10話、全員却下!でもイイですかね?
血筋は大事よ、うん大事。
この世界では能力継承に絡むのだからそれもまぁ差っ引いて理解はしてやろう、うん。
けど子を成せってぇのはまた別の話だ。
しかも『婚約者以外で』だからなっ?!
お母様曰く、あの山でも厳選したそう。
厳選する前は一部屋埋まる勢いで、この国の貴族の殆どの家から送り付けられたらしい。
なんでもこんな機会は滅多に無いそうだから。
高位貴族の一人娘が婿を採るのはまあ定番。
けれどもお相手もまた限られるし、大抵は産まれて性別が分かった瞬間にそのまま決まる仕組み。
男女それぞれで候補を定めとくって言うんだからもう妄執に近い仕組みだよねぇ……。
つまりは最初から潜り込む余地なんて全く無い。
だけど今回は異なる稀少条件が出た。
そう、『婚約者が王族だった』という点。
婿候補を改めて選抜する場が生まれたのだ。
公爵家の婿になり、自分の血を継いだ子供がその跡継ぎ。ある意味で貴族の長男次男以外に生まれた男子の一番の夢はそれらしい。
確かにね。
長男が跡継ぎ、次男はせいぜいスペア。
ならばそれ以降の子供は自分の力で身分を得なければならない訳だ。尚女子は別。
世知辛あ~。
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話を戻そう。
で、送り付けられた中から最初に先ずは下位貴族を省く。簡単明快、これが第一審査。
ちなみに特“異”家系に下位貴族は居ないそう。
時たま能力者が発現するらしいがそれも稀。
厳しい身分制度の世界で最高位に等しい公爵家。
現実、教育に掛ける金も他とは桁違いだし、普段から接する物の価値すら異なるからね。
価値観の違いは悲劇に繋がるから却下!だと。
そこは愛の力で~と仰る方々も居るそうだが。
それこそ現実見ろや!で終わらせて貰おう。
永遠など無いとは言わんが殆ど無いに等しい。
見つけられれば幸運総てを遣い切ったと断言しても良い程に、だ。俺は得れたけどさぁ。
でお次が第二審査、これも簡単。
特“異”家系以外を省く。ね?簡単。
この時点で残ったいるのは伯爵以上の家。
それでも伯爵家だけで軽く50は有るから量もそれなり……ってぇのは滅入るよね。
簡単にいかない最終審査は項目別。
その家を継ぐ立場では無いかに始まり、健康か?性格は?周囲の評判は?家庭教師の評価は?などとまぁこれが多岐に亘る。調べるだけでも一苦労。
それが神殿訪問の当日には揃ってたって事はだ。
お母様が前以て準備して調えていたのだろう。
お父様?
役に立つと思う?あの人が。
ちなみにお父様は意外だろうが国の要職。
しかも宰相の地位に在る。
大丈夫なのかこの国?!と思わなくはないか無いが、お父様が可笑しくなるのはお母様と娘が絡む時だけだそうで、それ以外ならば冷徹酷薄な宰相と評判だし世間評価も高いんだと。ホントかね?
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さて、最終審査で絞られた候補者は12名。
なるべくお年頃をと厳選したそうだけど、今の時点で20歳過ぎはマズくね?だって俺8歳よ!?
10年待つ必要有るし……イイの?!
……イイんですかそうですか。
彼方サマの都合を省みればむしろ有難い、と。
最終審査に残っただけでも箔が着くそうな。
旨く行けば話を聞き付けたハイエナ貴族が油揚げヨロしくかっ拐ってくれるそうで。
纏めて熨し付けて押し付けたいわぁ!!
いや俺としては宜しくございませんとも。
減らせるなら減らしたいし要らないし。
奥さんじゃない時点で先ず却下!男な時点での却下よりもそちらが大事!これ一番重要!!
唯一の救いは直ぐに決めなくて良い事か。
何せ8歳、まだまだ先は長い。
ただしある程度は絞っとけとは釘刺された。
はいはい、ハイエナ達への撒き餌の為ね。
本命に3人、予備に2人。
……ってかさ!一つ言わせろ!!
本命が複人数な点で既に可笑しくね?!?




