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エーテル・グレイス  作者: クロビー
序章 アルストラ王国編
24/72

川崎透の過去

 ある日、一つの家族が旅行から帰っていた。

 その家族は父と母、そして男の子が一人いるありふれた家族だった。


 父は家族のために朝から晩まで働き、平日はよく家族を何処かに連れて行ってくれた。


 母は家で家事をこなし、家族が家に帰ってくれば『お帰りなさい』と優しく迎えてくれた。


 少年は元気一杯の小学生で学校から帰ってくるとすぐに友達と遊びに公園へ行き、日が落ちる前には家に帰ってくる。


 そんな円満な家族に悲劇が起きたのはまさに旅行から帰ってきているときだった。

 家にもうすぐで着くところまで来た瞬間、突然世界が逆転したのだ


 車内からでも物凄い音が聞こえ、一体何が起こったのか分からない。

 車が止まったかと思うと目の前には血だらけになった両親の背中があり、自分の体からも血がダラダラと流れている。


 車の中は人が入れる隙間などないくらいに潰れており、まるでトラックにでも潰されたかのようだった。


 まだ子供だった少年は泣き叫びたい気持ちで一杯だったが声が出ない。いや、正確には声を出そうとすると腹に激痛が走り、声が出せないのだ。


 外には救急車のサイレン音が鳴り響き、夜の街でその赤い光は異彩を放っていた。

 救急隊員が駆けつけた頃には少年の意識は途絶えていた。


 次に少年が目を覚ましたのは病院のベッドの上だった。

 近くにいた看護師は少年が目を覚ましたことに驚いて、慌てて部屋を出ていった。


 少年は体のあちこちが管で繋がれており、身動きが取れず、その様子は事故の酷さを物語っていた。


 だがその後の検査の結果、身体のどこにも異常は無く、すぐに退院できるとのことだった。


「お父さんとお母さんは何処?」


 少年は両親について医師に尋ねたが、ただ表情が暗くなるだけで返事は無かった。


 少年が目を覚ました翌日に警察の人が来て、少年が事故に巻き込まれたこと。そしてその事故によって両親が亡くなったことを告げられた。


 このころから、少年はまるで生きる意味を失ったかのように笑顔は消えてしまった。

 親戚が来ても、学校の友達が来ても、少年の表情は変わらない。


 以前のような面影は無く、まるで別人のようだ。

 親戚や学校の友達もいつの間にか見舞いには来なくなり、孤独な生活を淡々と送っていた。


 両親の葬式が開かれたときも少年の表情は変わらない。

 気が付けば親戚や知人の間で誰が少年を引き取るかという話を始めたがそれは他人への押し付け合いとなっていた。


 次第に険悪なムードになっていき、終いには少年や少年の両親へと怒りの矛先が向いていった。


「あの子暗すぎるのよ。あんな子を引き取ったら家族まで暗くなりそうで嫌よ」

「大体あんな風に育ったのは両親のせいだろ? なんで俺達が引き取らないといけないんだよ」

「いっそのこと施設にでも預けとくか?」


 大人達は口々にそう言い、それを目の当たりにした少年は誰にも引き取られたくないと思った。

 両親のことを悪く言う人なんて。こんなに汚い大人達のところなんて行きたくない。


