2. 始まりが森だとキツイ説
どうも。今回も誤字・脱字ありましたら、ご指摘お願いいたします。
「……とりあえず村or町を探すか。」
放置され、しばらく呆然としていた隼人がそうつぶやく。
高い崖を下り、森の中へ歩みを進める。
歩きながら隼人は考える。
______そういやどうやって転職すんの?
とりあえず〈スカウトラァー〉を起動させる。
「あ、あんじゃん転職について。」
便利なもんじゃのう。
えーと、
〈転職スキルについて〉
・自分もしくは他人をジョブチェンジできる。ジョブチェンジをするときは「〈転職・○○(なりたい職業)〉」と宣言すればその職業になれる。
……ふぉぉおおおおおお!!!
簡単に出来ていいじゃないか!!
これからモンスターがいる疑惑の森に突入するわけだし。
軽く転職してくか!!
「う~ん、そうじゃの~……じゃ、〈転職・賢者〉!!!」
ドラ○エにおいて、呪文を使う上級職業である〈賢者〉。剣を使ってバッサバッサ無双するのもいいんだけど、呪文撃って一掃のほうがいい気がする。
さぁ、来い!来い!
……
……あれ?
おっかしいぞ~?
念のためもう一度〈転職スキルについて〉を見る。
※注意
・転職できる職業は、なったことがある、又は自分が見た人の職業のみになります。ご了承ください。
・初めて就く職業はLv.1からスタートになります。
な、何ぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいい!?
ば……馬鹿な……
いや、見るだけで就ける職業が増えるのはフツーに強いんだが、今の状況においては全く役に立たない。なんせ森の中だし、就いたことのある職業は〈無職〉だけだし……っていうか無職って就いた判定なの?
「っとそんなこと考えている場合じゃないな……まぁ村か町があれば職業に就いている人だらけだろうし、とりあえず進むしかないッ!」
村を見つけるまでモンスターに出会わないようにすればいいだけだし。
絶対無理なことを自分に言い聞かせて、歩みを進める。
__森の中。
「ぎゃああああああああああ!!!!こっち来んなぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
「ギユピィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!」
そらこうなるわな。
いや、知ってた、知ってたよ?こうなることぐらい。
森の中に入った瞬間にモンスターと遭遇とか……
笑うしかねぇな……ハハ……
「ま、まだ死んでたまるかあぁぁぁぁぁぁ!!!」
地面の砂をモンスターに投げ、目を眩ます。
「ギ……ギュピィィィ!?」
「よし、今だ!」
なにがあるかも知らぬ方向へと駆け出す。
モンスターに殺されないように。
_______
______あれからどれくらい歩いただろう。
もうすっかり日も暮れて、よく目を凝らさないと周りが見えないほど暗くなっていた。
ずっと逃げる、逃げる、逃げる、だったので、身も心もクタクタだった。腹も減っている。思い出せば今日、昼飯も食ってなかった。
何か、食いものは無いのか。
そう思い、周りを見渡すとなんだか明るい場所があった。
近づいてみると、そこには運よくたき火があった。しかも焼き魚もあった。
「……へへ……ら……ラッキー……」
疲れながらも近づき、焼き魚を必死にほおばる。
味はともかく腹にはたまる。
たき火も温まる。
今日はここで一夜を明かそうかな……
そう思い始めた、その時。
「グ……グギャァァァァァァァァアアア!!!!!!!」
モンスター達が現れた。(多分俺らの言うところのゴブリン)
おそらく、このたき火と焼き魚は彼らが作ったのだろう。
かなり怒っているようだ。
「グギグギグギィィィィィィイイ!!!」
「マジか……畜生……」
食いかけの焼き魚を捨て、駆け出す。
____意識が飛ぶ。
「う……うう……こ、ここは……」
目を覚ますと、木陰にいた。
走っていた時の記憶がない。
疲れていたのだろうか。
「……まぁ、また今日も探すか。」
疲れが取れないまま進み始める。
昼。
昨日と一緒だ。
逃げる、逃げる、の繰り返し。
当然、村も町も見つからない。
夜。
昨日とは別のたき火を見つけた。
焼き魚もある。
空腹のあまり考えるのをやめ、そこに近づく。
だがやはりゴブリンがいる。
「グギグギグギィィィィィィイイ!!!!!!!」
「く……くそがッ」
逃げ場がなかったので、近くにあった川に身を投げる。
意識が戻った時には岸辺についていた。
「早く……早く食いもの探さねえと……」
また、歩き出す。
気付けば朝になっていた。
「腹……減ったなぁ……」
視界がゆがむ。
「へへ……まいったな……」
そう言い、その場に倒れた。
「ん?人が倒れてる?」
最後のセリフを言ったのは誰だ!?
次回をお楽しみに!