表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/73

32話、貴族色々面倒臭ぇと叫んでイイですかね?


「あのぅ……神殿からお客様が……」


「神殿ってこの間わたくしが行った?」


「はい、なるべく速くお目に掛かりたいと」

「何かしら一体?」


「さあ?」


執事長から情報を得た翌日。

部屋でこれからの傾向と対策を練っていたら、侍女さんズの一人、伯爵家令嬢で俺付きとしては一番身分の高さで筆頭を任されてるシュリから来客が有ると告げられた。ただ心当たりは一切無い身なので一緒に首を捻る羽目になったが。


ちなみに執事長は10年ぶりに休んだらしい。

急な体調不良によるモノだそうだけど。

ナニが有ったんだろうね?心配だわぁ~。


「正式なお客様では無い様ですから略式へのお着替えで構わないかと存じますよ、お嬢様」


「前触れが来ない時点で正式じゃないのは分かるんだけどそれでも着替えが必要って……」


「口さが無く言う者もございますから」


「はぁい」


略式ってのはその通りな簡易ドレスの事。

夜会や茶会への出席には文字通り飾られたドレスと装飾品に髪結いまでセットになるが、屋敷内での来客ならば相手に合わせてとはなるが其処まで畏まった装いは必要無いので略式で済ませる。


だが着替えは必要、クソ面倒っ!!

今着ているのは本当の部屋着。それでも型は似ててもお値段は平民の10倍は軽く超す代物。ただの膝丈ワンピースだっつぅのにね。


さぁさぁ!と、今まで有った遠慮なぞ何処かへ置いて参りました的なシュリに促され、渋々と着替える為に別室へと向かう俺。他の侍女達は既に来客連絡を受けてその別室で待機しているそうな。


報・連・相が徹底している我が公爵家。

如何に素早く先を見通して主の為に行動出来るかも仕える者の一つの指針だそうで、それに見合った教育もそれなりに施されているらしい。

その割にはポンコツ具合もそれなりだけどなぁ?


別室、つまり衣装室へと向かう。

ここ最近超特急で仕上げて貰った為に、空っぽだった部屋も段々と埋まって来ている今日この頃。


その部屋で、それぞれに推すドレスを掲げて言い争う三人の自分付き侍女達を見ながら思う。

略式なんだしどれでも良いから早よしろや!?


*****


「お待たせ致しました」


「いぇ、突然の来訪にも関わらずお会いして戴き感謝に耐えません。有り難く存じます」


揉めたせいで一騒動の後、自身で選んだドレスで痛み分けとして着替えて早足で向かいはしたがそれなりには待たせたので謝罪を先にしておく。神官服の男性はそれすらも恐縮していたが。


特“異”能力家系専用の神殿。

8歳になったこの家系の者はこの神殿で祝福を受けて自分の能力を知る。特“異”能力は国の繁栄へと直結する為に王族とも繋がりは有るが、今の神殿は可能な限り最高権力者とは距離を置いている。


俺の能力の書き換えもその一つだった。

一瞬その件が頭を過りはしたが、それならば先にお父様かお母様へ話が行くだろう。だがこうして俺に来ている。けれど心当たりは皆無だし。


「此方をご覧下さい」


「……拝見しましょう」


そう言われて神官によって机に置かれた二つ折の白い紙をシュリ経由で受け取る。暗殺を防ぐ意味でも貴族は侍従や侍女を介して物を受け取る。これも有る有るなのだがやはりクソ面倒臭っ!!


そっと開くと一番上の文字のみ違っていた。

『“絶対無効化”を持つ者へ』とある。俺の事だ。

だが、その下に続く文章は俺以外には読めないだろう。実際に使者の神官も背後から覗き込んだシュリも揃って首を傾げているのだから。


「この紙を咥えてやって来たのですが、何処から来たのかすら不明なのです。水晶の置かれた部屋は普段は誰も居りませんし扉も閉められてますから入り込む余地など無い筈なのに……」


「ははは……」


…………うんまぁそうでしょうね。

俺としては乾いた笑いしか出て来ません。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