 結局、少年は誰にも引き取られることは無く、孤児院に預けられた。


 孤児院の皆も最初は優しく接してくれたが少年の愛想の無さ故か、ここでも孤独となってしまった。


 犯罪を犯すようなことは無かったが、少年はいつしか人への当たりが強くなっていった。

 孤児院の皆はいつしか少年を恐怖の対象として見るようになり、余計に近寄らなくなってしまった。


 里親を探し孤児院を出ていく者もいたが、少年だけはずっと里親が見つからず残っていた。

 孤児院の人達もいつしか里親を探すことを諦めていたが、ある日そんな少年を引き取りたいという男が現れた。


 その男は二十代くらいの若い人で、背は高く、モテそうだ。証拠に孤児院の女性従業員がジロジロと男を見ている。


 その男は周りの視線には目もくれず、威嚇するように睨む少年に微笑みながら近づいた。


「お前が朱鷺坂透か?」


 男が話しかけると少年は少し警戒心を強め、返事をした。


「そうだけど…。なんだよおっさん」

「俺はまだ二十五だぞ。おっさん言うな」


 男は『おっさん』と言われたのが気に入らなかったのか訂正させようとしたが、少年は聞く耳を持たない。


「十分おっさんだろ」

「口悪いなー。そんなだと友達なんて出来ないだろー」

「友達なんて要らねぇ」


 少年は吐き捨てるように言った。

 事故の前は友達もたくさん居て、元気に遊んでいた子供とは思えない言葉だ。


「俺はお前を引き取りに来たんだ。もう少し言葉遣いを改めて欲しいなー」

「は? 俺を引き取りに?」

「聞いてないのか? ちゃんと事前に伝えてたはずだけどな……」


 男はこの施設で働いている職員へと目をやる。すると職員は、男に対して申し訳なさそうに頭を下げる。

 それだけで男は状況を理解したのか、深々とため息をついた。


「すまん。お前にとっては突然のことで困惑してるだろ。嫌ならまた後日ここに来るが――」

「勝手にしろ」

「……そうか」


 少年はまるで他人事のように言い放ち、男の後をついて行った。

 そして少年、朱鷺坂透は川崎恭介に引き取れたことにより、川崎透となった。

 孤児院からは車で移動し、男の家に着く。そこは綺麗なマンションの一部屋で、二人で暮らすには十分な広さが確保されている。


「お前の家は今日からここだ」

「俺を引き取って一体何がしたいんだ」

「特に目的は無いな。俺がそうしたいからしただけだ」

「なんだよそれ」


 少年は男をまだ警戒している。

 俺に優しくしてくれる大人なんていない。と少年はそう思い続けている。


 そして川崎透と川崎恭介の、二人の生活が始まった。とは言え、実質家があるだけで透は一人でいることが多かった。


 男は仕事が忙しいのか朝から深夜まで家に帰って来ずに、酷いときは二日帰ってこないこともあった。

 たまに夕方くらいに早く帰ってきたかと思えば、夜中に急に仕事に行くと言い出して朝に帰って来ることもある。


 飯は近所のコンビニで好きなの買ってこいと金を渡されたり、家にあったインスタント食品や冷凍食品を食べていた。


 男はそれだけだと不健康だと言って、たまに飯を作ってくれたりしたが、料理はあまりしたことがないのか、よく焦がしていたりしていたり、塩と砂糖を間違えたり、味がほとんどしなかったりした。


