47話、理不尽には対抗してもイイですかね?
最近社交界の一部が騒がしい、らしい。
らしい、と言うのは俺の又聞きな為。
だって8歳じゃ世間一般への御披露目すらまだな年齢だから、せいぜいが派閥周囲の仲良し貴族の子供との交流に絞られるのが現状なのでアル。
いや、俺の場合は更にプラスαがあるかなぁ?
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……とゆーワケで、俺としては逃げ出したい。でもお母様による厳戒態勢の中、逃げるには手こずりそうな鉄壁包囲網を敷かれてのガーデンパーティ。
わざとら笑顔を張り付けて、前より格段にシンプルデザインにした、けれども布地と装飾は最高級仕様のドレスを優雅に着こなす俺。全く嬉かナイが女装生活にも程々には慣れて来ました。
全体が薄い色合いのお嬢様。
なのにかつて着ていたのが原色派手系一択!!
飾れば良い!とばかりのゴテゴテ装飾品とセットで全て殺処分致しましたわ、ほほほのほ~。
しかし噂とは怖いし侮れないモノです。
何処からかは未だ不明なんですが、その殺処分がいつの間にやら社交界で有名になっていたと知ったのはつい先日の事。公爵家令嬢の意外なる転身が最近の話題をかっさらっているそうです。でもね?
「こんなテンプレ要らん……」
「あら、何か仰いまして?」
「いーえ別に」
『我が家』で開かれているパーティ。
招待客は公爵家の重要関係者『のみ』。
で、俺はその主催者側『公爵家令嬢』。
…………で合ってる、よね?!
ついそう自問自答したくなるのには訳が有る。
大した訳では無いのだが、お花摘みに向かった先で少し歳上と思われる少女に絡まれたのだ。
ほらアレ、「調子に乗るな!」ってヤツね。
此処で疑問点が幾つか出て来る。
関係者各位で固められたこのパーティに不審人物は招待されては居ない筈だ。腐ろうとも公爵家だし。
ちなみにお子様方も少数ですがご招待してます。
未来のお嬢様のご学友と言う名の取り巻き用に。
俺としては心底要らないんだけどねぇ……。
その内の一人だと思われるのが今俺の目の前に居る気の強そうな派手派手しい格好の少女だ。まるで昔のお嬢様バリに派手で孔雀も真っ青に引っ込むな。
最高級仕様を身に付けたからといってそれが美しいかどうかはまた別、の生きた見本ですかねぇ。
それはヨシとしても、招かれた側が招いた側に喧嘩を売るって遣っても良い事なのかしらね?
その辺は後でちゃんと確認を取るとして、それにしても随分と馬鹿なご令嬢ですね、この子は。
一応、子供特有のキンキン声で偉そうに腰に手を宛てた姿勢でふんぞり返りながらの説明は聞きます。
ちゃんと俺を『お嬢様』だと認識した上で、それでも同じ公爵家だからアタクシが注意して差し上げるの!とまぁ鼻息荒く迫られました。
このパーティの実の部分は俺の『お見合い』。
先日、兄貴ズを楯とする仮の婚約者候補を発てる作戦は成功したんですが、お母様にはバレてまして彼女からも婚約者候補をきっちり推薦されました。
その顔合わせも兼ねてるんだよねー、今日は。
貴女こそが悪役令嬢!と褒め称えたくなる程のピッタリ容姿なパッ金ドリル孔雀公爵令嬢様。
外見以上に肉食な彼女が狙う優良物件な子息がその候補に居るのが気に喰わないとゆー理由。
…………馬鹿って王宮以外にも生息してたのねぇ。
同じだと繰り返し言われたが、この国の建国以来連綿と血を繋いで来た『筆頭公爵家』が我が家。
先々代に王妹が降嫁して陞爵された程度の家と同格扱いする貴族って他に居るのか?と思うけど。
あーまぁGと同じ位には生息してるかも?
「……聞いてますの?!いきなり可愛らしくイイコぶったってアタクシには貴女のそんな汚い策略はお見通しですわッ!!さっさと本性を露して元に戻ってアシュタル様を解放なさいな!!」
アシュタル様?あぁ三人目の候補君ね。
侯爵家の三男でやはり特“異”能力持ちの13歳。
銀の髪と瞳をした結構イケメンな少年だった。
侍女さんズの前情報では、今の成人年齢前年代の男子の中では一番の優良物件なのだそう。
言われずとも俺としてはそれこそ熨斗にリボン掛けてそのまま差し上げたいけどさぁ~。そーすっとお母様が怖いのよね、まだ顔すら合わせてないし。
そう、そもそもパーティは始まって間もない。
まだ進んでも無い時点で絡まれたのよ、俺は。
会場に家族一緒に登場して開始挨拶をし、数人と顔合わせしていた最中にちょっと脱け出して……。
そして後を着いて来たらしいこの令嬢に絡まれた。
自分の家の中でしかも会場から近い場所。
だから大丈夫と侍女も護衛も断ったのが裏目に出た感じ。お母様達にも後で謝らなきゃね。
「聞いてはいますよ。けれども宜しいのかしら?」
「な、……何がですのよ?!」
喚くパッ金孔雀の喚き声が途絶えた合間に、フゥと軽く息を吐いてから手持ちの扇を開いて口元を隠してから目を細めて少女を正面から見据える。
自分の価値観のみで暴走している愚か者。
矯正足らしめる必要性は十分有るよねぇコレ?




