25話、婿様候補は(永遠)延期でイイですかね?
俺の危惧した通り、色んな意味で遠慮の失くなったお母様からのオススメ具合が加速した。
マジで要らんのですがねぇ婿なんて……。
そう言えればいっそ楽なのだが、性別を隠したせいもあってそれも叶う筈も無い。それに身体が女性に替わってしまってるから説得力も薄いし。
ヤる事ヤらねば子供は出来ない。
精神は男100パーだけど身体は女性。
王家はもう婚約破棄明言したので放置で構わん。
第一王子だけならまだしも、ちゃんと正妃様に男女一人ずつ子供が居るので跡継ぎ問題もゼロ。
ただこの公爵家に関してだけはねー……。
どうしてもだった場合には系列の家系から養子を獲るが、やはり直系の娘が居るならそちらが優先。
つまりこの場合は俺の事なんですがね。
ちなみにお父様は先代の一粒種で兄弟居らず。
一番近くてお祖父様の兄弟筋だそうだ。
弟が二人、公爵家の持っていた別の侯爵位と伯爵位をそれぞれ分け与えられて一家を成した。
お嬢様からすると又従兄弟に当たる男子が何人かは居るから最悪彼らが養子候補になるかね。
ちなみに血が近いからと婿候補からは外れてる。
そして此処で再浮上した婿候補選び。
もういっそ最大の秘密を明かして養子候補に狙いを絞って下せぇ!と頭下げてやろうかしら……。
*****
「何か反応が鈍いのよ」
「お父様のお察し能力と比べては?」
「そうね、同じくらいかしら」
「ならば結構異常事態ですよね。……ところで何の反応なのか今更ながらお伺いしても?」
そこまで来てお母様が見事なコケを披露した。
ちょっとお行儀悪めに溜め息と一緒に片肘をテーブルについていたのだが、乗せてた顎が掌からズルっと落ちるコントばりの見事な動きでしたから。
分かったかの様に聞いた娘が実は何も知りませんでした!に対するモノか、お父様を引き合いに出した部分に対するモノなのかは知らんけど。
ノリも中々のモノですわよね、お母様。
「中々ヤるわね……アルも……」
「お褒めに与り光栄ですわ。で反応とは?」
「貴女も見たお婿さん候補の家の反応がよ。ついこの間までは喜んで尻尾を振ってお預け待てずな感じだった癖に顔合わせにビビってる風で」
婿候補は厳選された分、身分もそれなりの家。
それを躾の出来てない犬に例えるお母様素敵。
俺は今は愛称で呼ばれています。
本名は絶対秘密。最悪バレるだろうし。
アルファリーファメル、それがお嬢様の本名。
ちなみに俺はアルマリック、まぁ近いねー。
だから同じ頭の『アル』と呼べば違和感無いのだからとお母様に説得されて呼ばれる事と相成りました。前はリーファと呼んでたそうだけど。
8歳はこの世界で大人として認められる15歳の成人年齢の折り返し地点として扱われる年齢。
呼び方を変えても違和感の無い時期だそうで。
……以上がお母様によるプレゼン主張でした。
*****
「原因は何だと思われますか?」
「今までの過去の事例を考えると利が大きい案件なだけに躊躇う理由の方が不思議な位よ」
「王家の関与は有りかと思われます?」
「出来る程器用とも思えないんだけど馬鹿は馬鹿なりに鼻が効く事も有るからねぇ」
婿サマ候補一同、どうせならこのまま纏めてフェードアウトされても俺は一向に構わないんだけど、それでも不審な動きをされれば気になるのが人の常。
お父様は交ざってもウザいだけなので母娘の語らいとなっております。だってマジでウザいから。
まだ早い!婿要らない!って主張一直線。
後半は全面賛成ですが、ウザいのは我慢出来ないので入室不可と致しました。母娘の満場一致で。
今は俺らの居る部屋の扉の前を往復中らしい。
いっそ首に『迷いクマ』の名札ぶら下げさせようかしら?どういたします、お母様?




