異常召喚は突然に
ドォン!!
「誰だ!
異常召喚!?」
最初にするなって言われたのにするなんて
よっぽどの馬鹿だな。
「なんで俺がウォルフなんだ!
もっと強い使い魔が出るはずなんだ!」
「馬鹿か!
2度の召喚なんてことして!!
誰も助けてやれないからな!!」
金髪のプライド高そうな男子が
召喚陣を見つめていた。
この騒ぎの犯人らしい。
馬鹿だな。
召喚陣が光ったと思ったら、
髑髏のカマを持ったいかにもな死神が出てきた。
「2度の召喚は禁忌…
罪は己の魂で償え」
カマを振り上げた時だった。
「待ってください!
1度の過ちです。
許しては頂けませんか」
勇者?が出しゃばってきた。
「ならぬ。
禁忌召喚とは世界を滅ぼす行為。
さらに複数の血を使っての召喚など以ての外」
本物の馬鹿だったんだな…。
勇者も何故こんな危険人物を生かしたがるんだ。
「お願いです!」
「煩い」
俺は1歩歩みでると、
グレイプニルを取り出した。
「これがこの世界の理だ」
グレイプニルで勇者を拘束した。
「死神、今のうちだ」
「カズネ様、感謝致します」
死神は金髪の魂を刈り取り、
その横で震えていた生徒2人も刈り取り
召喚陣へ消えていった。
「何故助けないんだ!」
あ、煩くて無視してた…。
「この世界の理を知れ」
それだけ言って俺はアラウたちの元へ戻った。
もちろんグレイプニルは回収済みだ。
ガキンッ
「なんだ?」
勇者が剣を振り回してきた。
「君の思考は危険すぎる!
ここで死んでもらう!」
「生徒を守ろうとした剣で
生徒を殺すのか?」
理解ができない。
何故危険なんだ?
「ぐっ…だけどキミは危険だ!」
何が危険なんだ。
「担任、禁忌召喚が何故行ってはいけないか
もう一度教えてあげて」
呆然としていた担任に問う。
「えっ!?
あぁ、禁忌召喚は世界を滅ぼすキメラが出てくる
その力は強大で、倒すには帝でさえ命懸けの戦いになる。
さらに複数の血を使っての召喚となると
国が幾つ地図から消えるか
予測もつかない。
だから死神が出てきたら決して邪魔をしてはいけない。
それが国法だ。
法律に定められている。」
「聞こえたか勇者。
お前のいた世界の様に、この世界は甘くない。
そいつの行動で何千何万もの死者が出るんだ。
それが許されると思うか?」
「話し合いで何とかなるかもしれないだろ!」
「死神が先に召喚陣に現れることで
キメラが出てくるのを防いでいる。
その死神が身を引けば、現れるのはキメラだ。
キメラは無理やり体を合成されている。
その苦しみ、痛みで自我を無くしている。
死ぬまで暴れるのが常識だ。
キメラの苦しみは良くて、犯人はいいのか?
何が気に入らないんだ?」
「何故簡単に人を殺せるんだ!
クラスメイトだぞ!
救えたかもしれないのに!」
本物の馬鹿はだから困る。
常識すら知らないのか。
「罪のないキメラを殺すのはいいんだな?」
「そんなことは言ってない!」
「他にどんな方法があると言うんだ?
異常召喚者を殺さず、どう魂の調律を測るんだ」
「それは…」
もういいだろ。
「担任、続きはどうする?」
「グランな。
仕方ないから今日はここまで。
明日続きを行う。
城へ報告があるから、帰宅していいぞ
カズネは付いてこい」
「はい」
面倒だな…