 透を引き取って一ヶ月が経つと、学校に行くことになった。

 家からは前の学校が一番近かったが、透が拒否したので二番目に近い学校に行くことになった。


 学校では独りぼっちという点を除いて特に問題は無く、教師からも大人しくて良い子という評価を貰っていた。

 どういう意味での『良い子』かは分からなかったが。


 そんな生活を続けて半年が過ぎようとした。

 いつも通り学校が終わり、家に帰ってくると金髪ロングの少女が家の中にいた。


 透は一瞬泥棒かと思ったが、奥からひょっこりと男が現れたことによってその不安は掻き消された。


「帰ってきたか。あれが玲奈のお兄ちゃんだぞー」

「佐々木……じゃなかった……。川崎玲奈です……」


 透は突然のことで頭が混乱しており、すぐに

反応が出来ない。どうしようか困っていると男に『自己紹介しろ』と言われた。


「透だ」

「玲奈には説明してたがお前には説明してなかったな。今日からお前の義妹になる玲奈ちゃんだ。仲良くしろよ?」


 どうやら透と同じように男が引き取って子らしい。年齢は十歳で透の一つ下だ。


「なんで俺には説明しなかったんだよ」

「だって子供を引き取って来る。なんて言ったらお前警戒するだろ?」


 その言葉に透は反論ができなかった。男に引き取られてから時間は経ったが、それでもどこか人との距離を空けてしまっているからだ。


「玲奈ちゃんもお前と同じ学校に通うから。学校でも家でも面倒を見てやってくれ」

「は? いきなり何なんだよ。親父が引き取ったんなら親父が責任持てよ」

「俺は仕事あるしそういうわけにもいかない。お兄ちゃんなんだから、しっかりしろってことだ」


 透は以前よりは明るくなっており、恭介との仲も特別悪いというわけではなくなっていた。

 透は男を『親父』と呼ぶようになり、一応は信用していた。


「自分のことは…自分でしますから…、どうか気を遣わないでください…」


 玲奈は表情が暗く、声も小さい。


「玲奈ちゃんが気を遣う必要はないんだよ〜。困ったときはお兄ちゃんを頼るといい」

「ちょっ、勝手に決めんなよ!」

「俺はこれから仕事だから二人とも良い子にしてろよ〜」


 恭介はそう言うと家を出た。

 残された透と玲奈はお互いを見て気不味そうに言葉を交わす。


「俺は宿題やるからお前は適当にしとけ」

「あの……、はい……」


 そして夕食の時間が来ると透は家にあるものを適当に食べようかと思い、キッチンの戸棚に行こうとしたらテーブルに白米と黒く焦げた魚を置く玲奈の姿があった。


「お前が作ったのか?」


 透が玲奈に聞くとコクリと頷いた。


 透はいつもの場所に座って玲奈の作った料理を口に運んだ。


「不味い……」


 米は水が多かったのか少しべちゃべちゃしており、魚はほとんど炭の味しかしない。

 透は今まで食べたことのないあまりの不味さに、反射的に言葉が漏れていた。


「ごめんなさい……」


 そう言うと玲奈は皿を持っていき片付けようとするが透はそれを静止した。


「食べないとは言ってないだろ」


 透の言ったことがよく分からなかったのか玲奈は首を傾げる。

 不味いといいながら玲奈の作った料理を食べる透を見て本当に不味いのだろうかと疑問を持ち、自分の料理を食べたが不味かった。


 そんな生活が続いて透は中学生に、玲奈は小学六年生になった。

 透が中学生になったからそろそろ自分の部屋も欲しいだろうということでマンションから一戸建てに引っ越すことになった。


 玲奈の料理もどんどん上達していき、今では十分人前に出せるくらいにはなっていた。


 それからも生活していく中で、みんな血は繋がってないものの仲の良い家族になっていた。


 あれだけ口が悪く、暗かった透は以前とまではいかないものの明るくなっていた。

 常に暗く、ほとんど喋らず、たまに口を開いたかと思えば家族だというのに、敬語で話していた玲奈はすっかり明るくなっていた。


 二人は透が玲奈をいろいろ世話していたとは思えない程に立場が逆転しており、透は玲奈に「ちゃんとして」と度々怒られていた。


 そんなある日、透が学校から帰ってくると家の中が荒らされていた。


「ただい――」


 玄関に置かれている靴は横向きに倒れていたり、左右がバラバラになって散らかっていた。

