11話、呪いのお手紙こそは御焚き上げでイイですかね?
明くる日。
目は覚めても現実は変わらず、フカフカで寝心地以外に取り柄の無い悪趣味全開なベッドの上。
早急に取り替えさせようと先ず心に誓う朝。
ただのお嬢様ならばそのまま起こしに来るのを待つべきだろうが、あいにくと普通では無いので身支度すら自分ですべく衣装部屋へと直行。
自宅でドレスは必要無かろう!と、内心だが自分だった少女へと突っ込んでおく。ついでに悪趣味もなんとかせぇ!とのお断りも添えて。
全部総入れ替え!と新たな決意。
もちろん服もアクセも小物も全部だ。
売り飛ばせば資産も増えるし。
(まぁ公爵家からみれば微々たる金額だろうが)。
何ならもう部屋ごと改築頼もうかしら?
壁ピンク、家具ピンク、カーテンピンク……。
ピンクは可愛いけど全部ソレはアカン奴!!
クドくて胃凭れならぬ目凭れが酷いから!!
まともな服が1着も無かった結果。
結局侍女が来るまで寝間着でウロウロ出来ずに机に向かって計画書を作る事と相成りました。
まともにするなら先ず意見は大事ですからね。
けど結局、一言で済んだのは蛇足です。
部屋の改装に衣装部屋の一新。
家具や小物の入れ替えも全部、こうして欲しいとお願いした瞬間に間髪置かずに了承されました。速すぎてむしろ怖かった……。
まぁ計画書は持って行って貰いました。
だってその通りにして貰わねばこっちが困りますからね。特に部屋と家具と小物は。
*****
いつもとは違い部屋で朝食を食べた弊害か。
自分が砕いて後に直したその扉を恐る恐ると開けて、そっと顔を覗かせていたお父様に気付いたのは俺じゃ無くて例の侍女だった。
何時から待機してたんですかね?お父様。
「お嬢様、アレを……」
「見なかった事にしましょう」
「賛成です」
「酷っ!?」
視線を向けて確認しそう返事を返せば、見事なまでのボケ反応を示してくれる侍女。お母様とは別な理由で好きになれそうな人物である。
朝一番の騒動の後。
小柄なお母様の部屋用ドレスを拝借し、朝食を食べている間に腕自慢のメイドに超特急で縫い直して貰った。じゃなきゃ今日1日寝間着で過ごす羽目になるから。俺は別に良いのだが。
なるべくシンプルかつ直せる範囲を狭められるデザインを選んで辛うじてサイズを併せた結果、家の中ならまぁ佳かろうとお母様からOKを貰え。
そうして寛いでた真っ最中のお父様の来訪だ。
そんな主従の遣り取りをする俺らの傍ら、扉に凭れて泣くお父様はさながら乙女座りで。
気持ち悪いからいっそ道に棄てて来るよう頼むべきだったか?と一瞬迷った。
ちなみに頼めばヤッてくれそうな気がする。
*****
呪いの手紙を戴きました。
もう棄てて来て貰いましょうか、この駄犬。
上質だとその手触り一発で分かる、精巧な飾り細工の透かし紋様まで入った封筒。裏を返せば見覚えのある仰々しい王家家紋の施された封蝋。
……呪いなお手紙豪華バージョン!!
ヤギって居るのかな?この世界。
先ず考えたのはこの1点。
さすがに燃やすのは無理あるけど、ヤギが間違えて食べちゃいました!ならワンチャン……。
「ゴメンね……、さすがに僕でも陛下直々の勅命だと断れないんだよね……」
取り敢えず、それでも受け取りを一度は拒否したとの言葉に棄て駄犬は一時保留と致してやりましょう。頼みを通り越して勅命だもん。
にしても、だ。
息子の婚約者とはいえたかだか公爵令嬢に手紙を送るのに勅命使うなやオイ!である。
宰相といい国王といい、この国ホントに大丈夫なのかしら?と改めて疑問が浮かぶ。
自分の耳と目で確かめた方が良さそう。
10年限定でも今後暫くは暮らす国なのだ。
決して気晴らししたくて脱け出す口実ではナイ。
無いったらナイのだ、あしからず!!




