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エーテル・グレイス  作者: クロビー
序章 アルストラ王国編
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攻略組メンバーの募集

 翌日、朝起きると外がいつもより騒がしいことに気がついた。

 それは決して住民の不満などそういうものではない。

 一階へと降りると、すでに冒険者は食事を終えて宿を出ていった人もいる。

 俺とエナは宿内で食事を終えて、外へと出た。


 人の流れは街の中央にある広場へと向かっているようで、そのほとんどが冒険者だ。

 もしかしたら、俺達が報告したことによって何か進展があったのかもしれない。


「俺達も行こう」

「うむ」


 この宿は街の中でも端に位置していて、中央の広場からも遠い。急いで行ったほうがいいだろう。


 俺達は他の冒険者と混ざって広場に着くと、そこには冒険者が集まって列となっていた。

 隙間からなんとか先頭を覗くと、団長のオルゲルさんとクラナッハさんが立っていた。


 何か話しているようだが、周りが騒がしくて上手く聞き取れない。僅かに聞こえた話から推測するに、洞窟の攻略をするらしい。


 誰か話を聞けそうな人物がいないか探すため、人混みを掻き分けていくと、ジオルクがいた。


「よお、ジオルク」

「ん? お前らも来てたか」


 互いに挨拶を交わす。

 エナは眠たいのか、小さく欠伸をした。


「まだに来たばかりで状況がよくわからないんだ」

「あぁそうか、お前らの泊まった宿ここから遠かったな」


 俺の言葉にジオルクは納得する。

 昨日の宿探しはジオルクにも協力してもらったからな。


「そういうことだ。お前なら知ってるだろ?」

「おう。どうやら、昼から今回の事件と関係のあるかもしれない怪しい場所の攻略をするらしい。それに協力してくれる冒険者を朝から募ってるんだ」

「へぇ……。ジオルクは行かないのか?」


 こういうことには積極的に参加しそうだが。


「今は人が多いから行かねぇ。人が少なくなる昼前に行くつもりだ」

「そういうことか。なら俺達もジオルクと一緒に行っていいか?」

「いいぜ」


 それにしてもあの洞窟を攻略するのか。俺らが報告したのは昨日だし、物凄く急だ。

 住民の不満が溜まっていってるから、わからないこともないが……。

 まあ、これ以上何度も街を襲撃されれば、補給が間に合わなくなる危険性もあるから仕方ないのかもしれない。


 その後、昼前まで適当に過ごし、再び三人で広場へとやってきた。

 ジオルクの予想通り、朝より冒険者の人数は減っており、冒険者が作っていた列もスムーズに進んでいた。


 俺達は最後尾に並び、時間が経つと俺達の番が来ていた。後ろにもう冒険者はいない。俺達が最後のようだ。


「最後は……って君達か」

「クラナッハさん、こんにちは」

「あぁ、こんにちは」


 一応挨拶をしておく。

 相変わらずオルゲルさんのおっかない雰囲気が、クラナッハさんのほんわかな雰囲気で打ち消されている。


「まだ攻略組のメンバーって空いてますか?」

「空いてるよ。というより、君とその子は元々声を掛けるつもりだったよ」


 洞窟のことを知っているから……みたいな理由だろう。

 俺とエナは参加できるとして、問題はジオルクだな。

 洞窟を見たわけでもないし、魔術も使えない完全に前衛だからな……。


「俺の参加できる枠はあるのか?」

「うーん……魔術は使えるのか?」

「使えないな」

「そうか……」


 クラナッハさんは手に持っている資料とにらめっこしながら、頭を抱える。

 俺がお願いすれば入れてもらえるだろうか?


「確かに魔術は使えないですけど、こいつ腕はいいんで入れてもらえないでしょうか?」

「……ちゃんと指示には従ってくれるか?」


 クラナッハさんはジオルクにそう言った。


「そういうのは大丈夫だ。勝手なことをしなければいいんだろ?」


 ジオルクは自信ありげに答える。

 会話を聞いていたオルゲルさんにクラナッハさんが判断を求めるように見ると、オルゲルさんは小さく頷いた。


「合格だ。作戦開始まであと三時間ほどだから、一時間前には準備を済ましておいてくれ」

「わかりました」


 なんとか三人とも合格を得た俺達は、その場を後にした。


「ジオルクって騎士団の指示に従うのは平気なのか?」

「そりゃあ無茶振りをされたらキレるが、シェリアに比べたらどうってことねぇよ」


 この様子だと、何度かこういったことには参加しているみたいだ。

 それより気になるのは、シェリアさんの名前が出てきたことだ。

 それを俺より先に、エナが口に出す。


「何故シェリアと比べておるのだ?」

「あいつは見ての通り戦闘能力は低いんだが、状況把握能力が高くてな。過去に一度月猫団何人かで遠征に行ったことがあるんだ。そんときはあいつの判断のお陰で全員無事に戻って来れたんだ。あいつがいなきゃ、今頃俺はこの世にいなかったかもな」

「そんなことがあったのか」


 伊達にギルマスをやってないってことか。

 亜人は人族より身体能力が基本的に高いから、戦闘能力が高い人が多い。

 けどシェリアさんみたいに、頭を使うような亜人も少なからずいるってことか。

 入ったときから不思議に思っていたが、どうりでシェリアさんがギルド内のヒエラルキーの頂点にいる訳だ。


「けどあいつ、偶に無茶振りしてくるから恐ろしいんだよなぁ……。あ、このこと本人には言わないでくれよ。絞められるから」

「お、おう」


 シェリアさんのことだから何となく察していそうだけどなぁ。

 まあ、察するのと本人の口から聞くのは違うからな。黙っておくのがいいだろう。

毎日投稿は一旦ここで終わりとさせていただきます。書き溜めが尽きたので。

次話以降は、私が投稿しているもう一つの作品【後悔とともに俺達は青春を紡ぐ】同様、週ニ話更新とさせていただきます。(守れる保証はないですが)

今週は更新しないかもしれないし、するかもしれません。


〜ここから下は読まなくても大丈夫です〜




本当はキリのいいところで毎日投稿を終了したかったのですが、作者の怠慢により、キリの悪いところで毎日投稿が終わりとなってしまいました。

この作品を読んでくださった読者の方々には、非常に申し訳なく思います。本当にごめんなさい。

私がこの作品を書き続けられるのは、読者様の存在があってこそです。

まだ先の見えない作品ですが、これからもどうか温かい目で見守ってくださると幸いです。

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