8. 今回主人公二言しかしゃべらない説
大変長らくお待たせいたしました。お待ちになってk出さっていた方申し訳ございません。
これからも頑張りますので、何卒、佳川瑠伽を宜しくお願いします。
1000アクセスを越えました。皆様これからも楽しんでいってください。
誤字・脱字などのご指摘よろしくお願いします。
時は少々さかのぼり。
ハヤトを恭介の居場所に瞬間移動させた。
ハヤトの後頭部を鈍器で殴った〈黙示録協会〉の〈戦士〉が通信石から耳を離し、ロドルフに話しかける。
「契約は成立、だ。お約束どおり【禁術】によってお前の友を蘇生することが、今さっき完了したようだ。」
一息ついて、ロドルフは話し出す。
「……その子に、今すぐ会えないか?」
男は答える。
「ああ、もちろんだとも。」
そう言い、文字が書かれた紙を差し出す。
「ここがそこの座標だ。これがわかれば《転移魔法》で移動できるだろ。」
ロドルフはその紙を見て、詠唱を開始する。
「〈かつての地へ・我らをいざない給え・いざクロステリア支部へ〉《転移魔法》テレポーション」
そうして、男とともにその場を去った。
___クロステリア支部
「キリアッ!!」
そう叫ぶロドルフ。
そこにはのほほんとした女の子がいた。
「ロド……ルフ……?ていうか、なんで私……」
そうつぶやいた。
彼女こそ、ロドルフが死なせてしまった女の子、キリア・ カナリアその人なのである。
ロドルフが駆け寄り、抱きつく。
「キリア……キリアごめん、ほんとにごめん……」
うれし泣きか申し訳なさによってか彼女の目から涙がこぼれる。
それに対してキリアは、彼女の頭を撫でた。
「別にいいよ。気にしなくても。でもね、訊きたいことがあるの、ロドルフ。なんで私は生きているの?それにここは?この人たちは誰?」
ロドルフは答える。
「ここは〈黙示録協会〉のクロステリア支部で、この人たちは〈黙示録協会〉の人達さ。この人達はお前を生き返らせてくれたんだ。」
そこまで言ったところでキリアが反応する。
「……まさか、【禁術】を使ったの?しかもなんかここの人達、みんななんか気味悪いし……こんな組織に手を借りるなんて、何やってるのロドルフ!!」
ロドルフは少し黙った。
そして、目線を下にする。
「しょうがなかったんだよ、キリア。これしか道がなかったんだ。この組織に手を借りればキリアを蘇らせることができる。しょうがなかったんだ。」
そう言い、目線を上げる。
「でも、もうここには用無しだ。どうもありがとう、皆の衆。」
周りがざわめきだす。
さっきの男が「ああ?」という間もなく。
「〈かつての地へ・我らをいざない給え・いざマスターの宿へ〉《転移魔法》テレポーション」
詠唱が完了する。
「心配するな、すぐに戻ってくるさ。貴様らの敵としてな!!」
先ほどの〈戦士〉の男が剣を抜こうとしたときにはもう、彼女らの姿はもうそこになかった。
_____マスターの宿
扉が開かれる。
ロドルフとキリアの姿があった。
「あれ、帰ってきてたんだ。ん?その子誰?ていうかハヤトは?一緒じゃなかったっけ。」
という風な感じのマリシアの意識を置いていくがごとく、ロドルフは語り始めた。
今さっき会ったことを。
_____数分後。
「ふぇぇぇぇぇぇぇえええええ!?ハヤトが連れ去られたぁぁぁぁぁ!?」
マリシアの声が響き渡る。
「まぁ、そういうことだ。なんで今から助けに行く。つまり___」
「助けに行くのを手伝って、でしょ?あったりまえじゃん!!」
ロドルフのセリフを奪って、笑顔になるマリシア。
手をロドルフの肩におき、言った。
「さっき言ってたこれまでの経緯は……う~ん、よくわかんないけど……とりあえず助けに行けばハヤト、帳消しにしてくれるよ。多分。ハヤト優しいし。」
ロドルフに向かって親指を立てる。
「申し訳ないな、ほんと。」
マリシアの言葉に、思わず微笑むロドルフ。
そーいえば、とマリシアがもう一人の少女に目を向ける。
「キリアちゃん、だね?」
「うん。ちなみに私も行くから。」
「よろしく、キリアちゃん!!」
さてと、とロドルフが丸まった紙を出し、広げる。
それはさっきの男に渡された座標の紙だった。
「もう一度、さっきの場所に移動する。着いたら戦闘は避けられないから、気を付けてくれ。」
マリシアはすぐそこに置いておいた装備を、キリアはロドルフの余っていた装備を着て、ロドルフの近くによる。
「よぉーし!!準備オッケーだよ!!」
「私も大丈夫。行こう、ロドルフ。」
二人と目を合わせた後、一呼吸置き、唱えた。
「〈かつての地へ・我らをいざない給え・いざクロステリア支部へ〉《転移魔法》テレポーション」
三人の姿が、音もなく消え去った。
__クロステリア支部、再び
「お前らぁ!!戦闘用意しろぉ!!奴らは再びやってくる!きっとそうだ!!」
