閑話
冷たい石畳に一人の女性が後ろ手を縛られ膝をついていた。
しくじったわ!そんな手を使っていたなんて…
でも私が代わりに受けた事でロレインとソフィアを最悪のシナリオから守る事はできた。
あぁごめんなさい、ごめんなさい…
貴女たちが辛い思いをしなければいけない運命にしたのは私のせいなの。
こんなところであの女に負けるなんて…。
でも万が一の為にあれを仕込んでおいて良かった。
後はあの時仕込んだあれがうまく動いてくれるといいのだけど…
どうか…どうか二人とも幸せになって!
そこにもう一人の女性が近づいていく。
「…無様ね…私に勝てると思ったの?」縛られた女性を見下ろし嘲るように問いかける。
「ところで貴方、本当はだれ?何者なの?」
「そんな事どうでもいいでしょう…くっ…、私をどうするつもり?」
「まぁ 殺しはしないわ… 殺したら目覚めが悪いもの、あなたは今からすべてを失うの。地位も家族も友人もその名前も全て」
「どういうことよ!」
「フフッ… まぁ焦らないで。すぐわかるから」
そういうと女は薬の入った瓶を取り出す。
「今からこれを飲んでもらうわ」
そういうと近くにいた屈強な腕の男性に無理やり口をこじ開けられ瓶の液体を口の中に注がれる
しばらくすると薬を飲まされた女性は意識を失い倒れた。
ガタンガタン……… 悪路を走る馬車の音で目が覚める。
どれくらい眠っていたのか分からない。
ここはどこだろう… ? 私は………誰だ?…
しばらくして馬車が止まる。
「おい、出ろ!」男に無理やり馬車から引きずり出される
「痛い!」 男はそのまま女性を乱暴に地面にたたきつけるとすぐに馬車は走り去ってしまった。
残された女性は茫然とした。ここがどこなのか、自分が誰なのかも分からない。
ただ目の前には寒々とした深い森が広がっていた。