 誰かが靴を履いたまま上がったのか、廊下には砂や土が飛び散っており、靴箱の上に置かれた花瓶が落ちて割れている。


「なんだ……これ……?」


 恐る恐るリビングへと向かうと、いつも居る筈の玲奈の姿は無く、テレビの音だけが流れていた。

 テーブルと椅子は大きく動いており、台所には中途半端に水の入ったやかんが放置されている。


 自分の部屋に居るのかと思って玲奈の部屋に向かい、ドアをノックするが返事は無い。

 今の状況を見て誘拐にでもあったのではないかと思いながらドアを開ける。

 そこにはいつもと変わらない、整理整頓のされた綺麗な部屋があり、またしても玲奈の姿は無かった。


 先に帰っている筈の玲奈が家の中を探しても見当たらないことに、内心焦りながらも平常心を保とうと深呼吸をする。


「玲奈ー! いるなら返事をしろー!」


 近所迷惑を顧みず大声で叫ぶと、外から声がしたような気がした。

 急いで外へ出ると、人通りの少ない道で玲奈が見知らぬ男達に黒い車に乗せられていた。


「お兄ちゃん!」

「黙れ! 騒ぐと殺すぞ!」


 男の一人は玲奈の頭に銃口を突きつけ、もう一人は透に銃口を向ける。

 玲奈は口をガムテープで塞がれ、車で連れて行かれてしまった。


「また……俺は家族を失うのか……?」


 幼い頃の事故が頭をよぎった。

 透はもう家族は失いたくないと強く思うと、いつの間にか走り出していた。

 この時に無意識に超能力を使って車を追いかけており、気付いたときには男達のアジトまで来ていた。


 そこは港の現在使われていない古びた倉庫だった。

 近くには男達が乗っていたであろう黒い車が停められている。


 一刻も早く玲奈を助け出したいと思っていた透は、一人で倉庫の中に走って行く。

 倉庫の奥には地下へと降りる階段があり、透は地下に降りていき男達を見つけると、銃を向けられる前に殴りかかった。


「玲奈を返せええええええええええ!」

「――えっ?」


 そんな驚きと困惑の混じった声を出した男は、殴られたその場で倒れて鼻から血を流す。


「こいつはさっきのガキ!?」


 周りは透を見てたじろくが、リーダーと思われる男は部下に命令を出した。


「全員あのガキを取り押さえろ!」


 その命令で男達が透を捉えようとする。

 透は必死に抵抗するが、超能力を使ったところで子供一人が多数の大人に勝てる筈がなく、呆気なく取り押さえられてしまった。


「くそっ! 離せこの野郎!」


 透は必死に抜け出そうとするが、地面に押さえつけられたまま動けない。


「ボス、このガキどうしますか?」

「恐らくこいつは超能力者だ。売ればいい金になるだろう。手錠をかけてコンテナに入れておけ」

「はっ!」


 透は手錠をかけられ、地下のコンテナへと入れられた。

 その中には連れ去られた玲奈と見知らぬ少女が一人居た。


「お兄ちゃん!?」

「良かった。無事だったんだな玲奈」

「うん、なんとかね。それよりお兄ちゃんはどうして此処に?」


 二人はお互いに無事を確認し合う。見知らぬ女の子も意識があった。


「玲奈を助けようと思ってあの黒い車を追いかけたらいつの間にか此処に来てたんだ。それであの男達に捕まって……」

「危険だって分かってたんだよね……? なんで助けに来たの……?」

「それは玲奈が心配だったから……」


 危険だとは分かっていた。だが自分まで捕まってしまったのは冷静ではなかったからだろう。


「それよりその子は……?」


 透は一人で静かに床に座っている女の子を見る。

 その子は透と同じくらいの歳の子で、少し前まで泣いていたのか、目の周りが赤くなっている。


「分からない。私が連れてこられた時には既に居たの」


 二人で話していると、自分のことを話していると気付いたのか、女の子は二人を見た。

 透はどう声を掛けようかと悩んだ挙句、名前を聞くことにした。


「俺の名前は川崎透だ。君の名前は?」

「私は……」


 女の子が自分の名前を言おうとすると、突然大きな音が聞こえ、地面が揺れた。


「一体何だ!?」


 大きな音は爆発音のようで、上の階が何やら騒がしい。

 透は様子を見に行こうとするが、手錠をかけられていて動くことができない。

 物音はどんどん近づき、透達のいる場所のドアが勢いよく開かれた。


「全員付いて来い! じゃないと殺すぞ!」


