、戻って来た仰天斜め回答に思わず三人同時に同じ返しをしてしまった。動作までシンクロしましたよ。両手を前で上下左右に目一杯振り回すアレ。さながら何処ぞかのお笑い芸人集団ですか俺らは?!
そもそもだよ?
俺を幼い頃から知ってる本当の意味での保護者。
年月の関係で血筋や身体には繋がり無いけど、記憶と魂は間違い無く俺の兄だからね、二人とも。
それにコレが一番重要なんだけど揃いも揃って俺の性別をキッチリご存知。結婚歴はナイけど二人ともちゃんとノーマルだった筈、だし……?
いや大丈夫、兄貴は変態では無いと思って、ます。
だからそんな白い目でこっち見ないでお願い!!
作戦会議だって呼び出されたのに俺騙されたの?!
誰か助けて偉いヒトーーぉっ!?!
*****
えーと、ちょっと纏めてみようかね。
神殿で能力判定して趣味変わったって大騒ぎされて城から呼び出し受けて一方的に嫌味攻撃して馬鹿の量産を再認識させられて、神殿を権力とゼニの力で黙らせてついでに別方面で能力の実証実験やって秘密裏だけど感謝された。ゼニも余計に積んだが。
……コレってやらかしと言えるのかなぁ?
指折りで数えながら思い出してはみたが、どう考えてもやらかしとは思えない。せいぜい家の立場を利用して少々ゼニの力を誇示しただけだと思う。
それはそれでどうよ?とも言えなくは無いが。
首を傾げながら指折りしてたら変な目で見られた。
どうやらやらかしだと思って無いのは俺だけか。
「いえね、遣るなとは言わないわよ。実際に色々と助かった側面も有るのだし。でも短期間にされると周りが大変になるのよ、分かる?」
「僕は遣る事出来て嬉しいよぉ」
あー……うん、はい。(察し)
嫁ちゃんのやらかしから派生してた周囲のあのビミョーな表情はこれでしたかぁ……。
約1名、張り切り表情が居るけどむしろそのお陰でワリを喰ったヒトも結構居た模様なんですね。
遣った事そのものじゃなくて振り回す事そのものがやらかしに当たるのね、この場合は特に。
心の底から納得したわぁ……。
お母様の疲れた笑顔とお父様の満面の笑顔で察しました、色々。スミマセンでしたあッ!!
*****
大きな動きはそれだけ周囲に与える影響も大。
しかも緩やかにでは無く急速ならば尚の事。
秘密裏で、かつ狭い範囲だったからこそその巻き添えがほんの一角で済んだ事は否めない、と。
うん、猛反省させて頂きますね!!
ただし、今後に活きるかのお約束出来ませんが。




