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自分
第二部。
自分ってなんだっけ。
わかんない。
昔はわかってたはずなのに、本当の自分がわからなくなった。
友人の前でも、先生の前でも、家族の前でも、自分の前でも、「自分」を演じ続けている。
嘘で塗り固めた「自分」という役をいくつも持ってて、嘘に埋もれた本当の自分がわからない。
自分を守る為に、相手に対して嘘を平気でつく。
自分に対しても。
なんだか、もう。
疲れてしまった。
あの日、君も同じ気持ちだったのかな。
誰にも届くはずの無い問いは、身長170cmの自分の体内で反響する。
自分は、いつか死んでしまうんだ。
じゃあ、いつ死んだって結果は変わらない。
死ぬな、なんて無責任に言って、自分が感じる責任を負わなくて済むようにしてるだけじゃないか。
嫌いだ。
みんな、嫌いだ。
大義名分の正義も、
自己否定な謙虚も、
自己満足な優しさも、
見栄っ張りの勇気も、
非生産的な悲しみも、
その全てが、
嫌いだ。
顔を空に向けた。
見上げた空は、青かった。
空は、どこまでも、憎いほどに、青かった。
いったい、君は・・・僕は、どこにいるのだろうか?