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5話、夫婦関係について聞いてもイイですかね?

亭主関白より姉さん女房の方が夫婦関係は上手く行く、と思ってますが実際はどうなんでしょうか?


では……と改めて女顔イケメン父親がその手を翳すと、うやうやしい態度とも相まってかちょっとした芸術的作品の一枚絵画を思わせる光景が広がった。


「“再生”、ですか?」


「えぇ、我が家の特“異”魔術の一つ。でもってこの人の数少ない取り柄でもあるわ」


「酷ぉっ!!」


俺とだとただの説明なのに、夫婦の会話が漫才の掛け合いにしか思えないのは何故だろう?

起き抜けの頭でそんな事を思う。


逆再生で砕けた扉が元通りになって行く。

正に魔術。

質量としては大した大きさでは無いが、それでも普通に扱う分にはかなりの魔力が必要そうだが?


俺の疑問に冷静に辛辣に返事を返すギャップ満載な母親と妻の言葉に悲鳴をあげる父親。

……この感じ、嫌いじゃ有りません!お母様。

そして変な共通点を醸してますよねお父様。


「しかし、特“異”魔術、ですか」


「そうよ。貴女も簡単には勉強しているわよね?」


「確か……、その家特有の固有魔術が伝わる家系が幾つか有ってウチもその一つなんですよね?私は詳細はまだ教わってませんけど」


「そりゃ貴女はまだその年齢に達して無かったもの。むしろ当然だわ」


小動物外見姉御肌資質なお母様から説明を受ける。

その横で、僕が教えたかったのにぃ!と身悶える女々しい、何処か懐かしさすら憶えるお父様は取り敢えず無視。感慨に耽るのは後にしよう、うん。


*****


「丁度良いから説明しとくわね~」


「この子はまだ目が褪めたばかりで……」


「寝てても学べる事は山ほど有るわ。機会は巡って来るのを待つんじゃ無くて自ら動いてでも掴むモノ。少なくともわたくしはそう教わりました」


いやもぅなんつーか。

本当に心の底から好きになれそうです!一生着いて行っても構いません!!なお母様。

尻に敷かれて、それでも蕩けそうな顔をなさってる辺りお幸せなのでしょうが、せめて周囲の呆れ果てた視線にまずは気付けやオイ!!なお父様。


俺の実家もそうでしたから馴染み深いです。

その外見は別としても、母様はどっしりガッツリと尻に敷く肝っ玉母親で、父様はむしろそれを喜びとする犬、しかもペット気質。そのサラサラな髪から耳と、お尻の辺りにブンブン振られるフサフサな尻尾が見えてます。いえ、幻でしょうけど。


色々と思い当たる共通点がイヤ過ぎる……。


いぇこの際は有難いんですけどね。

何せ此方は誰一人馴染みの居ない異世界。

しかも10年は滞在予定なんですから。

ならばこの奇跡を大事にしますか。


*****


「貴女ももう直ぐ誕生月ですから神殿へと向かいます。この国では生まれた子供は8歳の誕生月に神へ試練を問うのです。これは貴族だけでなく平民にも課せられた義務ですから。ただ平民の中には生まれ月はおろか年齢も不明な者も居ますから厳密に、という訳では有りません。此処までで質問は?」


「特には有りません」


「宜しい」


何か母娘の会話じゃなくて先生と生徒か師匠と弟子の会話かね?と思った俺は悪くないかと。

しつこいかもだが嫌いじゃないよ。


「ちなみに予定は明日です」


「そらまたタイムリーっスね?!」


お母様が出したその情報にはさすがに驚愕。

俺は頭を打ってぶっ倒れたというに、そして目が覚めたから良かったものの、もし外出出来なかったらどうするつもりだったのだろうか?


「そんな軟弱な子に育てた覚えは有りません」


「女の子にナニ求めてるのさ君はーー?!」


そんな俺の素朴な疑問にきっぱりスッパリとそうお答え下さったお母様。

うん、嫌いじゃ有りません(以下略)。

そして背後でオロオロしながら嘆くお父様。

言ってる内容は常識的な筈なのに、何故か逆に説得力の欠片も無いのは普段の行いと行動のお陰かせいでしょうかね?お父様。


さて、どうしましょうか?


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