 透達を連れてきた組織のリーダーと思わしき男が入ってくるなりそう言い、全員の手錠を柱から外して両手に手錠をかけた。


 だが、見知らぬ女の子は怯えてその場を動こうとしない。


「チッ……」


 男は舌打ちをすると、女の子に向けて拳銃を構えた。

 女の子と玲奈は撃たれると思ったのか、目を閉じた。


「やめろー!」


 だが撃たれる直前に透が男に体当たりし、男は地面に拳銃を落とす。

 男は体当たりしてきた透に腕を振って、透は地面に転がった。


「先にてめぇから殺してやるよ」


 男は地面に転がった拳銃を拾い、透に銃口を向けてそう言った。


 もう駄目か……。と思ったとき、拳銃を握った男の手から血が出た。

 男の手からは拳銃が落ち、それをもう片方の手で拾おうとする。

 だが男が動こうとした瞬間に男の足元に銃弾が着弾した。


「動くな! 此処は我々が既に包囲した! 大人しく投降しろ!」


 同じ格好をしたような大人たちが男に向かって拳銃を構える。

 男はこれ以上は無理だと判断したのか、大人しく捕まった。


 そして透達を助けに来たであろう人達の中から、一人だけ走って三人に向かって来る人物が居た。


「全員無事か!?」

「お父さん!?」

「親父!?」


 ドアを開けて入ってきたのは川崎恭介だった。


「無事で良かった……。それでその子は……橘朱里ちゃんかな……? お父さんが外で待ってるぞ」

「あ……えっと……ありがとうございます」


 どうやら女の子の親と親父が知り合いなようで、女の子は女性と一緒に外に出る。


「助けてくれてありがと……」


 女の子は透の横を通った際にそう言って女性と共に外へ行った。


「じゃ、お前らも家に帰るぞ」


 そして恭介とその仲間に連れられて家へと帰ることになった。

 今回のことに関しては他言無用で、決して口外してはならないそうだ。


 それからは透と玲奈の二人は平穏な日々が続き、透が高校一年生、玲奈が中学三年生になったとき、恭介から初めて二人を引き取った本当の理由を教えられた。


 恭介は透と玲奈が超能力を持っているを知り、二人のことは組織で引き取るという案があったのだがそれを恭介は却下し、その代わりに一人で二人とも引き取ることになったらしい。


 透が幼少期に遭ったのは事故ではなく超能力による事件で、それも透の父親を狙ったものだった。

 恭介と透の父親は仕事仲間で仲も良かったらしい。


「お前の両親が死んだのは俺の詰めが甘かったのが原因だ。本当にすまない」


 と恭介は頭を下げて透に謝罪をした。透はちょっとした怒り覚えるがそれは恭介の謝罪に対してだ。

 何故何一つ悪くない恭介が自分に謝罪をするのか、謝罪するべきは自分の両親を殺した人物じゃないかと透は思った。


「俺も親父と同じ仕事がしたい」


 透が恭介にそう言うと、玲奈と恭介は驚く。


「……俺のやってる仕事は非常に危険だ。お前みたいな子供がやるような仕事じゃない」

「分かってる……。それでも俺はしたいんだ!」


 恭介は危ない仕事だからだとそれを拒否するが透は一向に食い下がる気配がない。

 恭介は真剣な表情で自分を見ている透を見て、自分が反対したところで透は諦めないだろうと思ってしまった。


「……一応上には相談しておこう」


 恭介はそう言い、この話は一旦終わりということになった。


 翌日上司に相談した結果、もう働ける歳だし本人の意思を尊重しようということで働くことになり、成績が著しく下がるようなら仕事は与えないという条件を加えられた。


 その後、透は超能力を使い、さまざまな事件・事故に関わり、そこそこの成果を出した。

 自分と同じ歳の駒井義明が透の学校に転校してきて、同じ仕事仲間が増えた。


 玲奈も高校一年になると同じ仕事をし始めた。


 玲奈の超能力は千里眼で、本人はパソコンなどの機器も扱えたことから遠くから状況を伝えるオペレーターのような役割となった。


 それからも平穏な日常が続いていたが、そんなときにあの事件が起きる。

 透と駒井を含めたクラスメイト四十人と二人の上司である西園寺静流が異世界へと召喚された。


 異世界に召喚されてからというもの何回も死にそうになった。

 そんなある日、森に住む少女と出会ったのだ。

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