13話、不本意さの山を嘆いてもイイですかね?
「あら、可愛い方面は止めたの?」
「似合ってたのにぃ~……」
「でもこっちの方が良いわね」
「うん、妖精が女神になった!!」
的確な感想有り難うございます、お母様。
的外れな感想はお止め下さいな、お父様。
毎度お馴染みな脳内ツッコミ入りま~す。
ホントにもう毎度と言える頻度で発生中。イイんですけどね別に、慣れましたから。
カネと身分と権力の力は強いよ、ホント。
行使すれば2日で最高級オーダーメイド仕様のドレスが出来上がるんだもの。やはり2日という短期納期でかなり無理はさせたみたいだけどそれに見合う結果にはなっているのはさすがだと思います。
お陰様で不気味な思いもしてるけどさ。
全力疾走連続貫徹上等!と言わんばかりのテンションの高さに、顔色の悪さに目の下の隈が一段と目立つ集団に囲まれてのサイズ最終調整中。
細かい所はその場で合わせて調整する為に1日早く仕上げて持って来るんだと、プロだねぇ。
腕を上げ下げして肩からキツく無いかを聞かれたり、腰周りは胸元は?と聞かれたりしたけどその辺りはほぼピッタリだし動きも阻害せず。
たださぁ……。
肩や腕ならまだしも胸やら腰やらにまで聞き及ぶ必要あんのか?ストーンなお子様体型な俺に。
8歳なんだよ?!何で聞くのさ……?
ガックリと首を下げたら叱れました。
へいへい、お人形さんに徹しますよ。
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ふんわりと広がるプリンセスラインはそのままに、けれどもこの際だからと完全に原色はヤメてパステルカラーに移行させて頂きました。リボンは腰周り調整用に後ろで結ぶ形一つ。オーガンジーな素材で大きめに軽く結ぶスタイルだからチョイ大人向き。
肩周りも同じ素材で囲ってある。
甘めだけど大人っぽくついでに華やかさと軽さを強調させました。今までとは逆に。
今までのはなんつぅの、派手?
ピンク以外にも有ったが、全部が全部自己主張著しい原色オンリー。赤や黄はもちろん青も緑もそのままただ使う分には重いよねぇ。
そこにトドメとなるのが小さなリボンの大群。
暇潰しに幾つ有るのか数える趣味でも有ったのかしらね彼女?大小サイズでかなりの数。
共布やらレースやら宝石付きやら多種多様だが。
素材に最高級を使おうと、既にそれ以前の問題だろう!と突っ込みたくなりましたよ。
不本意ながら親族の趣味で服飾には俺自身もそれなりに詳しい。それが今凄ぇ役に立ってんだから皮肉にも程がございますけれども。
金髪金瞳って重い色は合わんのよ!!
しかもかなりの薄々なんだからさ!!
衣装部屋からしてお洒落には気遣ってたみたいだが思いっきり残念コース爆走してたわこの子。
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不本意なのは服飾に関してだけでは無い。
公爵令嬢としての言葉遣いからマナーから、指先一つとっても上品な仕草を求められて当たり前な今の俺。でも心配ご無用なんだよね実に。
だって自慢じゃ無いがお人形さんは得意だった。
親族の趣味たる服飾には着せ替えも含まれた。
俺の奥さんが娘だったから彼女は勿論、お察しの通りに俺も強制参加させられてました。
双子コーデが一番多かったかなぁ……。
奥さんとお揃いなら嬉しかろ~って?
スカートじゃなきゃね……うんそうかもね……。
♂の俺がだよ!子供とはいえ好きな女の子の隣でスカート穿いて並ぶって屈辱だかんねっ!?
逃亡を試みた事もありましたさ勿論。
でも何故だか逃げられなかった日々がいっそ懐かしいわぁー。アレは数時間我慢すれば終わるけど今じゃ毎日だからもぅ滅入るわぁー……。
で、その本題なのだが。
ついでにと鬼教官にマナーを仕込まれた俺。
うん、ちゃんと『女性として』なヤツです。
なので直ぐに太鼓判戴いてさっさと退場しました。
明日に備えてと、不貞腐れに便乗してふかふかベッドに潜り込む為にですよハイ。