支部では、さっきの男が声を張り上げていた。
な訳あるか、とでも言いたげな部下たちは、渋々戦闘態勢に入る。
あまりの阿保らしさに、そのうちの一人があくびをした。
「……オイッ!!そこのお前!!」
「(やっべばれたか?)す、すみませ……」
「後ろだッ!!」
「え?」
ズシャ。
後ろを向いた時にはもう、その心臓をナイフで刺されていた。
そこには、三人組の女がいた。
「……や、やれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
その掛け声に、呆然としていた部下が目を覚まし、攻撃を仕掛けてくる。
「マリシアは前衛で攻撃、キリアは後方で|魔術付加〈エンチャント〉及び回復を頼む!!私は中距離から後方支援する!!」
「OK!!」
「わかった。」
マリシアが群衆に向かう。
(いち、にい、さん……この量なら、あれが最善かな……)
走りながら息を吸い込み、止め、全身の力を抜く。
かつて〈伝説の狩人〉と呼ばれた村長がアレンジした《アクションスキル》のモーション、メンタルバランスなどを一つ一つこなしていく。
マリシアの体が光る。
「《アクションスキル》狩人の舞【銀狼】」
マリシアの体がうねるように動き出し、まるで何かにとりつかれているかの如く俊敏に動き、敵をことごとくナイフで切り刻んでいく。
それはまるで、まわりの敵を本能のまま食い散らかし、殺す狼のように。
早すぎて目で追えないほどの速さで、相手の急所を的確に切り刻み、確実に仕留めていく。
「ちぃ、バケモンが!!」
詠唱が終わった魔術師たちが一斉にマリシアに向け放火する。
が、それはバリアによって遮られた。
「《防壁魔法》シールドバリア。危なかった~。それにしてもすごいなマリシアさん。」
キリアもサポートで応戦する。
「〈燃え尽きよ・愚かなる邪鬼よ・葬られよ・燃え盛る炎を以て〉《火炎魔法》バーンブラスト、《特殊スキル》魔術連射」
ロドルフの手にある魔法陣から連続で射出される火炎が、敵の体を焦がし、殺す。
あっという間に連中を倒した三人。
すぐにその部屋を出て、ハヤトを探す。
「……とは言ったものの手掛かりがないね。」
「いや、待て。あっちの方が騒がしいようだぞ。」
ズドン……ズドン……とあっちの方から音がする。
かすかにハヤトの声___みたいなのが響いて聞こえる。
「あっちだ、行こう!!」
廊下を三人が駆け抜けていく。
時は戻り_____
バタン!!
ドアを勢いよく開け、叫ぶ。
「助けに来たよ、ハヤト!!」
痛々しい痣がいくつも体にみられる。
相当痛い目に遭っていたんだろう。
「このごみカス共が……」
そこにいるものすごい威圧感を放つ男が近寄ってきた。
指をパキパキと鳴らし、近寄ってくる。
「まぁ、一応お客様だ。少し遊んでやるか。」
それを聞き、構える三人。
「ハヤトをこんな風にして、許さないッ!!」
ナイフを構え、突進する。
ひと振り目をよけ、後ろに下がってから、唱えた。
「お前に作法を合わせてやるよ。〈転職・狩人〉」
「!?」
(ハヤトと同じ力!?)
と驚く暇もなく___
「《アクションスキル》天穿つ狼爪【改】」
幻想か現実か、その姿の後ろに巨大な狼の像が結ばれ、その男が投げたナイフとともに一直線に飛んでいく。
マリシアがその軌道から外れようとしたとき、巨大な狼が吠えた。
「ッ_____!?(体が、動かな……)」
ナイフはマリシアの腹に刺さり、狼の像に吹き飛ばされる。
壁にたたきつけられるマリシア。ものも言わず崩れ落ちる。
「マリシア___」
「次はお前か。」
ロドルフが前を向くともうすぐそこに〈魔術師〉に転職したであろうその男がいた。
「特殊スキr__」
「《特殊スキル》詠唱省略」
彼が唱えたとたん、無数の魔方陣が彼女の周りを囲み、
「ど~ん」
放出される。
それは何の魔法があるかさえわからないほど多く、食らったらひとたまりもない。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ロドルフがその場に倒れこむ。
「これで二人目、と。あーとーは……」
その目線の先には、キリアがいた。
「ひっ……!?」
「君だけかなぁ!!」
詠唱省略によって魔法陣が_____
「《神聖魔法》オーヴァー・テンペスト!!!!」
「なッ___!?」
迅雷が巨大魔法陣から駆け抜ける。
転移魔法で間一髪避ける。
「ほう、当てるつもりで撃ったが流石は元弟子ってところかね」
「……じじい、生きてたのか、テメェ……」
気を失いかけていたハヤトが起きる。
「へ、なにこれ」
と、後ろから背中をつんつんされる。
振り向いた、そこには……
「おひさ、兄貴」
「か、カナメ!?」
妹、千鳥カナメがいたのだった。
おかえりカナメ。
君は出オチキャラじゃなかったんだね。
次回をお楽しみに!!