20話、コレ不戦勝扱いにしてもイイですかね?
「あら……前と感じが違うわねぇ?」
「そういえば、そうか?」
「まぁ、どのようにでしょうか?」
訝しげに此方を見た勘違い女に笑顔で返す。ついでに釣られた婚約者にも纏めて返事をしておいた。
女の勘で悟った、などと思う勘違いする気は無い。
むしろ変化を見逃す方が不思議だと思うし。
あんなゴテゴテひらひらのお笑い芸人すら躊躇いそうな衣装を身に着け、王子や寵妃にすら必死に媚びる事しか考えずな態度を貫いていたお嬢様。
端から見てても愚かしいの一言に尽きたその行動。
今は一転して冷静に立ってるだけだもの。
気付かないのはそれこそ本物の愚か者だろうに。
そしてそんな俺を訝しげに見るのは婚約者もまた同じ。仕草はそっくりですねさすが親子だわ。
「だって、お前、その格好……」
「まぁ殿下、わたくしもう8歳ですのよ?いつまでも子供では居られませんわよ」
婚約者が黒歴史を掘り返そうとするので釘を刺す。
内心ではムカムカ、だが表向きではコロコロと笑いながら。ついでに呼び出した理由も思い起こさせとこうか。無駄かも知れんが念のため。
そう、呼び出したのは能力に関する事の筈。
先日神殿で授かって報告された俺の能力の件。
それが本来の目的だろうし趣旨だよね?!
と思いそう返したのだが婚約者と一匹は頭に?マークが大量に浮かんでる。唯一陛下だけはハッとした顔をしてたけどもしかして忘れてましたか?
って……マジかよぉ……。
*****
場所やらマウント取りたいのは勝手だけどさぁ。
目的までもすり替えて忘れ去るなやオイ!?
オマケに思い出したのも一人だけて。
敵認定取り止めても宜しいでしょうかね?
馬鹿相手にしても虚しいだけだよ、ホントに。
「わたくしがこの場に居るのは数日前に趣味が変わった事に対する詰問からなのでしょうか?」
「そんな訳は無かろう!?」
「ですが咎められましたもの実際には。8歳は成人への折り返しとしての重大な歳だと“公爵家の者として”認識すればこその行動でしたのに……」
「それは……っ!?」
ココで皮肉れば言葉を詰まらせる陛下。
あ、扇子も作れば良かったかな?と思う俺。
未だに愚か者親子は首を傾げてるよ、全く。
もうどうでもイイので陛下との会話を続けよう。
「えぇまぁそうですよね。殿下はまだ訪問なさってませんし目覚めても居りませんもの。もう間もなくだとは存じますけれどその為にも是非とも陛下からもご助言なされては如何でしょうか?」
訳(神殿で能力発性させても母親は能力ナシ役立たず家系だから助言のしようはナイのでは?) 。
「そう、この子はこれからなのだ!!」
あーダメだこれ……、分かっとらんわ。
皮肉すら一方通行になってしまう虚しさよ。
横からのお父様からの戸惑い視線も熱すぎる。
カオスになって来ましたね、この場が。
尚、口を挟みたそうに此方を見て来た冷徹宰相と駄犬が入り雑じったかの様な今のお父様。
俺が待てと視線を向けた結果、駄犬に軍配が挙がった様ですっかり大人しくなりましたよ。
悟り能力は王子よりは上なんですねお父様。
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ところで。
これから宣言を父親から受けた婚約者ですが。
未だにその横で母親と顔を合わせて呆けてますけど放っといてイイんですかね?他人事みたいですが。
俺らとの会話に入る事すら出来ない理解力ゼロっぷりには呆れる他ございませんわねぇ。
コレ神殿行ってもナニかしら授かれるの?
特“異”能力要らないから世間一般常識とマトモな思考回路下さい!って祈ったら?と思うわ。
あぁ、父親は祈りたそうですね、表情的に。
手遅れ感だけは既に感じてますけど、俺としては。
そもそも喧嘩ってさぁ。
売るにも買うにも相手が人間じゃなきゃ成り立たないモンなんだね、勉強になりました。




